安全運転闘争介入事件第11回審問行われる

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安全運転闘争介入事件第11回審問行われる(12/15)
点呼時の「警告文」や添乗による恫喝など、争議への不当な介入について徹底的に追及!!

処分を行うために、単線区間での添乗を行わなかったことが明らかに!
JR東日本の不当な介入がハッキリした!

 12月15日、15時から、千葉県労働委員会において、「安全運転闘争介入事件」の第11回審問が行われ、各支部からの傍聴者が見守る中、会社側証人・大川信典証人(当時 千葉支社運輸部担当課長)に対する証人調べが行われた。

閉そく信号機の内方とは、閉そく信号機の手前のこと?

 組合側の反対尋問では、まず、国鉄入社時からの経歴や組合歴を確認した後、現在、動労千葉との間で強制配転や登用差別の問題があることを質したところ、「異動は任用の基準」と回答するだけで、差別を行ってきた事実を否定するという姿勢で、05年4月の尼崎事故や同12月の羽越線事故の感想については「安全を確保する」という極一般的な回答を行うだけであった。
 次に、88年12月に発生した東中野事故について、閉そく信号機の閉そく区間について質したところ、「信号機の手前の区間である」との証言を行ってきたのだ。これには傍聴席で証言を聞いていた組合員からは「本当にそれでいいのか」という声が上がるなど、信じられないものであった。東中野事故は、当時、千葉支社が、輸送混乱等が発生した場合、停止現示で停車すると混乱が拡大するため、一旦停車した後、閉そく信号機の閉そく区間内に進入するように指導したことにより、先行列車に衝突し、運転士と乗客の2名が死亡するという大惨事であった。その後千葉支社はその指導文書を訂正している。
 運転に責任を持つ者が、いまだにこのような証言を平気で行うという姿の中に、JR東日本という鉄道会社の、安全に対する姿勢がハッキリ現れていることを証明する証言であった。

点呼時の恫喝でも、運転士の精神的負担は考慮せず

 さらに、本件で会社が「違法争議」とした部分について尋問が行われた。
 無線通告の受領について動労千葉は、停車して受領するという、普段現場で指導されている内容を徹底することを争議通知に盛り込んだが、それを会社は「違法争議」だとした。この点について、千葉運転区の内規を示して通常時でも駅等に停車後「受領」となっていることを示して証言を求めたところ、「受領は運転士の判断」だとして、走行中でも受領できるとの証言を行ってきた。現場で安全を確保するために苦闘している運転士のことなど全く考えていないということだ。
 一方、乗務点呼時の「警告」について、「争議を行った場合には処分する」という内容の通告が行われるいうことは、運転士への精神的負担が大きくなるということだ。しかし、大川証人は、そうした配慮など全く行っていないことを平然と証言するという姿勢であった。
 また、運転台への添乗では、通常、列車の遅れを確認するためだけの添乗は行っていないこと、添乗したのは本社と東京支社の運転士経験のある者で、添乗した人数は分からないとの証言であった。そして、添乗した「遅れが予測される列車」については、NEXをはじめとした特急列車が中心であったこと、単線区間に入った場合に遅れが吸収されてしまうために列車を特定したとの証言を行ってきた。
 この証言は重要で、動労千葉が安全運転闘争に入る段階で、10㎞/h減速しても遅れそのものは途中で吸収されることもある、との内容を会社側との折衝の中で通告していた。会社は、それを承知で単線区間に入る特急等については除外し、わざわざ処分を行うことだけを目的にして遅れが出る列車を特定して添乗させ、現認を行ったということだ。極めて計画的で、不当な介入であることが、より鮮明になった。

JR東日本は安全運転闘争に対する不当処分を撤回しろ!

 組合側からの尋問終了後、千労委の公益委員や労働者側委員から、点呼時の組合把握や、安全運転闘争による遅れの度合い、添乗しない組合員がいたのかどうか、運転士の気持ちに配慮したのかどうか、点呼時に争議に入るとなった場合、乗務を拒否したかどうか、安全運転闘争で遅れが出た場合、他の列車に影響が及ぶことが予想されたのかどうか、遅れが生じた場合、損害賠償を考えたかどうか等々について質問が行われ、大川証人の証言は終了した。
 今回の大川証人の証言で、JR東日本の運行優先体質や安全無視、争議に対する不当介入の実体が明確となった。
 JR東日本は安全運転闘争に対する不当処分を撤回しろ!
 次回審問は、来年2月16日、14時から、会社側・大福証人の証言が行われる予定。
 不当な証言を許さないために、傍聴に結集しよう!

09年団結旗開き
日時 09年1月10日(土) 13時から
場所 千葉市・DC会館
※全支部から全力で結集しよう!

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