闘春 労働組合を甦らせよう! 09年を本格的な組織拡大の年に!
資本主義の終わりの始まり
あけましておめでとうございます。 歴史が動こうとしている。資本主義体制は完全に破たんし、底が抜けたように金融大恐慌に突っ込んだ。しかし、金融恐慌の劇的な爆発を抑えるために、金融機関などに莫大な公的資金が投入されているが、損失が予想をはるかにこえて進行し、第二第三の破たんが起きている。もはや手の打ちようもない状態だ。 金融機関だけでなく、実体経済の崩壊が始まっている。アメリカの自動車産業はまさに壊滅状態だ。しかし、「資本家を救済するな、監獄にぶち込め!」という怒りが渦巻く中、米議会は「ビッグ3」救済案を否決せざるを得なかった。ブッシュは後を断たれて一方的に公的資金の注入を発表したが、これで議会の承認なしに使える3500億ドルは全部使いきってしまった。わずから2ヵ月。こんなことを続けたらドルは間違いなく暴落する。もう前に進むことも後に下がることもできない。アメリカではこの3ヵ月余りの間に百万人以上が首を切られている。ヨーロッパでも、アジアでも、日本でも現実は同じだ。1929年恐慌と比べても、破たんの規模や深さは桁違いに巨大だ。今起きているのは、資本主義の最末期における恐慌であり、29年恐慌とは比べものにならない事態である。
何が原因か?
始まりのあることは必ず終わりがある。この20~30年間の資本主義経済は、実体と関係なくカンフルを打って延命させるということを続けてきた。バブルが煽られては破たんするということが繰り返され、全く実体のない金融派生商品が生み出されてヘッジファンドのような連中が跋扈し、そして、最後に行きついたのがサブプライムローンだ。詐欺だということも、破滅することも始めから承知の上でやっていたのだ。全てが破たんし、もうこれ以上の延命措置がないところまで行きついたのが現状だ。 その基礎をつくったのが民営化・規制緩和・労組破壊攻撃だった。日本では国鉄分割・民営化、1999年の派遣法改悪を突破口として、労働者の非正規職化、超低賃金化が進められ、資本主義はそれを土台に延命してきたのだ。 派遣労働者や非正規職労働者の首切りがものすごい勢いで起きている。すでに首切りは数十万人にのぼっているはずだ。しかもそれは、医療、年金、福祉、教育といった、最低限必要な社会的機能を相互促進的に崩壊させる。世界中で「もうたくさんだ!」という怒りの声が爆発し、ストライキやデモ、暴動となって闘いの炎が燃え上がっている。労働組合が歴史の最前線に登場しなければいけない時代がやってきたのだ。
飛躍への土台築いた08年
この1年われわれは、国鉄分割・民営化反対闘争の原点から再出発することで、大きな飛躍への土台を築いた。今年は結成30周年の節目の年だ。揺るがない団結をうち固め、本格的な組織拡大に挑戦するのが最大の課題である。もう一つは、労働運動復権に向けた闘いの先頭に立ちきることだ。その点で11月集会は画期的な地平を築いた。今何をなすべきか、日韓米の議論は、時代認識や労働運動に求められている課題についての認識で完全に一致した。 民主労総ソウル地域本部は、現実との必死の格闘の中から、「心の中に居すわっている敗北主義を振り払おう。改良主義を克服し、社会主義へと進む変革的労働運動で自らを革新していこう」と訴えた。日韓双方で開催された「社会主義理念交流」では、現在の情勢を「29年恐慌の比ではないスーパー大恐慌の始まりだ」と真正面からとらえ、今必要なのは労働組合運動の革新と社会主義政党建設運動だと提起している。 ILWUの仲間は、歴史的なメーデーストを総括して4つのことを訴えた。①今の金融大恐慌情勢が革命的情勢をつくっている、②組合官僚と非妥協に闘って階級的な労働運動を貫くことが今なによりも求められている課題だ、③そのために国際的な労働者階級の党を建設しなければならない、④その性格は労働運動の現場の実践に徹底的に踏まえたものでなければいけないということだ。 われわれも「これまでの労働運動のあり方ではもう通用しない。労働者階級は社会を変える力をもった歴史的な存在だという構えを貫いた労働者の闘いが必要だ」と訴えていた。そして、11・2集会はこの時代に立ち向かう鮮明な方針を提起し、画期的な成功をかちとった。
1047名闘争をめぐる分岐
1047名闘争が岐路にたっている。4者4団体は、解雇撤回を投げ捨て、それを貫く動労千葉を敵視し、排除するところまで転落した。一時は国労本部と激しく対立してきた闘争団がその先頭に立っている。でもそれが今の情勢だ。10・24集会では、機動隊を導入し、面通しをして4者4団体路線に反対する者を排除するということまでが行なわれた。 国鉄分割・民営化が日本の労働者と労働運動にとってどれほど決定的な攻撃だったのかが全く忘れ去られている。ここで日共や協会派などの体制内的勢力が全て崩れたことが、今日の階級情勢の一切を規定しているのだ。それがどれほどの困難を労働者に強いてきたのか。それを立て直さなければいけないのに逆に屈服を深めていく。日本の労働運動は、1047名闘争が存在し続けたことでギリギリ持ちこたえ、力関係をつくってきた。それを涙金と引き替えに投げ捨ようというのだ。 今政府が狙うのは公務員労働者360万を一旦解雇するという大民営化攻撃だ。1047名闘争を潰さなければそこに進めないという意図は明らかなのに、そこから目を避けて、「これは単なる争議で階級闘争ではない」と言う。それは、時代に負け、情勢に負けた姿だ。動労千葉は、ライフサイクル攻撃との闘いの中で3人の若い仲間を結集し、未来を切り開く土台を築いた。それが07年の最大の成果である。 何十万もの労働者が首を切られている情勢だ。1047名が、「われわれは全ての怒りの声の先頭に立って闘う」と訴えたら、無数の労働者を結集することが可能だ。そうすれば世の中は大きく動きだす。可能性は目の前にあるのに、それを自分の手で潰しているのだ。労働者は眠りから覚めようとしている。分岐を避けたところに労働運動の高揚はない。今年は勝負の年だ。
生きさせろ!09春闘へ
09春闘は膨大な労働者が路頭に叩き出され、食っていくこともできない状況下での春闘だ。その闘い如何によってこれからの歴史が変わるような位置をもつ闘いだ。怒りの声は満ちている。ゼネストが必要な情勢だ。「生きさせろ!」という明快な呼びかけが求められている。怒りの声に火をつけなければいけない。 連合は8年ぶりにベアを要求しているが、「雇用を守るために賃下げを呑め」と言われたら、連合や全労連はそれに対抗ではる構えなどもっていない。起きることは逆に首切りと賃下げだ。無数の労働者が連合や全労連を見離し、新たな闘いに立ち上がる条件が生まれている。 第2に、春闘の前段でライフサイクルの問題がある。万全のスト体制を確立して第二次配転を阻止しよう。この闘いは、動労千葉の未来をかけた組織拡大闘争の最大の焦点でもある。その渦中で本格的な組織拡大に挑戦しよう。 第3に、3月14日にダイ改がある。JRは、新中期経営計画をもって、より一層競争原理で突っ走ろうとしている。安全が崩壊し民営化体制の矛盾が爆発する中、これも大きな勝負だ。 第4に、1047名闘争終結策動との闘いもも1~3月が最大の焦点になる。2・16集会や4・25尼崎事故4周年の闘いをもって闘いを再構築しなければならない。 第5に、動労千葉は結成30周年を、思い切った飛躍を実現する組織的な一大闘争としてかちとろう。最大の課題は組織拡大の実現だ。 さらに総選挙がある。麻生政権はすでに瓦解状態だ。根底的な政治的危機の時代が始まっている。問題は、自民党か民主党かではなく、その渦中で労働運動が歴史の最前線に登場することができるかどうかだ。09春闘で情勢を塗り替えるような出発点を築きあげよう。
労働組合の可能性
「この時代に労働組合はいかにあるべきか」という原点が問われている。これまで、労働組合や労働者の存在を低めるような議論ばかりが横行してきた。「企業あっての労働者」「労働者はニンジンをぶら下げなければ闘わない」「激く闘ったら団結は崩れ、労働組合は分裂する」という議論だ。そうした「常識」をひっくり返さなければ、資本主義が崩れ落ちようとしている時代に太刀打ちできない。「労働者は社会の主人公であり、社会を変革していく力をもった存在だ」という立場に立ちきろう。あらかじめ労働組合の限界を決めてしまうことは絶対に間違いだ。労働者が団結さえしていれば、労働組合の活動に限界を設ける必要などない。 青年たちが「労働運動の力で革命を!」と訴えている。「そんなことを労働組合に持ち込むな」というのが大方の組合幹部の声だ。しかし、社会の根本的な変革は、今一何よりも求められていることではないか。革命というのは何か特殊な人間がやることで、労働者にはそんなことはできないという奇妙な常識があるが、労働者、労働組合がそれを担わなくて誰がやるのか。1047名闘争をめぐって起きていることも同じだ。日共や協会派によって作られてきた「常識」を覆さなければいけない。 実際、動労千葉はそういう闘いをやってきた。その苦闘が生きてくる時代が来ている。われわれが切り開こうとしているのは、ランク&ファイルから労働運動をつくり直そうという歴史的な挑戦だ。労組交流センター結成以降の闘いは、ある種前人未踏の挑戦だ。物事をもう一度、正しい位置に置き直す、当たり前のことを当たり前の場所に置き直すような議論が必要だ。 われわれはこの間、韓米の労働者との連帯の中で、海を隔てていても、同じことを考え、同じ壁にぶつかって苦闘していることを知った。それが手を結べば本当に強力な力をもつことができる。職場の闘いでつかんできた確信が、相互に強め合ってより絶対的な確信に高まっている。万国の労働者が団結すれば、現実に資本家たちの支配を倒すことができる時代が来ている。労働者の団結した力、労働組合という存在は無限の可能性をもっているのだ。
組織拡大への挑戦
そうした一切を組織拡大に集約しよう。08年の闘いで土台はできている。当面、結成30周年を目標に全力を尽くすことが最大の課題だ。この1年をかけて本格的な組織拡大を実現できたときに、動労千葉は本当の意味で全ての労働者の先頭に立って闘いの旗を振ることができるような存在になる。これに挑戦するというのが09年の最大の課題だ。全力で闘おう。
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