検修全面外注化、分社化・転籍、グループ会社再編と一体の攻撃
組織・人事賃金制度・労働条件の抜本的改悪提案において、重大なのは「現業と非現業の区別をなくす」=現業廃止を打ち出していることだ。
提案資料には、「現業・非現業といった働き方の区別を無くす」「事業本部は第一線の職場と企画部門が融合した組織」「一人ひとりが経営の主役となって施策の立案者・担い手として事業運営」等と書かれている。
現業すべてを外注化する攻撃
今度の提案は、直前に提案された検修業務のJR本体に残った最後の業務の外注化、保線業務をJR本体が放棄するに等しい提案と一体だ。そう見れば今度の提案の本質がはっきりする。その核心は、「JR本体の非現業化」であり、現業部門の最後的な切り捨てと全面的な外注化、分社化・転籍攻撃だ。
提案資料では、「第一線の職場(駅・乗務員職場、車両検修職場)」と書かれ、保線や電力、信号通信などはすでに「第一線の職場」と位置づけられてさえいない。駅業務は、すでに秋葉原などの大規模駅を含めて丸投げ外注化が行われている。
この提案直前、4月に提案された新系列車両の機能保全・臨時修繕の外注化は、検修業務でJRに残された最後の部分まですべて外注化する攻撃だ。検修業務も技管以外はすべて丸投げ外注化――つまり「現業はすべて外注化する」ということだ。
乗務員も含めた切り捨て攻撃
現在、唯一外注化されていない現業の職種が乗務員だ。だからこそ、今回の提案では最も直接的な攻撃の対象になっている。
乗務手当の廃止は重大な賃下げ攻撃であるだけでなく、歴史的な大改悪だ。乗務員の勤務をどうするかは、戦後に鉄道会社として出発する上で最大の問題だったからだ。
賃下げ分は、5年間は経過措置として補填されるが、その間のベアや定昇分は相殺される。つまり、「5年間はベアしようがまったく賃金が上がらない」ということだ。
さらに乗務員の労働時間が10分間延長される。月あたり3時間以上の労働時間延長だ。乗務員は超勤前提で勤務が作られており、乗務すれば必ず時間外労働が発生する。しかし、同じだけ働いても計算上の超過勤務は減らされる。しかも、その分は経過措置の対象にもならない。重大な賃下げ攻撃だ。
この間、職名廃止、融合化・統括センター化と進み、各職場の標準数も廃止された。今度の提案では予備も廃止するとしている。さらに昨年11月に喜㔟社長が「30年頃に車掌1100人削減」と打ち出したように、この5年はワンマン化・車掌削減が全面的に進められる過程でもある。
全面外注化攻撃と対決しよう
乗務員まで含めた現業切り捨てであり、鉄道業務の全面外注化が今回の提案の核心だ。提案には「転籍」の制度化、転籍一時金新設、出向手当増額・出向期間の原則5年への延長も含まれている。JRは分社化・転籍で全面外注化攻撃を強行しようとしている。
それはグループ会社における車両整備会社の集約・統合や清掃部門の切り離しなどの再編攻撃とも完全に一体だ。
改めて全面外注化攻撃との対決の時だ。すでに外注化の矛盾は事故続発・安全崩壊をはじめ完全にあらわになっている。「将来展望を見いだせない」と、CTSプロパーの仲間たちの退職は止まらない。「10年でCTSだけで業務遂行」とした会社の計画も破たんした。
この攻撃は阻止できる。「転籍」は労働者、労働組合の同意なく強制することはできない。われわれの外注化阻止闘争は「7~8年で最終段階」とされた攻撃を12年にわたって阻止した。カギは闘う労働組合の力だ。
すべての仲間に訴える。動労千葉に結集し、ともに大再編攻撃粉砕、全面外注化、分社化・転籍攻撃阻止の闘いにたちあがろう。