5月広島サミットは世界戦争会議
過去最高の戦争予算を含む2023年度予算が国会で成立。岸田首相はウクライナを訪問し、ウクライナ戦争推進の当事者となり、5月広島サミットへウクライナ大統領・ゼレンスキーのオンライン参加の約束をした。
NATO諸国が提供する戦車が次々とウクライナに到着し、イギリスが劣化ウラン弾の提供、EUも100万発の弾薬を提供する方針を決めた。
ロシアもベラルーシへ戦術核を配備することを宣言。核戦争・世界戦争の危機はさらに深まり、アメリカと中国の激突情勢も深まっている。
岸田のウクライナ訪問
「サミット議長国」として、広島サミットの「成功」のために絶対に必要であるとして、米をはじめとしたNATO諸国、ウクライナ当局と連携して電撃的に訪問。この訪問はウクライナ戦争参戦国(事実上の対ロシア交戦国)となることを宣言するものだ。
ゼレンスキーとの対面の会談で、岸田は、ウクライナに対する戦争支援の拡大、インフラ復興への協力を約束した。日本の支援はアメリカに次ぐ大きさで、金額ではイギリスとほぼ同額の76億ドルだ。日本は、戦争を終わらせる努力ではなく、帝国主義国の一員として戦争を激化する先頭に立っている。
サミットでは、ロシアのウクライナ侵攻と東アジアにおける中国の台頭を重ね合わせ、帝国主義として軍事的対抗を強化する中国・ロシア連合に対する世界戦争を推進することが広島サミットの中心議題だ。
全世界の労働者と共に
戦争と絡んで世界的な金融危機の爆発も始まっている。3月10日と12日に、それぞれシリコンバレー銀行とシグネチャー銀行が破綻した。破綻規模はリーマンに次ぐ史上2番目と3番目で、米経済危機の深刻さを示した。
戦争がもたらしたインフレ、物価高と生活破壊に対する怒り、年金改悪(フランス)や医療破壊(イギリス)に対するゼネスト決起がウクライナ反戦と結合してたたかわれている。
「奴ら(資本家)と俺たち(労働者)は絶対相容れない水と油の関係」だ。全世界で労働者が階級としての目を覚まし、壮大な決起を開始している。被爆地・広島で戦争会議を開催することなど断じて許されない。11月労働者集会の大高揚を見据えながら、日本において全世界に繋がる闘いをつくりだそう!
広島市教育委員会は、2023年度から原爆学習の原点とも言うべき漫画『はだしのゲン』と、『第五福竜丸』を平和教材から削除することを決定した。
『はだしのゲン』は、作者・中沢敬冶の生き抜いてきた戦争、被爆の経験を描いたもで、核兵器の恐ろしさだけではない。戦争や支配階級への民衆の怒り、翼賛体制に従わない者への激しい弾圧と差別の実態、戦争の真実が、時代を超えて読者の「戦争はいけない!」という思いをゆり起こす、そういう作品だ。「第五福竜丸」は、1954年3月1日、アメリカのビキニ環礁水爆実験によって被爆した焼津港の漁船で被バクの非道を示すものだ。これを契機に始まった杉並の母親たちの水爆禁止を訴える署名運動は3,000万筆をこえ、日本の原水爆禁止運動の出発点となった。
だから、G7戦争会議の開催地の広島市にとって、子供たちの教材として相いれない作品・事件として削除されたのだろうか。