1・58箇月、7月7日支払い(6/11)
貨物夏季手当超低額回答を弾劾する
定昇凍結「協定」化で翼賛体制が進行
貨物会社は、6月11日夏季手当について、「1・58箇月」という超低額回答を強行した。貨物会社の超低額回答に怒りをこめて弾劾するとともに、これをその場で妥結した日貨労を弾劾する。
貨物会社の回答内容
①基準額は、基準内賃金の1・58箇月分とする。ただし、定期昇給分については、別途支給する。
②支給日は、7月7日以降、準備出来次第とする。
③55歳に到達した社員の取り扱いについては、従前どおりとする。
今年の夏季手当について、貨物会社は当初から事業計画で明らかにした「年間で3箇月、夏季で1・5箇月が精一杯」という主張を行ってきた。
「黒字にしなければならない」経済がどうなるか見えない」等々と危機感をあおり、だからいまは我慢しろとばかりに労働者に犠牲を転嫁してきた。ここまで会社が強行に出てくるのは、10春闘での定昇凍結により、労働組合の屈服と協調をとりつけたことが大きい。
定昇凍結の「協定」化を許すな
貨物会社は、今春闘で11年連続となるベアゼロとともに、定期昇給凍結(10月から実施)を強行した。定期昇給は、就業規則では毎年4月に実施することになっている。ところが就業規則を変更することもなく、4月1日以降の新賃金要求の「回答」として定昇凍結を強行した。そしてそれを実施するにあたり、労働組合と「協定」を締結することで実施に持ち込もうとしてきた。本来、「協定」を締結しなければ、会社は4月1日に就業規則どおりに定期昇給を実施しなければならなかったのだ。
ところが会社は、「会社発足以来最大の危機」「前原国交大臣が日航の次はJRだと言っている」などさまざまな危機意識をあおり、「定昇なし、期末手当は年間3箇月」など賃金抑制や、要員削減を盛り込んだ事業計画への賛同を組合に協定という形で求めたのだ。そして日貨労はもとより、国労・貨物鉄産労・建交労と軒並み定昇凍結の「協定」を結ぶことで、貨物会社の翼賛体制が生まれることとなった。そして「9割以上の賛成を得ている」として、定昇即時実施を求めている動労総連合の組合員にも、定昇凍結を強制しているのだ。
会社は、「2ケタ黒字の達成」という事業計画達成にむけて労働組合の賛同と協調を得ることをとおして、一層の労働者への犠牲の転嫁を狙っているのだ。
ベアゼロはもとより、期末手当の超低額回答、さらに定昇凍結と貨物会社の推し進める賃金抑制攻撃は、「協定」問題をもって一段と激しさを増している。「協定」は、明確に労働組合としての意志がなければ結べないからだ。一切を労働者に犠牲を転嫁することで乗り切ろうとする会社の姿勢と、屈服と労使協調を深める労働組合の存在こそが、貨物会社で働く労働者を苦しめている元凶なのだ。
貨物会社でも、分割民営化の総決算の攻撃が激化している。職場から全力で反撃にたちあがろう。