賃金制度見直しで解明交渉(8/17)

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乗務員勤務制度解体攻撃粉砕!

賃金制度見直しで解明交渉(8/17)

 動労総連合は、8月17日、JR東日本が提案した「賃金制度の改正」に関する団体交渉を行った。
交渉において組合側は、会社が「勤務の特殊性、不規則性」を理由にして今回の改悪提案を行っていることに対して、特殊性や不規則であるからこそ、乗務行路の緩和が最大の課題であること、乗務員特有の手当を廃止して一般化することの問題点などについて追及を行った。

乗務員は拘束時間と労働時間が異なる特殊性がある

1.「賃金制度の改正」を行う理由を明らかにすること。また、改正により賃金・手当がどのように変化するのか具体的に明らかにすること。
回答
 鉄道事業の特性に由来する勤務の特殊性、不規則性(深夜時間帯の労働、1勤務の拘束時間の長さ、始終業時刻の不規則性等)に対する措置の充実及び乗務員勤務制の見直しに伴う、より労働実態に応じた手当の支給並びに制度の簡素化による事務業務の効率化等を目的として、賃金制度を改正するものである。
組合 乗務員の特殊性について会社は本当に考えているのか?
会社 出勤・退勤が異なることや、手当についても乗務員特有の手当があることも含めて特殊性がある勤務だと考えている。また、労働時間でも、いわゆる日勤は7時間30分、本社・支社の場合は7時間40分で一定の勤務時間になっている。だが、乗務員は7時間10分で、始終業時刻が行路毎に異なることも含めて特殊性がある。
また、ダイヤで仕事の中身が決まることから、そういう点でも他の職種とは異なる。
組合 乗務員の場合は拘束時間と労働時間が異なり、労働時間は平均7時間10分だが、それ以上に拘束される時間が長い。これが最大の特殊性であり、だから乗務員手当という形で一定の手当がでていた。今回、これが変わらないのに深夜額A・Bや行先地手当を廃止して、一般の深夜早朝勤務手当に変えるという考え方が全く分からない。
会社 賃金の引き下げや悪化を招くようなことは考えていない。改正で若干増える部分もある。勤務を充実させた上で、手当の組み替えを行ったということである。
組合 支社課員の場合、日勤で乗務させるわけだが、特殊性がある乗務員に日勤勤務で乗務できる根拠は何か。
会社 指定された勤務が7時間40分の日勤勤務であり、その中で乗務するという形である。
組合 乗務員勤務制度の枠を取り払うために、わざわざ手当を一般の手当に組み替えているとしか考えられない。
その上で、賃金制度改正により手当は具体的にどのようになると考えているのか。
会社 乗務する割合にもよるが、平均して数千円程度増えると考えている。

制度を改悪する以前に、行路の緩和と高齢者対策を!

2.「乗務労働の特殊性、不規則性に対する措置の充実」としているが、現在の乗務労働が限度を超えている実情に踏まえれば、行路の緩和が優先されるべきだと考えるが、会社の見解を明らかにすること。
回答 勤務の特殊性、不規則性に対する措置の充実等を目的として賃金制度を改正するものである。乗務割交番作成規程等に則って作成している現在の行路が、乗務労働の限界を超えているという認識はなく、今回の乗務員勤務制度改正において1日当たり労働時間数及び1連続(継続)乗務時間の限度を変更する考えはない。
組合 現場の状況は、特殊性以上に過酷な状況になっている。乗務中に何人が倒れているのか知っているのか。「手当の充実」以前に行路緩和が必要だ。
会社 今回の勤務改正では、乗務員の労働時間や一継続乗務時間を変更するものではない。安全面や車両の更新、心理的な負担の緩和を行っていきたい。
組合 行路の緩和という声が現場から上がっているということを理解しているのか。
会社 そういう声があることは理解している。しかし、限界を超えているとは考えていない。
組合 分割・民営化以降、30年以上乗務しているが、これからの乗務労働は今まで以上に厳しくなる。そういうことを考えると行路緩和が必要だ。
会社 今後のことでいえば、技術革新が進み電車の構造もかわって来ることなどを理解してもらいたい。

乗務員特有の手当を一般化することで乗務員勤務解体

3.「乗務員手当の見直し」について、次の点を明らかにすること。
(1)乗務員手当の深夜額(A)及び深夜額(B)を廃止する理由について
回答 乗務員手当(深夜額A、B)については、乗務員に新たに支給する深夜早朝勤務手当と手当の性質が重複することから廃止することとした。
組合 性格が重複するというが、乗務員手当という特有のものをなぜ一般の深夜早朝勤務手当に組み替えるのか。
会社 制度の分かりやすさ、事務業務の軽減という観点から見直した。
組合 事務業務は軽減するが、乗務員の行路については一切軽減しないという、会社の使い分けはあまりにも露骨ではないか。
会社 あくまでも乗務員は7時間10分であり、特殊性という点では維持している。
組合 くり返すが、乗務員は労働時間+拘束時間であり、それは全く違う。ここを緩和せずに問題は解決しないということだ。
深夜額A・Bを深夜早朝勤務手当に組み替える理由は何か。
会社 どちらの手当も特殊勤務手当であり、問題ないと考えている。乗務員手当の時間額とキロ額は廃止するわけではない。時間額は10円プラスしており、充実化を図っている。

(2)構内入換乗務員の乗務員手当(深夜額A及び乗務加給)を廃止する理由について
回答 構内入換乗務員については、新たに支給する乗務員手当(時間額)及び深夜早朝勤務手当に一本化することにより、構内入変乗務員の乗務手当(深夜額A、B)を廃止したものである。
会社 構内入換乗務員は、深夜早朝勤務手当か構内入れ換え乗務員手当の内、どちらか高い方を支払うことになっている。今回、深夜早朝勤務手当に一元化し、乗務加給も統合したものである。
組合 手当の金額はどのようになるのか。
会社 これまでも高い方を支払っている。今回、深夜早朝勤務手当を300円増額していることから、手当は増える方向だと考えている。

(3)乗務員手当(時間額)を加算する理由及び加算額を10円とする理由について。
回答
 乗務員勤務制度改正に伴い拘束時間や実乗務時間が増加することを踏まえ、他の手当とのバランス等を勘案した上で乗務員手当(時間額)を増加することとしたものである。
会社 10円の増額は、他の特殊勤務手当の増額もありバランスを考えた額である。
組合 他の手当とのバランスとはどういう意味か。
会社 特殊勤務手当の中で乗務手当、深夜早朝手当等で細分されており、行先地手当を廃止することを勘案し、時間額を増額とした。
組合 キロ額を増額しないのはなぜか。
会社 運転士の業務自体は変わらないことからキロ額は増額しないこととした。

行き先地手当の経緯を無視した廃止は絶対認められない

4.「行先地手当」を廃止する理由を明らかにすること。
また、「出向者特殊勤務手当」の見直しの詳細及び対象となる出向先を明らかにすること。
回答
 乗務員勤務制度改正に伴い、乗務の合間の労働実態のない行先地の時間に対して支給している行先地手当を廃止し、より労働実態に応じて支給する手当(深夜早朝勤務手当及び乗務員手当(時間額))に組み替えることとしたものである。
また、出向者特殊勤務手当については、会社基準で出向する社員が、出向先において賃金規程第102条に規定する乗務員手当の支給対象となる業務と同等の業務に従事する場合に支給するものであり、今回、乗務員手当の見直し及び行先地手当の廃止に伴い算出方法を変更するものである。
会社 行き先地の回数、時間の長さ、労働時間A、B時間数により手当額も違いわかりにくい手当であることから、分かりやすい形に組み替えたということである。
組合 行き先地手当に関する経緯で行けば、乗務員には休憩時間という考え方がない。そのため、乗務労働の途中で休憩時間は指定されない。そのため行き先地の時間では休憩時間ではないのにノーペイの時間が発生してしまう。これをめぐる交渉の経緯があって、一定の時間について行き先地手当を付ける形になった。今回の行き先地手当の廃止は、こうしたことを無視するものだ。
会社 乗務員の特殊性を取り払うわけではない。深夜早朝勤務手当の中でフォローしていると考えている。
組合 今回時間額は増額としたが、今後、時間額、キロ額はどのようにしようと考えているのか。また、自動運転の導入が検討されているようだが、この点との関係はどうなるのか、
会社 運転士、車掌がいなくなればなくなると考えている。自動運転は首都圏と地方で条件が違う。運転士、車掌の職名がある以上は何らかの手当は必要だという考え方からは変わらない。
組合 出向者特殊勤務手当の関係はどうなるのか。
会社 今回、行先地手当の廃止を提案しているが、その代わり深夜早朝勤務手当が支払われることになる。就業規則102条に記載されている計算式の項目が変わるということであり、今回の提案で出向者が不利になることはない。
対象は、出向先で乗務労働を行っている場合で、いすみ鉄道や東京臨海鉄道などが対象だ。

5.「深夜早朝手当の見直し」について、次の点を明らかにすること。
(1)乗務員及び構内入換乗務員を対象とする理由について。

回答 乗務員勤務制度改正に伴う労働時間並びに拘束時間等の変化を踏まえ、鉄道事業の特性に由来する勤務の特殊性(不規則性、拘束時間の長さや深夜帯の勤務等)に対する措置の充実を図るとともに、賃金制度のわかりやすさ・納得性・公平性の観点から、乗務員についても、現在、乗務員勤務以外の社員に支給している深夜早朝勤務手当を新たに支給することとしたものである。
会社 先ほど、深夜額A・Bの廃止の中でも回答したとおり、今回、乗務員に新たに支給する深夜早朝勤務手当と乗務員手当(深夜額A、B)の性質が重複することから、深夜早朝勤務手当の対象としたものである。

(2)増額する理由及び加算額を300円とする理由について。
回答 
当社の鉄道事業には深夜帯での勤務や長 時間拘束、始終業時刻が一定ではない等の不規則勤務が不可欠であることから、鉄道事業の特性に由来する勤務の特殊性に対する賃金面での措置を行ったものである。改正後の支給額については、人件費の影響や他の手当との整合性等を総合的に勘案し、決定したものである。
会社 時間額の増額と同様に、人権費の増額との関係や廃止する手当の関係等を勘案して判断した額である。
組合 全職種、一律の扱いということか。
会社 全職種一律である。

(3)番号(4)について、「11時間」を「10時間」とする理由について。
回答 鉄道事業の特性に由来する勤務の特殊性(不規則性、拘束時間の長さや深夜帯の勤務等)に対する措置の充実を図るため、一部の条件について変更(支給対象拡大)したものである。
会社 金額だけではなく制度の中で拘束時間数についても充実することを目的にして変更した。
組合 対象が拡大するという考え方でいいか。
会社 そのようになる。

(4)「都市手当加算」を廃止する理由について。
回答 深夜早朝勤務手当の各区分を300円増額することに伴い、事務業務の軽減等も考慮し、都市手当加算額を廃止することとしたものである。
会社 例とすれば、鴨川の者が千葉で作業をしたら都市手当加算がでる。しかし、館山で作業した場合は加算されない。そうしたことから今回増額することで対応した。
組合 今回の増額で、都市手当加算分はカバーできるのか。
会社 都市手当加算分(250円)は充分カバーできると考えている。

(5)構内入換乗務員の支給区分を変更する理由について。
回答 
構内入変乗務員の乗務員手当(深夜額A、B及び乗務加給)を廃止し、深夜早朝勤務手当及び乗務員手当(時間額)に一本化することとしたが、手当の支給額のバランス等を勘案し、深夜早朝勤務手当の支給区分の見直しを行うこととしたものである。
会社 乗務員の深夜額A・Bの取り扱いと同様であり、深夜早朝手当に組み替えて対応することとした。

会社は、鉄道業務の将来像を明らかにしろ!

6.「乗務員の将来像」としている「輸送サービススタッフ」の賃金のあり方について、会社の考え方を明らかにすること。
回答
 今までの役割分担の枠組みを超えた輸送サービス全体を担う「輸送サービススタッフ」についての具体的事柄は、今後の技術革新の進捗状況を捉えつつ、検討を進めていく考えである。
会社 今後のあり方は考え方は検討していかなければならないが、まだ固まったものがあるわけではないことから、賃金についても定まったものはない。
組合 この間、自動運転に関する報道がされているが、今後の導入に向けての考えからはどうなっているのか。
会社 会社が記者会見などで発表した内容ではない。「経営ビジョン2027」の中にある「自動運転」の項目を見て新聞社が書いた中身である。

7.「事務業務の効率化等を目的」としていることについて、今後の事務業務のあり方及び要員の考え方について明らかにすること。
回答 今回の賃金改正により、手当の統合等により複雑でわかりにくい支給事務を簡素化することで、事務作業の軽減を図る考えである。
組合 事務作業の軽減としているが、要員の関係はどのように考えているのか。
会社 乗務員手当の関係は、システムに入っている部分についてはそのまま計算できるが、遅れなどが発生した場合はすべて手計算になる。こうした部分について業務の緩和を図ることも目的にしている。今回の提案で事務要員の削減を行う考えはない。
組合 事務業務に関する要員の採用、養成についてはどのように考えているのか。
会社 事務専門での採用は行っていない。運転士や車掌から降りた人などから事務への対応をお願いしているのが現状だ。
組合 今回は、賃金・手当関係について解明交渉を行ったが、今後、組合要求に関する内容で団交を行っていくことになる。組合として、今の乗務員の現状を考えると、最大の課題は行路の緩和と高齢者対策の実施が急務だと考えている。

以 上 

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