特急コンテナ電車運転開始準備の一方で車扱いの削減拡大
貨物関東支社10月ダイ改を提案
JR貨物関東支社は、8月22日「03年10月ダイ改」について提案を行なった。 今次ダイ改は、「『ニューチャレンジ21計画』の最終年度の鉄道営業基盤の中核を構築するもの」という位置付けのもと、コンテナ列車の速達化(到達時分短縮)や車扱い列車の統廃合を拡大するとともに、「特急コンテナ電車列車『スーパーレールカーゴ』の運転開始を前撮としたダイヤ編成をおこなう」としている。 なお実施日は10月1日(木)、具体的内容は別紙のとおりであるが、「コスト削減」と称した車扱い列車の廃止・統合が急ピッチで進んでいる。
車扱い列車の統合廃止を拡大
もともと貨物鉄道は物資別貨車輸送が大きなウエートを占めていたが、貨物会社はフレイト21計画以降車扱い(貨車)からコンテナへの転換を大きく進めてきた。同時にリストラによる石油、セメント業界の企業再編のなかで、車扱い列車の中心である石油輸送、セメント・石灰石輸送もダイヤ上の輸送能力と実際の輸送力との間に大きな帝離が生じてきた。そのためこの間貨物会社はダイ改のたびに車扱い列車を大きく削減してきた。貨物会社は、最終的には、車扱い輸送は石油輸送のみに特化しようとしている。特急コンテナ電車列車の運転を開始する一方で、車扱い列車の廃止のよりいっそうの拡大は、職場の在り方から、乗務負の勤務まで「NC21」以降の貨物会社の姿を規定しようとしている。 ダイ改での要員関係では、千葉機関区で列車キロ減にともなう泊仕業の日勤仕業化により、運転士1名の減が提案された。関東支社全体では、輸送係+1、車両係+3、運転士△4 (内訳+11△15)となっている。
駅・区所別要員増減表 ◎東京夕駅 輸送係+1 ◎大井機 運転士+6(東海支社より仕業移管) 車両係+3(M250系技菅・仕業・交換) ◎新鶴見機 運転士△1 ◎田端機 運転士+1 ◎八王子総鉄 運転士△6、甲府派出 運転士+4 ◎水戸機 運転士△5 ◎千葉機 運転士△1、新小岩派出 運転士±0 ◎黒磯機 運転士△1 ◎高崎機 運転士△1 ◎東新潟機 運転士±0 ◎篠ノ井総鉄 運転士±0、塩尻派出 運転士±0 |
貨物拘束支社10月タイ改提案のおもな内容 1.コンテナ列車 (1)列車の速達化 主要都市間コンテナ列車の速達化により、顧客への輪送サービス 改善と新規顧客の獲得をめざす。
列番 3054 3050 1057 1069 5061 4058 |
発駅 札幌タ 札幌 夕 越谷夕 東京タ 新座タ 新潟タ |
着駅 隅田川 宇都宮夕 福岡夕 福岡夕 名古屋夕 大阪タ |
到達時間 16h56 17h19 22h19 21h42 8h47 8h15 |
短縮時間 △30 △26 △ 30 △2hO3 △39 △55 |
記 事 旅客列車6本とダイヤ調整 旅客列車3本とダイヤ調整 作業駅削減 運転停車見直し 駅作業時間〝 最高速度向上と800tへ軽量化 |
(2)翌日配送体制の拡大 主要都市と地方中核都市・地方中核都市相互間では、中継を利用 した翌日配送ルートの拡大を図る。東京から北海道・長野から九州 などにおいて、ニーズに即した輸送サービスを実現する。 (3)関東→九州列車の再編成 武蔵野・宇都宮・高崎→九州行き列車の各駅作業を見なおす。 (4)神戸貨物ターミナルの開業によるサービス向上(12月1日実施予定) (5)大型コンテナ輸送体制の整備 24t対応の大型荷役機械の導入とコンテナ車(コキ200形式)の増備を図る。 (6)コンテナ列車の見直し《電車列車のスジの生み出し》 2.車扱い列車 物流体制の変更に対応し、列車の廃止及び併給列車化により効率 化をめざす (1)輸送体系の見直し ①列車の廃止 ・新潟地区セメント関係列車3往復の廃止・他列車への統合 ・関東発着列車4本の廃止・他列車への統合 ・千葉貨物・東鷲宮間1往復の廃止《東武鉄道貨物輸送撤退等》 ②列車種別変更 …定期列車の臨貨化 (2)速達化によるサービスの向上とコスト削減 ①石油列車の到達時分の短縮 … 郡山・千葉貨物間△2h32 … 50%ヰ100%(その日のうちに発駅に帰ってくる) ②貨車運用効率の向上を図る … 50%→100%《その日のうちに駅に帰ってくる》 (3)JR東日本の砕石輸送を行う … 川崎貨物・宇都宮夕間 3.列車計画規模
コンテナ 車扱い 計 |
02年12月(a) 38.1 18.7 56.8 |
03年10月(b) 37.8 17.7 55.5 |
(b)-(a) △0.3 △1.0 △1.3(千キロ) |
4・「スーパートレールカーゴJの運転開始準備 現在試験中の特急コンテナ電車列車「スーパーレールカーゴ」 (東京夕⇔安治川口間1往復)の運転開始に備えた各種教育・訓練 等を開始する。
|