鉄建公団訴訟控訴審始まる

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“新たな闘いが始まった。勝ちにいく裁判として全力を ”

 動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の第1回口頭弁論が12月17日11時半、東京高裁民事12部(難波孝一裁判長)で開かれた。
動労千葉組合員と支援する会100名による情宣行動が行われ、第一回控訴審に向けて、「1047名解雇撤回! JRに採用しろ!」と怒りのコールをたたきつけて裁判所に入った。
裁判の冒頭、争議団の中村仁君が、「一審判決は、我々を採用候補者名簿から外すことを指示したのが葛西職員局次長(現JR東海会長)であることを認め、不当労働行為と認定した。であるならば解雇撤回以外ない。この25年間、JR不採用になった怒りと悔しさを忘れたことはない。東京高裁は事実を事実として見て公正な判決を出すべきだ」と意見陳述をおこなった。【裏面参照】

事実を直視した審理を

難波裁判長は、2005年9月15日東京地裁の裁判官時代に国労鉄建公団訴訟一審判決を出した裁判官
だ。動労千葉弁護団は、次のように迫った。「自分は1047名問題は分かっているというような認識をすべて捨てて本裁判に臨むべきだ。その後の闘いによって、名簿作成過程における具体的な事実関係が初めて明らかになった。裁判長は、事実を直視した審理を求める」。「不当労働行為に基づく解雇は無効であり、原状回復する義務がある。他の採用候補者名簿記載者と同等、すなわちJR東日本職員の地位にあることを認めるべきだ」と解雇撤回・JR復帰の判決を求めた。
裁判後、都内で報告集会が開催された。葉山弁護団長は、「現在の学説では、不当労働行為に対する救済は単なる原状回復でなく、『少なくとも原状回復』というのが主流の考え方だ。原告を名簿に記載されていた状態に戻すこと、つまり必然的にJR職員としての地位が回復されねばならない」と控訴審での課題を述べた。

今こそ打って出るべき時

動労連帯高崎の和田山繁委員長は「私の所属する埼玉県の熊谷地区労で『1047名問題は終わっていない』と署名運動への協力を要請した。物販も非常に感触がいい。1047名闘争の持っている位置は非常に大きい。外注化問題と一体で職場から闘いをつくっていく」とあいさつ。動労水戸の木村書記長は「動労千葉は労働運動の未来をかけ、国鉄分割・民営化に対して首をかけて2波のストに立った。こうした歴史のすべてがこの闘いには詰まっている。絶対に勝利しなければならない。総選挙の結果を見ても、連合支配は完全に崩壊している。今こそ打って出るべき時だ」と共に闘う決意を示した。
最後に、田中委員長が「新たな闘いが始まった。初心に返り、勝ちにいく裁判として全力で闘う。そして年内に外注化と強制出向差し止めの裁判を提訴する。この二つの闘いを軸に、闘う労働運動復権に向けて闘おう」と集会をまとめた。

次回の裁判は2月27日(水)午後2時30分 東京高裁

「一審判決は、私たちが不当労働行為によって職場を奪われたことを認めた。不当労働行為を認めた以上、JRに戻すのが当たり前だ。自分たちの闘いが正しかったこと、JRに復帰するのが当然だということを裁判所に認めさせるために、今後ともご支援をお願いします」

意 見 陳 述

一審原告代表 中 村  仁


控訴審第1回公判にあたり、意見陳述を行います。
6月29日、東京地方裁判所民事11部・白石裁判長は、私たち動労千葉組合員が、当初は採用候補者名簿に登載されていたにもかからず、JR設立委員会への名簿提出期限が迫った段階で急遽、「不当な目的、動機」に基づいて「停職6ヵ月以上、又は2回以上の停職処分を受けている者」という「採用基準」が作られ、名簿から外されたこと、それを指示したのが葛西職員局次長であったことを認定した上で、次のように判断しました。
「国鉄当局としては、一旦は原告を含む動労千葉組合員を基本的には採用候補者名簿に記載する方向で動いていたにもかかわらず、改革労協側の姿勢に触発されるなどして、動労千葉等、分割・民営化に反対する労働組合に所属する職員を不当に差別する目的、動機の下に、名簿不記載基準を策定したと推認するのが相当である」として、国鉄の不当労働行為を明確に認めました。
さらに判決では、「本件名簿不記載基準が策定されなければ、原告らは採用候補者名簿に記載され、その結果、JR東日本に採用されていたはずであるといいうる」と言い切っています。ここまで明確に認定すれば、本来、「解雇撤回」以外の結論があるはずがありません。
われわれ動労千葉9名は、本当であればJRに採用されていなければならなかったということです。
判決でも認めているとおり、改革労協(現JR総連)の横やりを受けて「停職6ヶ月又は停職2回以上」という不採用基準を作ったこと自体不当労働行為です。
さらに、不採用の基準とされた「停職」処分について言えば、ストライキで処分された組合員の解雇が撤回されている以上、われわれの停職処分も不当処分であり、なかったということです。
不当処分の上にさらに不当な採用基準を設けた上で、一旦は採用候補者名簿に登載されていたわれわれを不当労働行為意思に基づいて意図的に排除したということであり、幾度もの不当労働行為が繰り返されたのです。東京地裁が、「不当労働行為」と認めた以上、現状を回復する以外にありません。名簿に登載されたものとして扱い、JRに採用されなければならないということです。
国鉄分割・民営化から25年が過ぎました。われわれは、この25年間、JR不採用になった怒りと悔しさを忘れたことはありません。この25年間の悔しさを東京高裁の裁判官には本当に分かってもらいたいと思います。
最後に、東京高裁の裁判官にお願いします。事実を事実として見ていただいた上で、東京地裁判決に基づき、われわれを是非JRに戻すため公正な判決をお願いする次第です。

以  上

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