銚子市立病院休止絶対反対! 支部旗を掲げて銚子市内をデモ(8/5)

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支部旗を掲げて銚子市内をデモ(8/5)
集会場からあふれた市民(7/19銚子コミセン前)

7月7日、銚子市の岡野市長が、記者会見で銚子市立病院を「医師不足や度重なる診療報酬の引き下げなどにより財政が極めて厳しい」「市の財政状況が厳しい」「事務職員を除き病院職員を整理解雇する」として、9月末で休止すると宣言した。
銚子市は、5月26日堂本県知事と岡野市長、コンサルタントの3者で協議し、7月3日再度、知事と市長が会談して、「① 関連大学(千葉大・日大)からの医師派遣が極めて困難。② 今後の診療体制の中で外科医1人、内科医も1人になるなど、医師不足により入院の受け入れや救急対応が困難になり収入が大幅に落ち込む。③ さらに医師の退職が想定され、現在の診療体制が維持出来ない。④ 大幅な経営改善を行っても多額の追加支援が必要となり、市の財政状況では支援が困難。⑤ 年度途中で県からの財政支援が受けられない」事などを主張した。しかし、岡野市長が一昨年7月、市長選の立候補時に公約に掲げた内容は「市立高校・市立病 院は残す」だったはずである。

市民注視のなか2回の集会、デモ

今回の事態にいち早く対応したのが「公的医療を守る市民の集い」(金秋睦夫代表〈前銚子地区連帯協議会議長〉)である。この呼びかけ で7月19日夕方からの集会は大勢の市民や支援者が集まって会場に入りきれなくなり、急遽駐車場にオーロラビジョンを設置し、総勢720名余りで開催され た。直ちに市民団体を中心に「公的医療を守る署名」が開始され、たちまち予定の2倍近い38,996筆の署名が集まり(9月1日現在48,400筆)、8 月5日岡野市長に手渡された。この日、2回目の集会と初めてのデモが行われた。動労千葉は支部旗を高らかに掲げ、市役所を一周し銚子駅までのデモを貫徹し たが、何故か組合の旗は我々だけであった。銚子地区連合や自治労の旗も無く、労働組合が牽引してる様子は皆無。我々は昨年の館山運転区廃止攻撃には組合を 挙げて総力で地域住民と連帯し、ストライキを持って会社に臨んだ。なぜ組合が反対の態度を鮮明にして市民に訴えないのか。また、2回の集会に連合推薦の市 会議員の姿も無かった。
8月20日の教育民生委員会では病院休止反対が5対3で上回り、関連2議案は見事に否決された。7月18日付の市への「要望書」賛同者(賛成派)も、当 初15名の議員が名を連ねていたが、市民や支援者からの抗議で賛成派から抜ける議員が出始めた。しかし、当初から休止反対の立場をとる議員は残念ながら過 半数に達していない。
しかし、「市長の発言が即決定」では何のために市議会制度があるのか。岡野市長は、院長や病院事務局長の言動を疑い、700万円の税金を使ってコンサル タント会社に内部調査を依頼し、今回の発表を決断した模様だが、5月末になって県に病院問題を丸投げして、「財政支援は難しい」と言われた4日後に「休 止」では、県関係者も「改善計画を立てる前で、しかもいきなり休止だったので驚いた」事などが新聞等で暴露されているが、独善ぶりもはなはだしい。

1票差で「休止」を可決

8月22日の臨時本議会で、銚子市立病院の休止と事務職を除いた総ての職員の解雇が議員25人中13対12で可決された。
70の傍聴席は満杯で、1階の市民センターに100名以上の市民が溢れた。会議は、決議を「無記名式」(賛成派)と「記名式」(反対派)にするかで真っ 向対立した。結局「無記名式」が採用となり、総合病院休止事案や200名の医師や看護師を分限免職(整理解雇)にする内容を無記名で可決した。当初の休止 賛成派15名のうち4名が休止賛成を撤回したと報道され、この時点で賛成派は11人になった筈だが、寝返った議員がいたということだろう。残念で仕方がな い。また、本会議では、傍聴席から飛んだ「市立総合病院が無くなったら子や孫に申し訳ない」という意見に対し、教育長が大きな声で誹謗中傷を怒鳴ったのに は驚かされた。とても教育者とは呼べない言動であった。

労働者・市民一体の闘いを

市立総合病院には190名の職員が昼夜を問わず働いている。市の職員だから「地方公務員」であり、解雇は通常は出来ない筈である。だ から「雇用保険」は掛けていない。このままで行くと分限免職になって失業保険さえ貰えない事になる。現在病院労組は、岡野市長が「団体交渉に応じない・病 院の対応は不当労働行為にあたる」として県労働委員会に救済を申し立てた。労働委員会も9月末までに結論を出すとしているが、岡野市長には総ての責任者と して団体交渉に出席する義務がある。
小林多喜二が書いた「蟹工船」が若者を中心に爆発的に売れ、140万部を超えた。労働者を虫けらのように搾取し暴利をむさぼる「蟹工船」の現実は、「新 自由主義」の下で広がった非正規・不安定雇用の今の職場の現実そのものだ。「蟹工船」は労働者が団結してストライキで闘うシーンで終わる。今回の市立病院 休止攻撃も労働者・市民の闘いが構築出来なければ敵の攻撃に飲まれてしまう。いまこそ市民が一致団結して岡野体制を打倒しよう。
(銚子支部発信)

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