改憲・戦争、労働法制解体、第3の分割・民営化許すな!
すべてを組織拡大へ!
―第26回全支部活動者研修会開催― 1日目
1月28~29日、第26回全支部活動者研修会が山梨県石和市で開催され、2018年改憲・戦争情勢と第3の分割・民営化攻撃と闘う決意を固めるものとなった。
第1日目は、田中委員長が「2018年の課題」を、そして近藤昭雄中央大学名誉教授より「労働法制崩壊過程と強制出向問題 東京判決」の講演、2日目には伊藤晃氏(日本近代史研究者)より「動労千葉の運動に見る反合理化闘争の思想」の講演を受けた。詳細は、おって「機関紙・動労千葉」で報告される予定である。
一日目、田中委員長は、「改憲・戦争、労働法制解体、第3の分割・民営化と組織拡大を中心とした2018年の課題」と題し、歴史の転換点に際して動労千葉の基本的課題を明らかにし、当面する取り組みまで全面的な提起を行った。
二つ目の講演は、出向命令無効確認訴訟においてこの出向命令は「違法、無効であり、その効力は否定されるべきである」との意見書を書かれた中央大学名誉教授の近藤昭雄先生が行った。近藤先生は、強制出向裁判が労働法制改悪とどう関係するのかということについて話された(詳細別掲)。
動労千葉の6つの課題
戦後史の転換点としての2018年~19年~20年、ここで問われているのは先ず、①改憲―戦争絶対阻止の闘いに立ち上がること、②「働き方改革」―戦後労働法制解体攻撃と対決し、新自由主義攻撃を終わらせること、③JR体制大再編攻撃と対決して闘う闘争体制を確立すること、④連合再編・崩壊情勢と対決し、階級的労働運動復権をかちとること、⑤「大量退職問題」に立ち向かい、65歳まで働き続けることのできる職場、労働条件をかちとること、⑥組織拡大をかちとるために全力を尽くすことと提起した。そして昨年のダイ改阻止闘争が地域ぐるみの闘いに発展したこと、18年に及ぶ外注化阻止闘争がJRを追い詰め、総非正規職化の歯止めをかけてきたことが出向裁判を闘う中で逆に明らかになったこと、CTSの闘いが無期雇用転換をかちとる闘いとなったことなど、昨年切り拓いてきた地平を確認した。
新自由主義に対抗する労働運動の実践的路線を
安倍政権は年内に改憲発議、19年始めに国民投票とスケジュールを一気に前倒しし始めた。同時にもう一つの改憲攻撃でもある「働き方改革」は、この4月1日の無期雇用転換をめぐる大量解雇攻撃の中にその正体が露わになっている。それは、最低賃金の固定化であり、正社員ゼロ、解雇自由、労働組合など存在しない社会だ。安倍「働き方改革」の目的は「労働生産性をあげる最良の手段」「柔軟な労働市場の確立」だ。新自由主義攻撃が社会の全面的な崩壊を生み出し、貧困の蔓延や自治体の消滅的危機、公的支援体制の崩壊など「限界国家」化している。これと立ち向かう現場からの闘いをつくり出していかなくてはならない。新自由主義に対抗しうる労働運動の実践的路線を動労千葉の経験の中から構築していこう。
JR―国鉄闘争の課題
まず、3月ダイ改提案との闘いだ。全国的にローカル切り捨て・廃線化攻撃が激しく押し進められている。千葉では、内・外房線切り捨て攻撃、千葉検査派出削減攻撃が画策されている、内房、外房地域における闘いの組織化は、JR体制をおいつめ、第3の分割・民営化攻撃を粉砕する決定的な闘いでもある。千葉検査派出削減に対してはストライキを含む闘いを配置する。
また、大量退職を逆手にとった組織破壊攻撃に対しては、「エルダー協議会」(仮称)の設置をはじめ万全の組織体制を確立する。さらに、18春闘にJR貨物、CTSを中心にたちあがり、組織拡大の展望を切り拓こう。無期雇用転換に挑んだ経験をもとにちば合同労組と共同で「無期雇用転換問題連絡会」を立ち上げ発信する。
1047名解雇撤回闘争は、JR東日本を相手に団交開催・解雇撤回を求めて新たな労働委員会闘争を開始する。2・11国鉄集会に全力で結集しよう。
動労水戸の仲間を先頭に常磐線開通反対・被曝労働拒否、復興攻撃粉砕の闘いに3・11反原発行動(郡山)をはじめ立ち上がろう。
すべてを組織拡大の観点から闘いぬこう。
改憲・戦争阻止に向けた闘い
朝鮮半島―東アジアをめぐる戦争の危機が切迫している。11月集会で呼びかけた改憲阻止! 1万人大行進の発展で、改憲・戦争阻止の闘いを3労組で継続的によびかけることが確認された。改憲・戦争阻止の3・25 闘争にたちあがろう。
安倍政権による「働き方改革」攻撃を打ち破ろう。
2月21日から始まる出向命令無効確認訴訟の控訴審の勝利をかちとろう。
労働法制の崩壊過程を反映した10・10東京地裁判決
近藤 昭雄 中央大学名誉教授
昨年の出向命令無効確認訴訟の10・10東京地裁判決は、労働法制の崩壊過程を見事に反映するものである。同時に「働き方改革」法案が登場し、どちらも戦後の労働時間法制を終焉させるものだ。この「働き方改革」と出向命令無効確認訴訟の判決をあわせて検討してみたい。
●人事専制の容認と労働者人権の軽視
1950年代後半以降、技術革新・合理化が進展し、人事異動(出向・配転)問題が増加した。60年代の訴訟では、ほとんど労働者側が勝訴していたが70年代半ばになると判決が逆転した。包括的配転命令権、広い「業務上の必要性」が容認され、労働者の権利が限定されるようになった。
そして03年には「出向について労働者の承諾について個別的同意を必要とせず、事前の包括的合意で足りると解釈され、就業規則の規定で出向ができる」(新日本製鐵事件最高裁判決)と決めつけた。
●派遣法の制定と労働法の変質
戦後民主化政策の中で職安法が制定され、罰則付きで「労働者供給事業」が禁止された。それは「人間の商品化」を否定するものであった。
技術革新・合理化は間接雇用(非正規労働)を増加させ、「偽装請負」黙認の中で非正規労働者が拡大した。重化学工業における「社外工」、またビルメン、清掃部門などが下請けされた。事務職の機械化・情報化で派遣労働が拡大されてきた。そしてその結果として1986年、労働者派遣法が制定され、翌99年にはそれが一般化されるようになった。労働者派遣法は、労働者供給事業を容認し、非正規雇用の定着・拡大を進めた。
●司法の「右傾化」、空洞化
内閣による裁判官人事の管理は、体勢に乗る司法―「人権(労働者権)」尊重意識の著しい後退をもたらした。今回の出向裁判判決はそれを体現するものだ。労働実態への洞察が欠如しており、事案の本質を見抜けない。JRによる「日々委託」のもつ脱法性を無視し、JR業務体制への「組み込み」という実体を無視している。
労働者収奪に与することへの責任意識が欠如し、本件出向は、子会社を利用した業務体制への一歩だということが洞察されていない。
●「働き方改革」法案と労働時間規制 法制の終焉―闘うことが唯一の道
「働き方改革」法案では、「時間外労働時間数」の限定が歴史上初めてなされると宣伝されている。しかし、その内容は、36協定において臨時的に「限度時間」を超えて労働させる必要がある場合」は、「1ヶ月100時間・1年720時間」とするという。これでは従来の規制と何ら変わりなく、規制水準は過労死水準だと言うことである。また、抱き合わせの高度プロフェッショナル制度は、労基法の労働時間規制の枠組みを全面破壊する要素をはらんでいる。
従来の長時間残業は、労働組合が生み出してきたものである。自分たちで闘わずに法律に頼ってもなんの展望も開けない。企業の一方的人事管理に対して闘うことのみが労働現場において労働者の人権を確立する唯一の道であるとまとめられた(文責編集部)。
不当解雇から31年 2・11国鉄集会
2月11日(日)15時30分
船橋市勤労市民センター ホール(船橋駅南口)
出向命令無効確認訴訟第1回 控訴審
2月21日(水)10時30分
東京高裁 825号法廷
第78回定期委員会
2月25日(日)13時
DC会館