12月16日、第17回の出向命令無効確認訴訟が行われる。今回の裁判では、動労水戸、動労連帯高崎の仲間、JR水戸支社の証人尋問が行われる。
不当労働行為の連続だった
動労水戸からは石井委員長と勝田の脱線事故の当該組合員が証言にたつ。
JRは一貫して動労水戸の仲間を鉄道業務から排除してきた。石井委員長は、国鉄分割・民営化攻撃の最中、86年に人材活用センターに配転された。
その後、駅ホームの売店に配転され、鉄道業務に復帰したのは09年10月のことだ。他の動労水戸組合員も、半数以上が売店などに配転されてきた。
そして12年10月、今度は外注化によってMTSへ強制出向させ、JRとMTSとに分断してきたのだ。JRで鉄道業務についたのはわずか3年半。あまりに許しがたい不当労働行為だ。
外注化で脱線事故発生
15年2月12日の勝田車両センターでの脱線事故は、JR検修担当者がパンタグラフ降下・バッテリー切を確認せずに手歯止めを入れ、構内運転士が何も知らされないまま推進運転で手歯止めに乗り上げて脱線したというものだ。電車の動力で庫内に車両を移動する場合、庫入口に誘導補助者が必要だった。しかし、外注化で誘導補助者が削減されたことで、基本的にアントで移動するようになっていた。そのため、検修担当者は電車の動力で動かすことはないと思い込み、パンタグラフ降下・バッテリー切を確認しなくなってしまっていた。
しかし、当日はJRの班長がその場で突然、電車の動力で車両を庫内に引き込んでから分割することを決めたにもかかわらず、JRの検修担当者にそのことを伝えなかった。さらに、誘導担当業務と構内運転業務がMTSに外注化され、指揮系統は2つに分断されてしまった。この事故は、100%外注化が引き起こした事故だ。
高崎車両センター籠原派出では、夜間にJRの構内助役もTTSの作業責任者も仮眠している時間帯、運転線路の変更をJR社員がTTSの作業員に直接指示するということが行われた。明らかな偽装請負そのものだ。
また16年3月に籠原駅で、き電線をつるす碍子を止めるボルトが破損して漏電し、同時に何カ所も発火する大事故が起きた。碍子の寿命は20~25年と言いながら、製造から48年もたっているものが使われていた。
検査周期の延伸やメンテナンス部門の合理化・外注化によって安全が蔑ろにされ、技術継承も断たれ、責任も曖昧にされた。その中で、ラッシュの時間帯なら大惨事になっておかしくない事故が引き起こされたのだ。
会社を追い詰め外注化粉砕を
会社は、完全別会社・転籍攻撃に本格的に踏み出そうとしている。しかし、我々が外注化阻止闘争を闘い抜いていることで、JR東日本はいまだに出向の是非で争っている段階だ。
前回裁判で会社は、傍聴に大量動員してきた。それだけわれわれの闘いが、会社を追い込んでいるのだ。
さらなる大結集でJR・裁判所を追い詰めよう。組織拡大! 外注化粉砕まで全力で闘い抜こう。
○第二回証人尋問(水戸・高崎関係)
12月16日(金)9時50分~17時
東京地裁 第103号法廷
○第三回証人尋問(本社関係)
1月13日(金)9時50分~16時
東京地裁 第103号法廷