安全運転闘争支配介入事件行政訟訴 控訴審
東京高裁 「処分正当」の反動判決
反動判決徹底弾劾!運転保安確立まで闘おう!
「ストの目的正当」は否定できず
4月14日、東京高裁は「安全運転闘争介入事件」の行政訴訟控訴審の判決を下した。地裁判決と同様、組合側の請求を棄却し、会社による処分を正当とする反動判決だ。
争議権否定の反動判決
判決は、JRが管理保有する「定時運行体制を侵害した」ことを理由に違法争議だとしている。
しかし争議行為とは、そもそも会社の「管理権」を侵害するものだ。遅れも1、2分にすぎない。「違法争議」の結論ありきで「輸送の安全」や「利用者の利益」を脅かしたかのようにデッチあげたのだ。労働者の争議権そのものを否定する許し難い反動判決だ。
そもそも当時、千葉ではレールが次々と折れ、尼崎事故、羽越線事故という重大事故が発生した。それに対して何ら安全対策をとらずコスト削減を強行したJRこそ、「輸送の安全」や「利用者の利益」を脅かした張本人だ。
しかし高裁でも、この安全を守るための闘いがで行われたことは否定できなかった。そして、争議の目的が「安全対策の実施」であり、「事故等が誘発されることはなかった」とまでいっている。
労働組合として、鉄道の安全のために闘いにたちあがることは当然だ。その正当性は東京高裁でさえ認めざるをえなかったのだ。
東京高裁の反動判決を徹底弾劾し、運転保安確立まで闘いぬこう。
判決文要旨
<減速運転しなくても処分は正当>
・争議行為の実施区間をあらかじめ限定する趣旨だったとは認められない。
・各区間で遅れがでていれば、減速行為および意図的な回復運転をしないことによって遅れたとみてよい。
・減速によって列車が遅れた後回復運転をしなければ、運転作業要領No.9の定める「許された速度の範囲内で、遅延の回復に努め」た場合と比較して目的地への到着時刻が遅れることは明らか。
<「定時運行体制」を侵害した>
・JRには、輸送の安全を確保し利用者の利益を保護するために「定時運行体制」を守ることが要請されている。
・列車を遅らせることを目的としなくても、遅れの発生は当然の前提として容認している。JRが管理保有する定時運行体制が現実に侵害され、遅れが発生している。
<「安全対策の実施が目的」は認めざるをえない>
・事故等が誘発されることはなかったとしても、正当な争議行為とはいえない。
・JRに対し、安全対策の実施を求めるという目的があったからといって、本件争議行為を正当とはいえない。