JRをめぐる情勢の激変

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今こそ解雇撤回、外注化阻止、新人事・賃金制度粉砕へ

JRをめぐる情勢の激変

 1047問題の「政治解決」をきっかけに、JRの職場が激変しようとしている。労資関係・労務政策の重大な変化が始まっているのだ。それは、一方では、国労の雪崩うつような変質・連合路線への転落となって表れ、他方では、分・民以来職場を支配してきたJR東日本と東労組の結託体制の崩壊・衝突となって表れている。

国労の雪崩(なだれ)うつ変質

●組合員権はく脱・連合路線への転落 1047名問題が「和解」したとたんに国労本部がやったことは、闘争団員の組合員権はく脱であった。「特別組合員」という名前をつけてはいるが、組合費も徴収しない、選挙権も被選挙権もないという扱いはまぎれもなく組合員権のはく脱だ。これが、国労の組合員であることを誇りに、困難な闘いを24年間貫いてきた闘争団員に対する仕打ちであった。しかも、4月には「特別組合員」という「イチジクの葉」も外して、最終的に闘争団員を切り捨てようというのが本部方針である。
 それだけではない。和解直後の定期大会では、▼民主党・菅政権への全面的支持が表明され、▼職協全国協議会を解散してエリア本部ごとに再編し、▼スト基金を取り崩し、▼「様々な観点から連合との関わりについて、本部としても真剣に議論していく」「JR不採用問題の一つのケジメから、その先のJR内労働運動への道は避けて通れない課題」と提起して連合加入が打ち出されたのだ。

●「総合労働協約」締結で労資一体化
 さらに東日本エリア本部は、「労働条件に関する総合労働協約」の年度内締結を打ち出している。これは、就業規則をそのまま協約にしたもので、資本への全面屈服を意味するものだ。就業規則を労働協約にすることで、職場からの闘いを封じ込めていくというやり方は、民営化によって導入された新たな労務支配の方法であった。しかも、締結にむけ討議資料の中では、「既に締結している他労組(東労組のことだ!)と『同じ立ち位置』=『スタートライン』に立つことは国労運動にとって非常に重要」とまで提起されている。
 また、1月24日に開催された定期中央委員会でも、「歴史的転換」と称して、「連合からオファーがきている」「連合との関係を議論すべき時が来ている」とさらに踏み込んだ。国労本部は、明らかに、4月闘争団切り捨て→定期全国大会での連合加盟に向けて動き出している。

●和解金をめぐる対立
 一方、和解調印からすでに8ヵ月以上が経つというのに、和解金の配分をめぐる対立が続き、闘争団には「解決金」すら支払われていない。和解によって物販活動は中止され、国労や共闘団体からのからの支援も途絶え、多くの闘争団員が困窮し、孤立無援な状態に立たされている。
4者4団体は「残された雇用問題の解決について年度末まで努力する」としているが、国労大会で確認された方針は、「JRへの要請行動は行わない、地方議会等への要請も中止する、政治の窓口に委ねるのが最善の道」というもので、4党に頭を下げる以外は何もしないというのが「雇用問題解決の取り組み」の実体だ。
 「4・9政治解決」と何だったのか。以上の国労をめぐる事態の中にその本質が最も象徴的に示されている。

JR東と東労組の衝突 

●JR東日本の労務政策の転換
 一方、JR東日本と東労組の全面的な衝突が始まっている。問題になっているのは、運転職場における労務管理の転換だ。東労組は「首都圏の運車職場に対する常軌を逸した、会社側からの東労組への職場活動の規制と排除を許さない職場体制を構築する」「東日本会社の西日本化を許さない」として、2月10日、「運車職場の異常な職場管理の是正を求める東・西ブロック地協連絡会」なる組織まで発足させた。
 1月13日に提案された、人事・賃金制度の改悪提案をめぐっても、「提案を受ける環境整備を行ってきたが、運転職場を中心に労使関係の根底を揺るがすような事象が起きている」と言って、このままの職場管理を続けるなら、大筋合意した人事・賃金制度もひっくり返すぞ、と会社に泣きつくという事態に至っている。
 具体的に起きているのは、講習室をかさない、掲示が剥がされた、職場内の組合活動を認めない等、これまで彼ら自身が会社と手を結んで動労千葉や国労に対してやってきたことだ。それが今度は自らの身に降りかかってきていることに悲鳴をあげているのである。しかしこれは、JR東日本が、東労組に対する労務政策を明らかに転換したことを意味する。結託体制はいよいよ最後的に崩壊しようとしている。

●組織拡大闘争に総決起を
 その背景にあるのも「4・9政治和解」だ。1047名闘争をつぶし、国労が連合化すれば、東労組が「用済み」となるのは当然のことだ。しかし、20万人に及ぶ国鉄労働者の首切りの手先となり、その後もあらゆる合理化攻撃を丸呑みして労働者に強制し、日本の労働者の置かれている生きることもできない現実の先べんをつけた大罪を消すことは絶対にできない。
 職場支配の大再編が始まろうとしている。この情勢をチャンスに転化できるかどうかが問われている。組織拡大闘争に総決起を!

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