11月全国労働者総決起集会速報⑤
1047名解雇撤回・国鉄闘争勝利にむけて
伊藤 晃(日本近代史研究者)
「4・9和解」は、労働運動が歴史的に獲得してきた労働者の基本的権利の否定であり、国鉄分割・民営化を推進した中曽根康弘の思想の実現された姿である。いま進行している新自由主義攻撃は、間違いなく「和解」の思想を今後とも基調とするだろう。これに対抗するには、労働者の権利を改めて確認しながら全国至る所の現場に日常的な運動をつくり出し、それらを繋げていくしかないであろう。労働運動の衰退と抵抗力の減退の上にこそ、労働者の生活の根本的破壊があった。この状況を押し返すのは労働運動の再建以外にない。現実の事態に対抗しうる新しい無数の運動をつくり出すこと、運動に知恵を結集し、交流し合わなければならない。「全国運動」をそのための場にしたい。
金元重(韓国労働運動史研究家)
韓国の代表的な非正規職労働者の解雇撤回闘争であるキリュン電子の闘争において、10月31日、労使の交渉が妥結し、11月1日に労使合意の調印式が行われて、10人の組合員が復職を勝ちとることができました。じつに2005年から6年、1895日にわたる長く苦しい闘争の大きな成果です。
私は一時長期化するキリュン電子の闘争は展望が見えないという悲観をしていました。しかし苦しくても闘いを続けるなかで組合員たちは会社を交渉の場に引きずり出し、譲歩をせまる世論を作り出し、とうとう10人の組合員の復職を勝ちとりました。苦しい長期闘争を見事に勝ち抜いたのです。私たち「国鉄闘争全国運動」としても彼女たちの不屈の運動に学んでいきたいと思います。
大野 義文(元安芸労働基準監督署長)
30年間の労働基準監督官生活で、実感したことは、「労災事故は、当局・事業者の責任であって、労働者には責任は一切ない」ということです。
現場の技術と経験等をズタズタにし、不安定雇用労働者をこき使うこととなる、「外注化」は、その結果、第二の尼崎列車脱線事故を引き起こすでしょう。絶対許されないことです。
宇都宮 理 (愛媛県職員労働組合委員長)
動労千葉の「一人の仲間の首切りも許さない」闘いは、選別解雇を許す労働運動の対極にある、真に正しい労働運動です。動労千葉労働運動の圧倒的正しさ、仲間を守りきる団結力に勇気づけられ、私たちも現業廃止攻撃と闘っています。逆境の中でこそ、現場労働者の力を信じて闘えば、道が拓けることを日々実感しています。日本の公務員労働者は、すでに、民営化・解雇攻撃のまっただ中にいます。この攻撃の始まりが、24年前の国鉄分割民営化である以上、当該解雇者と強く団結し、解雇撤回・現職復帰を共に闘うことこそが、この攻撃への最大の反撃であり、勝利への道筋であると確信し、自らの闘いとして支援し、ともに闘い続けます。
手嶋 浩一 (元国労九州本部書記長)
24年間も組合員を路頭にさらし、苦難の生活に追い込んだのは誰か。もちろん、当時の中曽根・自民党政府であることに違いはありませんが、私はむしろ、国労がこれに真正面から立ち向かい、闘おうとする意志がなく、修善寺大会以降一貫して他力本願的に「お願い」して解決をめざそうとしてきた国労本部にその責任があると思っています。国労本部は過去の誤りを謙虚に反省し、他力本願のお願い路線をあらため、自らがJRに対決して、私たちの全国運動と連帯して雇用を闘い取る決意を内外に表明することを求め、あいさつとします。
山崎 吉男(福岡県弁護士会)
国鉄1047名の解雇撤回を求めていまも闘い続けている鉄建公団と鉄運機構に対する裁判の代理人をしています。企業はひたすら利潤追求に走り、その利潤は労働者に還元されない。還元されないどころか、われわれ庶民は、労働だけでなく、消費者としても搾取され、ひたすら消費させられるために人間性をなくしてまで働くことを余儀なくされています。自殺してしまう人もいます。このような社会、政治、政治家、利潤追求至上主義の企業に対して、自分や家族、友達を守るために、怒りをぶつけ、団結し行動して闘いましょう。
中村 仁(動労千葉争議団)
私が強調したいのは1047名解雇撤回闘争=国鉄分割・民営化反対闘争は、全労働者の利害にかかわる問題です。解雇を認めれば、首切り自由の世の中になってしまうということです。決定的なことは、非正規化に歯止めがなくなるということです。「国鉄闘争全国運動」は、職場から闘う労働組合をつくりだすことです。動労千葉物販闘争にご協力をお願いします。「国鉄闘争全国運動」の組織を全国の職場・地域につくりだそう。