相次ぐCTSプロパー社員退職、休勤多発、要員減少に対し「将来展望」示せず!
第1回(3/25)第2回(4/15)CTS団体交渉
動労千葉は検修・構内業務外注化の破たんについて、3月25日と4月15日に申23号、26号に基づくCTSとの団体交渉を行った。
3月25日の第1回団交でCTSは、「10年でプロパー中心の外注化体制の構築」ができないことを認めざるを得なかった。だが、何の対策も将来展望も示すことが出来ず、何の責任を取ることもなく、ただ「今のまま続けていくしかない」という回答に終始した。
団交で追及を繰り返し、検修・構内業務の将来展望の問題、プロパー社員の採用・養成やエルダー退職、出向者の復帰などの要員問題、転削の養成など技術継承の問題、65歳以降の雇用の問題について、「3月中に具体策を検討して団交で回答する」と回答させた。
4月15日は、その回答を受ける団交として設定された。
養成数より退職者が多い―外注化破たんは明らかだ
組合 3月中に具体策を検討して回答するということだったが、回答がなかった。今回の団交で検討結果を回答してほしい。
会社 運転車両の将来展望については、これから数年で多くのエルダー社員が退職となることを踏まえた採用計画を立てている。新卒採用、社会人採用、清掃からの社内登用を含めて、年間10名程度を採用していく計画だ。できれば10名より多く採りたい。
組合 この間、CTSプロパー社員が退職していること、それに伴う要員のひっ迫への対応ということか。
会社 そうだ。これまでは5~6名の採用だった。前年度は新卒7名、社会人採用3名で10名の採用、今年の新卒7名のうち1名は清掃からの社内登用だ。中途採用はこれから募集する。
組合 だが、前回団交で会社は年間に養成できる人数は前期5名、後期5名の最大10名だと回答した。
会社 現在のところはそうだ。
組合 エルダー社員の退職者数(上記、表参照)を考えれば、採用と養成が最大限うまく言っても毎年要員はマイナスだ。若年出向者をJRに返す必要もある。これで業務が回るのか。
会社 業務を回すことが大事だ。新たなエルダーの人も来る。
組合 新たなエルダーは何人でもない。結局、今までと変わらないということだ。できない業務はJRに返すと言うならわかる。
会社 JRとの人事交流も行う考えだ。
組合 若年出向でハンドルを持っている運転士を構内に入れるということか。
会社 それも含めて考えている。
組合 人事交流ということは、何人取って何年で返す計画なのか。
会社 今の段階で具体的な数はない。人数などはJRとの調整が必要だが大量に取ることは考えていない。
相次ぐプロパー社員退職に対する将来展望を示せ!
組合 将来展望と言う場合、採用計画もあるが、8年半で19名のCTSプロパー社員が退職している。将来展望が見いだせないと言っている。その点はどうか。
会社 本人の希望にもよるが、いろんな業務にチャレンジしてやりがいが感じられるようにしたい。幕張、京葉、津田沼の3事業所の異動を経験して、副所長、所長を目指してもらうことを考えている。
組合 それも今まで通りだ。所長や副所長と言っても、「名ばかり」だ。JRから出向してきた副所長と名前は同じでも、CTS側は1号俸で1千円くらいしか上がらない。プロパー社員は4号俸上がっても2200円だ。JRから出向で来た管理者は2号俸でも3千円、4千円と上がる。それで「所長、副所長になれる」などごまかしだ。
会社 ごまかしではない。
組合 そういう自分たちは1号俸でいくら上がるんだ。そもそも所長まで上がる人なんて何人もいない。そこまで行ってもこんなレベルだ。その上、扶養手当はなくすし、子ども手当はボーナスの対象から外される。福利厚生もJRとまったく違う。「多く採用するのが対策だ」といっても、これでは同じことだ。
会社 いろんな業務を経験してもらいたい。
組合 それも今までと変わらない。「いろんな」と言っても、いくつもない。どこを選ぶのか。それでみんな辞めている。今までと同じではダメだから検討する時間を取った。それで同じことを言ってどうするのか。ちゃんとした回答を出せ。
会社 ちゃんとした回答をしている。本人たちの意見を踏まえた上での考えだ。本社の体験ということも進めている。
組合 いつから、何人が行けるのか。
会社 将来の話だ。人数はわからない。
組合 「将来」になる前に辞めている。だから、計画を出せといっている。希望すれば副所長になれるのか? JRからの天下りばかりでプロパーは上がれないって分かっている。上がれるって言うなら、あんたらが辞めてそこに入れてくれ。
会社 来年に副所長にするというのは無理だ。本社に上げることも確約できない。計画もしていることは事実だ。
組合 誰が行けるのか? それで現場から持っていけば、また人数が足らなくなる。「対策」として本社を持ち出すのはごまかしだ。
会社 将来的にはプロパーの人に担ってもらいたい。
組合 なぜ現状と変わらないことを言うのか。前回も聞いたが、なぜこんなに辞めると思うのか。採用者の3分の1が辞めている。JR北海道のような状況だ。
会社 面談中では通勤の問題など家庭の事情が多かった。
組合 「通勤が遠い」というのは住宅手当の問題だ。近くに部屋を借りたくてもそれだけの手当も賃金もない。だから辞めてしまう。
会社 それはほんの一部の人の話だ。通勤手当は付けている。
組合 住宅手当の問題だ。住宅手当については、組合からはずっと要求してきた。今はごく限られた範囲にしか出ていない。
会社 労働条件は示した上で応募してきたということだ。
「10年で完成」できないなら今すぐ外注化を撤回しろ!
組合 10年でプロパー社員中心の体制を完成させると言っていた。プロパーの数は増えても、若年出向が必要になる。間に合わないということだ。
会社 プロパー主体の体制は計画よりも遅くなる。進めていくしかない。
組合 「10年」という計画はできない。その責任はどう取るのか。今も継続して出向させられている。JRとの人事交流というが、望んで来る人がいるのか。無理やり出向させて継続するのか。毎年要員は減っていく。同じことを繰り返している。
会社 計画通り採用していけば大丈夫だ。
組合 どこが大丈夫なのか? 会社の回答した数をどう見ても足らない。JRもCTSも外注化当初だけじゃなく、これまでずっと「10年目にはほぼプロパー社員だ」と言い続けてきた。それが全く出来ていない。
会社 当初と社会環境も変わっている。
組合 「10年で完成」と言って出来ないで、よくそんなことが言えるものだ。外注化当初は若年出向、エルダー社員、プロパー社員の数をグラフで示していた。実際に8年半たって会社もそういう計画を持っているはずだ。具体的にこういう人数になると改めて示してくれ。
会社 採用計画は示すものではない。
組合 外注化当初、JRが出していたものだ。その計画に沿ってやる必要があるはずだ。
会社 業務が回せる体制は作っていく。
組合 すでに結果は出ている。今は休勤で回している。休勤前提の業務など本来あってはならない。
会社 業務としてはしっかり回しているという認識だ。
組合 現場に矛盾が押し付けられている。外注化の崩壊だ。会社の回答ではどうやっても数が足らないから計画を出せと言っている。それも出せないなら、責任をとってただちにJRに戻せということだ。
「業務効率化で要員埋める」と回答も「内容は検討中」
会社 足らない部分は、今後業務の見直しを考えていく。
組合 それで要員を解決するなら、合理化するかJRに仕事を返すか、どちらかしかない。
会社 効率化していくということだ。JRに業務を返すことは考えていない。
組合 何人の見直しになる計画なのか。
会社 まだ検討中だ。
組合 回答になっていない。プロパーの人たちの将来展望はどうなるのか。業務効率化ということは、何らかの形で人を減らして仕事をきつくするということだ。低賃金でさらに仕事がきつくなる。もっと辞めてしまうということだ。
会社 中身はこれから検討する。計画的な採用と業務の見直し、効率化を図り、業務執行ができる体制を整えていくということが会社の回答だ。
会社回答でも要員は足らない―まともな回答を示せ!
組合 年間10人が養成の限度だと言ったのは会社だ。エルダー社員の退職者数にも追いつかない。数が足らなければ仕事をやっている現場が苦労する。これでは説明になっていない。福利厚生などのプロパー社員の将来展望、要員問題の解決などの計画をちゃんと出してくれ。
会社 すでに回答したとおりだ。
組合 数がどうやっても足りない。ちゃんと計画を出せと言っても、答えにならないことばかり言っている。10年で出来ない。責任も取らない。それで「将来だ」なんてプロパーの人に言えるのか。
組合 「いろんな経験」というが、CTSでプロパーに何ができるのか。JRに人も業務も返して、プロパーもJRで色んな経験をさせればいいだけだ。「JRでは助役、CTSでは副所長」みたいな管理者だけが増えて、ぐるぐる回している。だから、「名ばかり副所長」という話になる。この外注化が何だったのか、答えが出ている。外注化を撤回してプロパーも出向者もJRでやれば「展望」も生まれる。
組合 ベテランがいない中で転削業務も始まる。計画が出せないなら、もう一回団交だ。期限は切らないが、ちゃんと検討して出してくれ。
会社 安全についてはしっかり議論していきたい。福利厚生面なども申し入れてもらえれば交渉する。
組合 せめて数が足りるように計画を出してくれ。人事交流についてはJRにも改めて申し入れるが、ジョブローテーションでは問答無用で駅に異動させられている。それがCTSとの間で起こるようになる。数だけ揃えばいいということではない。改めて続行とし、必要な中身があれば別途申し入れる。
会社 了解した。
以上