私たちは昨年2月、毎年欠かすことなく開催されてきた11月労働者集会が25年を迎えるにあたって「3労組共同アピール」を発し、「労働運動再生に向けた闘いを新たな段階に進めたい」と呼びかけました。同アピールには国内のみならず世界各地からも多くの賛同が寄せられ、11月6日、私たちは、日比谷野外音楽堂に結集して下さった多くの仲間たちと共に新たな一歩を踏み出すことができました。闘いを支えて下さった皆様に心から感謝いたします。
ウクライナで戦争が勃発したのは、私たちがアピールを発した直後のことでした。それから1年、世界は一変し、戦争が三たび世界をのみ込もうとしています。タガが外れたように世界中で大軍拡が叫ばれ、恐怖と憎悪、挙国一致が時代の精神になろうとしています。東アジアでは「台湾有事」をふりかざした中国侵略戦争の危機が急速に高まり、岸田政権は、米バイデン政権と手を結び、歴史的大軍拡、敵基地攻撃能力の確保、南西諸島―日本全土の出撃基地化、〝安保防衛政策の歴史的転換〟に踏み出しました。「戦争放棄」を“国是”としてきたはずの憲法は踏みにじられ、私たちの住む世界はわずかの間にまったく変わってしまおうとしています。
成長の余地を失った資本主義の危機こそが、この戦争を生み出している真の原因です。とくに〝新自由主義〟は、世界中で数十億人もの人々を飢餓に突き落とし、民主主義的なものをことごとく破壊し、国家と国家の激しい対立と衝突を生みだしました。
戦争によってもたらされた経済的・政治的危機に対し、世界中で労働者の大反乱が始まっています。英国では、看護師や救急隊員などの医療従事者、鉄道、郵便、教職員、空港の入国審査官や税関職員など、数十万の労働者が続々とストライキに立ち上がり、アメリカでも労組結成やストライキの大波が起きています。韓国ではユン政権による国家保安法をふりかざした大弾圧に抗して民主労総がゼネストに立ち上ろうとしています。
「騒乱の年」と呼ばれた2019年から4年、コロナ禍をこえて、積もり積もった怒りの声がいよいよ歴史を動かそうとしています。
日本では労働運動の深刻な危機が続いています。その発端となったのは36年前の国鉄分割・民営化―総評解散・連合結成でした。しかし連合は、いっさいの権威、求心力を失っています。連合は、インフレで労働者の生活が根底から脅かされ、平和の危機が迫っているというのに、コトリとも声をあげようとせず、自民党との一体化を深めています。
労働運動の刷新が求められています。それはどれほど困難であろうと、どんなに小さな闘いからであろうと、私たち自身の手で成しとげなければならない課題です。
私たちは、昨年の3労組共同アピールで4つのことを訴えました。
第1に、関生支部にかけられた戦後最大の労組弾圧、JRにおける「労組なき社会化」攻撃を粉砕するために全国の力を結集しようということです。関生、JRをめぐって火花を散らしている闘いの中に、すべての労働者の権利、労働運動の未来がかかっていると考えているからです。
第2に、新自由主義を終わらせるために立ち上ろう、その鍵を握っているのは労働組合だと訴えました。2100万人の非正規職、地に落ちた権利、30年間下がり続けた賃金、ズタズタに引き裂かれた社会。こうした現実のすべてをつくり直すことができるのは団結した労働者の闘いだけです。
第3に、労働組合の最も重要な任務として戦争反対の闘いに立ち上ろうと訴えました。日本は「戦争をする国」に急速に変貌しようとしています。東アジアでの戦争を止めるために全力を尽くさなければなりません。
第4に、労働運動の不可欠の課題として、国境をこえた労働者の国際連帯闘争を発展させようと訴えました。
11月集会は、イラク戦争をきっかけに、韓国・民主労総ソウル地域本部、鉄道労組ソウル地方本部をはじめ、アメリカ、ドイツ、トルコ、イタリア、ブラジル、中国、台湾、ミャンマー等の労働者との画期的な国際連帯闘争、共同行動となって発展してきました。
4つの訴えは、よりさし迫った重い課題を私たちに突きつけています。そして私たちは、新たな一歩を踏み出した組織化の努力をもう1年継続することを決意しました。
03年に始まった国際連帯闘争が今年20年を迎えます。民主労総ソウル地域本部との間では、11月集会に合わせて日韓連帯20年の記念事業を行なうことが検討されています。またこの2月には、日本政府の大軍拡に反対する日韓鉄道労働者の共同決議を鉄道労組ソウル地本と共同であげ、岸田政権との闘いに立ち上がります。
あらためて訴えます。私たちは11月19日、東京・日比谷野外音楽堂で、「労働者の団結した力で戦争・改憲を止めよう! 新自由主義を終わらせよう! 闘う労働組合を甦らせよう!」と訴えて全国総決起集会・1万人大行進を呼びかけます。変革は突然奇跡のように起こるものではなく、時には何世代にもわたる努力が必要です。でも地上に道をつくるのは私たちの一歩です。多くの仲間たちがその闘いに加わって下さることを願っています。ぜひとも多くの皆様の賛同と参加をお願いします。共に討議し、様々な行動を組織し、変革に向けた計画をつくりあげよう。昨年を倍する労働者の団結した力を日比谷に登場させたいと切に願っています。労働運動の変革はこの時代に求められている最先端の変革です。共に闘いましょう。
2023年2月12日
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
全国金属機械労働組合・港合同
国鉄千葉動力車労働組合
名 称 11・19全国労働者総決起集会―改憲・戦争阻止!1万人大行進
日 時 2023年11月19日(日)正午~
場 所 東京・日比谷野外音楽堂
事務局 千葉市中央区要町2―8DC会館 ℡043(222)7207 FAX043(224)7197