1/23東北新幹線上野~大宮間停電・感電事故

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外注化・「IT企業化」による安全崩壊だ!

1月23日、東北新幹線大宮―上野間での架線トラブルで停電し、終日運転見合わせとなった。

1月30日の記者会見でJRは概況を、「上野~大宮駅間の上り線で架線張力を調整する装置の重錘ロッドが破断し架線が垂下。その下を列車が通過し、車両のパンタグラフ等が損傷し停電したと推定」と発表した。

◯耐用年数30年の重錘ロッドを38年使用

  • 重り設備計約500カ所のうち半分の約250カ所は設置から30年を超えている。40年を超える設備もある。
  • JR東は96年から約4千カ所を故障リスクが少ないバネ式への取り換え済み。
  • 東海道新幹線では2005年からロッドは10年で交換されている。
  • 2005年11月には山手線で同じくロッドが折れて架線がたるむ事故が発生
    →繰り返される事故の原因は外注化・コスト削減優先

◯復旧作業中に協力会社の作業員が感電

  • 「停電させてから作業しなければならなかったが、他の電車を動かすために電気が流れていた」(JR東日本)
  • 昨年6月にも内房線で感電死亡事故
    →またしても外注先の労働者が犠牲に

「耐用年数」よりコスト削減優先

破断した重錘ロッドは耐用年数30年だが、実際には設置から約38年が経過していた。他にも30年を超えるロッドが全約500ヶ所の半分、約250ヶ所もあり、40年を超えるものもあることが明らかになっている。

JRは「30年は目安」「昨年の目視点検で問題なかった」と説明した。だが、「耐用年数を超えて使うのが当たり前」と考えている事自体が重大な問題だ。

より故障リスクの少ないバネ式への交換は96年から開始されているが、この間のコスト削減優先の中で30年近く経っても終わっていない。利益を優先して安全を切り捨ててきた結果の事故だ。

すべての外注化を撤回しろ!

復旧作業では、協力会社の作業員が感電し2名が救急搬送されている。とくに電力を含む設備部門では全面的外注化でJRが実作業に関わらず、何重もの下請け構造がつくられている。昨年6月にも内房線で感電死亡事故が起きたばかりだ。

会社は記者会見で「これまで作業の準備段階では電気を止めていなかった。今後は架線が垂れ下がっている場合は準備段階でも止める」と説明した。だが、こんなもの「対策」でも何でもない。すでに停電が発生したあとの対応であり、復旧にJR本体が関わっていないはずがない。説明そのものがJRの責任をごまかすペテンだ。

そもそも「交流2万5千ボルト」というのは、架線に触れなくとも近づけば感電する。電力関係の労働者なら「常識」だ。電気が流れている時に架線に近づくなど考えられない。

電気を流すことが伝わっていなかったのか、現場で退避が完了したことを確認せずに電気を流したのか。詳細は不明だが、何重にもわたる外注化構造によるものであることは明らかだ。

またも会社の外注化攻撃によって仲間が犠せいにされた。許すことはできない!

検査派出廃止・縮小やめろ!

この中で元JR社員でライトレール社長という人物まで「(JR東では)合理化で要員削減が進んでいる」「鉄道はもうからない、駅ナカや駅ビルや沿線の宅地開発でもうけなさいという報道が繰り返されている」「鉄道事業より関連事業が重視されている」等と語っている。

外注化が鉄道の安全崩壊をもたらしていることは明らかだ。その矛盾が、「鉄道を持つIT企業化」「鉄道部門4千人削減」を掲げて現場をないがしろにする施策の中で、「事故の続発」という形であらわれている。

この中でもJR千葉支社は検査派出の廃止・縮小をはじめ、さらなる安全切り捨てを進めようとしている。

われわれ動労千葉は、外注化反対を貫き闘いぬいてきた。今こそすべての外注化撤回をかちとろう。3月ダイ改、検査派出廃止・縮小、運輸区廃止撤回へ全力で闘いにたちあがろう。

2・11国鉄集会

2月11日(日)14時~
千葉市文化センター アートホール

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