シニア制度差別事件で田中委員長が証言
シニア協定による動労千葉組合員排除の不当性を証言
会社側・小池証人への反対尋問で、業務 委託と要員削減=労働強化の問題を追及
11月25日、13時30分から、東京地裁・527号法廷において、「シニア制度差別事件」に関する公判が開かれ、組合側・田中委員長、会社側・小池証人に対する証人調べが、各支部からの傍聴者が見守る中で行われた。証言において田中委員長は、再雇用制度と業務委託推進条項をワンセットにしたシニア協定と、それを利用した動労千葉排除の不当性を証言した。一方、会社側・小池証人に対しては、これまでの外注化による要員削減と労働強化の問題点等を追求してきた。
高齢者再雇用ー最終的には
関連会社に業務の丸投げ
公判では、最初に会社側・小池証人に対する証人調べが行われた。組合側からの反対尋問では、2001年に実施された設備関係の一括業務委託について、2451名分の業務が委託され、それに伴って1600名が出向となっているが、残る851名の差はどうなっているのかを問いただすとともに、業務委託による労働強化が実際に行われていることを突きつけた。また、業務委託に伴う出向により膨大な委託料がかかっている点を追及すると「将来的にはプロパー社員に置きかわるので、経費や少なくなっていく」と証言した。これは、シニア制度による高齢者の雇用の場の確保と会社が主張しているが、結局、退職者が多く出る当面の間はシニア再雇用でまかなうが、将来的にはシニアも少なくなるので最終的には関連会社に全て丸投げするという実体が明らかになった。
JR東日本ーシニア協定を
妥結させる意図があった
続いて、田中委員長に対する組合側主尋問では、99年12月のシニア制度提案以降のJRの動労総連合に対する対応を中心にして証言が行われた。とくに、00年3月1日の修正提案当日にJR東労組がシニア協定を妥結し、その日にJR東労組の機関紙号外が職場でまかれていたこと、しかし動労総連合には協定の内容が提示されず、2週間以上も経ってようやく提示されるなど、他労組との間で差別的な取り扱いが行われたことを明らかにした。しかも、提示されたシニア協定には、シニア制度の提案には全く記載されていない「業務委託推進条項」とシニア制度=再雇用制度がワンセットになっていたことも含めて、だまし討ち的な内容であったこととあらためて明らかにした。
こうした中で動労総連合は、団体交渉の中で、再雇用制度と業務委託推進条項を切り離すことをことある度に要求したが、JR東日本は頑なに組合要求を拒否したことに触れ、こうしたJR東日本の対応には、JR総連等がシニア協定を妥結する状況の中で動労総連合にもシニア協定締結を行わせようとしたこと、妥結しない場合には会社が嫌悪する労働組合に所属する組合員については排除するという、明確な意図があったことからシニア協定という形にこだわったことを明らかにした。
労働組合が外注化を推進
する側に立ってはならない!
さらに、シニア協定の未締結を理由に動労千葉組合員へのシニア制度が拒否されたことにより動労千葉を脱退する者が発生したが、内容証明による脱退届は文面も一緒で画一化されるなど、JR東日本から何らかの示唆があったことを証言した。
そして最後に、今年10月末に検修業務の全面外注化提案が行われたことにも触れながら、再雇用と業務の外注化は全く関係ない問題であり、高齢者が退職した後、業務をどのように行うのかが最大の問題であることを指摘した上で、労働組合が業務の外注化を認めてしまった場合、業務を外注化することを前提とした議論だけになってしまい、最終的には業務外注化を推進する側になってしまうこと、こうした対応では労働組合としての団結が維持できないなど、労働区組合の根幹に係わる問題であることを証言し、証人調べを終了した。
シニア制度事件の行政訴訟については、今回で証人調べを終わり、来年2月10日に最終準備書面を提出して結審する予定となっている。
検修・構内業務の全面外注化阻止へ、組織の総力をあげて反撃しよう!
当面するスケジュール
●動労千葉鉄建公団訴訟 と き 12月16日(水)13時20分から ところ 東京地方裁判所 527号法廷 内 容 伊藤嘉道証人に対する尋問 ※「不採用基準」導入に関する重要な証人調べです。傍聴に結集を! |