こんな人員で消毒できない!それなのにまた要員削減?!
3月5日、在来線の消毒作業開始も…
「体制は通常のまま」「つり革ふかない」
JR東日本は3月5日まで、新幹線と成田エクスプレスの車両以外は「コロナウィルス対策」を行ってきませんでした。5日に他の在来線についても、車両センターでの清掃時に消毒液を付けたクロスで手すりを拭く消毒作業が開始されました。しかし、「実態は宣伝用のアリバイ対策」と言わざるをえません。
車両の清掃作業は、グループ会社に外注化されています。コスト削減のために、働く労働者のほとんどは非正規職、正社員でも低賃金、人員もギリギリの体制です。「通常の清掃作業をこなすだけでいっぱいいっぱい」というのが職場の現実です。そこに加えて、消毒作業までやれと言われても、とても不可能です。
さらに、千葉の外注先である千葉鉄道サービス(CTS)は団体交渉で、「つり革は、JRから発注されていないから拭かない」とまで回答しました。
「学校休校」なのに通勤列車は大丈夫?
政府は学校の一斉休業を打ち出しましたが、通勤列車がそれ以上に危険なことは誰の目にも明らかです。本来なら、通常の清掃を削ってでも、特別なチームを作って消毒作業にあたらせるなどするべきです。管理職を列車の終着駅に集めて、到着ごとに消毒作業を行う等の対策をとって当然です。
しかし、事態がここまで進んでようやくとった対策が、この程度。JR東日本が真剣に感染防止に取り組んでいるとはとても思えません。
3・14ダイ改でまた人員削減?!
しかも、CTSは3月14日ダイヤ改正に合わせて清掃作業員の削減を計画しています。コロナ対策で要員増が必要なときに、逆に削減?! 絶対に間違っています! 私たちは削減計画の中止と真剣な感染防止対策、それを行えるだけの十分な要員増を求めます!
要員削減、非正規職化、外注化・子会社化…
「感染防止策なぜできない?」→
“安全より金儲け”の結果!
ウィルスが流行して感染対策が必要になる――これは、公共交通機関であれば当然想定しなければならない事態です。それにも関わらず、まともな対策を行う体制は完全に失われてしまっています。
それは、JR東日本が利益追求のために、安全よりもコスト削減を優先してきたからです。駅は次々に無人化・外注化され、すでにJR本体の駅はわずかです。車両検査など技術部門を含めて様々な業務をグループ会社に外注化し、賃金も要員も抑え込んできたのです。運転士でも、要員不足で無理をして、運転中に倒れるということも起こっています。
「感染対策」なのに休みは無給?
「利益優先」の姿勢は、3月5日に発表したコロナウィルスに関する休暇の取り扱いにも表れています。
JR東日本が「感染対策防止」と銘打って発表した内容は、「無給でなら休んでいい」「有給を使いたいならご自由に」というものです。臨時休校で保護者が仕事を休んだ場合、政府が助成金を出すと言っているのに無給で休め? 本当にふざけています!
生活のために無理して出勤すれば感染拡大に繋がります。JRの場合、鉄道を通じて全国に感染を拡大させることにもなりかねません。JR東日本のような大企業が「基準」にされてしまえば、他のJRグループ会社や他企業も“右へならえ”となりかねません。
休めるだけの要員と生活保障を
感染防止のためには、「体温37.5度以上」「家族に感染疑いがある」等の基準で、自宅待機や「感染対策休」として有給扱いにするなどの対応が必要です。必要なときに休めるだけの十分な要員も不可欠です。
JR東日本は公共交通機関を担う会社です。会社の利潤よりも乗客や労働者の安全を優先するべきです。