泊行路緩和、高齢者対策実施、乗務員への監視・締め付けの解消へ全力で闘おう!
われわれは、9月13日、16日、27日、千葉運輸区工臨488行路を対象にした3波の指名ストを貫徹した。
闘いの発端は、ダイ改のたびに生理的限界をこえた労働強化がのしかかる中で、組合員が乗務中に脳梗塞で倒れたことにあった。しかもわれわれは、乗務中の一挙手一投足が撮影されてインターネットに流され、JRはそれを口実に職場を締め上げ、毎日のように誰かがイケニエになるような形で攻撃されている異様な状態の渦中に置かれている。
しかし、誰もこの現実に真正面から声をあげようとしない。今回の工臨指名ストは、何よりもこうした現実に対するわれわれの闘いの宣言であった。
「異常な酷暑の中、50度にもなる機関車に一日中閉じこめられていたらまた誰かが倒れる、もう限界だ」。半世紀も前に製造された機関車が冷房も設置されず、あるいは冷房が壊れたまま放置されて、そこで働いてる者は顧みられることすらない。それは切実な問題であった。
それだけでなく、工臨列車を対象としたストライキは、今乗務員が置かれた現実への全ての怒りの声を象徴する闘いになったのだ。闘いは始まったばかりだ。しかし、この小さな闘いは大きな波紋を広げ大きな共感の声が寄せられている。
次期ダイ改~来夏に向けて
①われわれは今次闘争が実現した大きな成果を確認し、指名ストを一旦集約するとともに、次期ダイ改~来夏にむけてさらに闘いを強化する。何よりも、DLへの冷房設置、行路分割については、会社が放置するなら、来夏7~9月、戦術を拡大して再びストライキに立ち上がる決意だ。
②われわれは今次闘争の中で乙行路の軽減を求めた。団体交渉では、「行路のバランスが悪いのは事実」「甲が短く乙が長い行路がまだまだある」「次期ダイ改に向けて検討する」と会社自身が認めざるをえないところまで追い込んだ。闘いは次期ダイ改にむけて新たな段階に入った。乙行路の緩和、睡眠時間の拡大、泊行路の出勤を13時以降、退勤を12時以前とすることなどを求めて新たな闘いに立ち上がろう。
③乗務員の高齢者対策の実現は深刻な課題だ。極限的労働強化と並んで、その根本的な問題は外注化で本線運転からおりる職場を奪われたことだ。検修・構内業務の外注化を撤回させ、高齢者対策としての位置づけを持った職場として再確立させなければならない。また、高齢者交番の設定などの実現に向けて闘おう。
④組合員が脳梗塞で倒れ、翌日まで放置された事態を再び繰り返させないために健康管理システムを作らせることも今次闘争の重要な要求であった。この問題でもわれわれは千葉支社を厳しく追いつめた。次期ダイ改に向けてわれわれ自身の要求を具体的ににつめ、それを実現させていく新たな段階に入らなければならない。
労働組合が問われている
近鉄奈良線で、乗客に詰め寄られた車掌が精神的に追い詰められ、高架から飛び降りるというショッキングな事件が起きた。これは、乗務員がどれぼ切羽つまった状態に置かれているのかを象徴的に示す事態であった。しかし、処分に反対する署名運動が立ち上げられ、わずか4日間で4万5千筆が集まったという。この事件は、誰もが最底辺に向う競争に駆り立てられていくようなこの社会の腐り果てたあり方に対し、それぞれの職場で当該の労働者が、自らが置かれた現実に対し断固として声をあげることがどれほど大事かを示した。問われているのは労働組合だ。
乗務員への監視・締め付け、事故責任の転嫁粉砕!
泊行路緩和、高齢者対策の実現を!
次期ダイ改に向けて反合運転保安闘争を全力で強化して闘おう。