第7期労働学校実践編 安倍・御手洗路線と対決し、改憲阻止を! 弁護士 鈴木達夫
6月23日、第7期労働学校実践編の第2回講座が開催されました。改憲のための国民投票法が成立し、安倍は3年後には改憲すると公言しています。労働学校実践編での鈴木達夫弁護士の「安倍・御手洗路線と対決し、改憲阻止を!」と題して行われた講演の中身を要約して掲載します。 今回の労働学校には家族会も連続講座として参加しました。(文責編集部)
改憲か革命か
3・18の青年労働者の集会や6・9の集会を見ると階級情勢が一変しているのがよくわかる。「労働運動の力で革命やろう」と青年労働者が立ち上がり始めています。 憲法とは、革命の所産であり、権力と人民の基本的関係を表しています。安倍のいう改憲とは支配階級がいままでどおりにやっていけなくなったことによる統治形態の転換であり、いわゆるクーデターです。改憲=クーデーターであるならば、改憲阻止とは革命ということです。日々戦場の青年労働者にとって平和を守れは、いまの現状固定でしかない。改憲阻止闘争にとって必要不可欠なのは、敵の目標=具体的攻撃を打ち砕くことです。
御手洗路線「希望の国、日本」?日本経団連報告
日本経団連が今年1月1日に出した「希望の国、日本」について見ていきます。序では、「先の見えない闇の時代」と支配階級ですら絶望的でどうしようもない時代であると見ている。80年代のレーガン登場からブッシュの規制緩和、「強いアメリカ」の復興とアメリカの政策を賛美して、これに続こうとしています。 「はじめに」では道が二つに分かれている。成長重視派と弊害重視派がいる。経団連は、教育や国・地方のあり方、憲法などの変革に取り組み、成長重視の道を採ることを明らかにしています。そして10年間の変化を予想しながら、開かれた機会・公正な競争を言いながら、その結果における平等は求めないとして、より一層の格差が広がることを是認しています。 「希望の国」実現に向けた優先課題として生産性の向上のため、年功序列型賃金や定期昇給を廃止しする。財政は先進国中で最悪の状況だとして、徹底した民営化を推し進めようとしている。そして労使の自治を中心に規制を最小限にし、形骸化した「春闘」をなくし、正規職と非正規職の区別にとらわれないとして全ての労働者を非正規職にたたき込もうとしています。 憲法改正についても、経団連は2010年までに改憲することをうたっています。
日本国憲法の成立と戦後革命
日本国憲法は、「国体護持」(天皇制と資本主義)のため支配階級が譲歩してできた憲法です。終戦直後の在日朝鮮人、中国人民の闘いと2・1ゼネストに向かう労働者の闘い、戦後革命の産物として、日本帝国主義が生き残るための譲歩として、憲法9条の戦争放棄、武装解除と「民主化」(基本的人権、男女同権、農地解放)が憲法に取り入れられた。一方で天皇制は象徴天皇制として残されました。 その後、執拗に支配階級の側から改憲策動が行われた。中曽根が「国労を解体し、社会党・総評ブロックを消滅させ、新しい憲法を床の間に」といって国鉄分割・民営化を強行した。動労千葉の分割・民営化反対の2波のストライキは、改憲阻止の闘いとして、歴史的にも非常に大きな意義があります。
天皇を「元首」、「新憲法大綱案」(超党派国会議員)
超党派の国会議員で作る「新憲法促進委員会」による新憲法大綱案では、天皇を「元首」とすることをはっきりとうたい、皇位継承は男系の男子とすることを明記しています。 そして、現憲法9条2項の戦力不保持を削除して、自衛のための「防衛軍」をもつことを明記しています。また、国民に対しては「国防の責務」を規定し、国家の行う戦争に対して積極的に協力することを憲法で規定しようとしています。 「国家防衛権」なるものは、侵略戦争の口実です。 憲法9条の1項と2項は、セットで現憲法の戦争の放棄になる。2項の「戦力は持たない、交戦権は認めない」をとってしまうと1項の戦争放棄の縛りにはならない。1項だけだと「国際紛争を解決する手段としては」というのは自衛戦争は含まないというのが一般的であり、2項を変えて「自衛軍」や「防衛軍」をもったら、自衛のための戦争は良いということになってしまいます。その他にも、公共の利益、公共の秩序のためには基本的人権も制約されるとしています。 こうした改憲攻撃に対する労働者階級の論理とは、第一に、国家とは大資本と大企業の支配の道具、その国家がやる戦争だということです。 第二に、日本は過去も現在も帝国主義であり、故に日本のやる戦争は「侵略戦争」しかないということです。 第三に、労働者の国際連帯ということです。労働者には国境はない、資本家の戦争に手をかさないということです。 「新憲法の制定」=改憲攻撃とは、クーデターです。これに対するには「革命!」しかありません。 。職場に学習と徹底討論の場を。改憲阻止へ起ちあがろう。
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