政府は、IAEAの包括報告書を「お墨付き」とし、「丁寧な説明と理解」を繰り返すだけで、海洋放出を強行しようとしている。韓国では「核汚染水放出反対」の十万規模の集会や全国各地で集会デモが連日行われている。7月3日~15日の民主労総ゼネスト闘争(40万人が決起)の主要課題の一つとして「核汚染水海洋投棄中断」を掲げ闘い抜いた。動労千葉はこの民主労総の闘いに応える意味でも、7月21日東京電力本社に対して、3・11反原発福島行動実行委、NAZENの三者の共同申し入れを行い、新橋デモに決起した。
「ALPS処理水」は放射能汚染水だ!
政府の言う「ALPS処理水」は、トリチウムだけではなく多くの放射性核種を除去できていない。この汚染水を30年から40年以上にわたって海洋放出しようというのだ。
福島県漁協、全漁連から、重ねての反対の意志が表明されている。周辺の漁業に甚大な悪影響を与えることは不可避だからだ。
さらに中国、韓国、台湾、香港、マカオや太平洋島しょ地域をはじめ全世界から、反対の声があがっている。中国や香港は日本海産物の輸入禁止も打ち出した。7月16日に行われた共同通信の世論調査では「政府の処理水をめぐる説明は不十分」と8割が回答している。
地球の海を汚し、人類の生存を脅かす放射能汚染水海洋投棄に断固反対しよう。
流すな汚染水!止めよう原発!
千葉で集会とデモ
7月17日の「海の日」、千葉県弁護士会館で、「流すな汚染水!とめよう原発集会」が110名の結集で開催され、その後、東電千葉支社に向かってデモが行われた。主催した「汚染水を流すな!千葉県実行委」には動労千葉も団体賛同し、4月29日の集会に続いて参加した。
集会では、原発事故で被ばくした牛を殺処分せず飼育を続けている福島県浪江の「希望の牧場」代表、吉沢正巳さん(四街道市出身)が講演し、事故直後の状況を説明し、「事故から12年が経過したものの、2万人が避難先から戻ってきていない」と、事故後12年の現状を報告した。そして「いよいよ汚染水が流され始める。福島県民らの食生活を直撃することになる」と切迫する放出策動を弾劾し、「決死救命団結!」、共に立ち上がろうと訴えた。
続いて、実行委員会の吉沢広史さんが、今国会で成立したGX法の悪辣性を暴露し、「脱炭素」を看板にして原発の存続と原子力産業の拡大を狙っている事を
明らかにした。
最後に集会決議文が読み上げられ、全体で承認された。後日、東電千葉支社と千葉県庁への申し入れ行動を行うことが提起された。