会社は「ミライの車両サービス&エンジニアリング構創」なる文書を、一方的に業務用タブレットに配信している。AI化やロボット導入を掲げ、「作業から判断へ」「人手をかけないメンテナンス」などと打ち出している。
しかし、現段階でロボット導入や完全自動化などなんの現実性もない。それをあえて持ち出したのは、「機械でもできる仕事だから、グループ会社がやればいい」と検修業務を軽んじ、全面的な外注化を進めるためだ。
だからこそ外注化反対の声を職場からあげるときだ。全力でこの攻撃を打ち砕こう。
工場を含めた全面外注化ねらう
「ミライの車両サービス&エンジニアリング構創」では、「現場に直結した業務」はグループ会社の仕事だとはっきりと書かれている。JR本体は「鉄道事業者としての業務」を行うのだという。JR本体に残る現場業務として書かれているのは出場検査のみだ。
だが、車両センターでの出場検査はすでに外注化されている。ここでいう出場検査は、工場(総合車両センター)におけるものだ。JRの業務が出場検査しか残らないということは、工場においても全面的な外注化が前提になっているということだ。
これから「グループ会社主体」にするとされているのは長野総セだ。だが、「JR持ち」とされている工場でも現場業務はすべて外注化しようとしているのだ。
外注化阻止闘争の本番が訪れる
「変革2027」に向けては、すでに各系統で攻撃が開始されている。検修部門については、これまで構想を出すこともできていなかった。だが、今回の「ミライの車両サービス&エンジニアリング構創」で、全系統における攻撃の構想が出揃ったことになる。
この間、乗務員勤務制度改悪強行から2週間もせずにジョブローテーション提案が行われたことから考えても、全面外注化の攻撃はすぐに動き出すと考えなければならない。
車両センターでいえば、機能保全と機動班、派出を外注化すれば現場業務はすべてJRの「外部」にされる。JRが行うのは検査計画や技術管理だけ。現場の検修業務はすべてCTSに丸投げ外注化するということだ。
検修業務の丸投げ外注化を絶対に許してはならない。それは間違いなく鉄道の安全の崩壊をもたらすからだ。そして、転籍と総非正規職化を狙う攻撃だからだ。
すでに職場では誰も列車運行全体に責任を取らない無責任体制が生み出されている。当局の間では工場の出場検査もJRでやる必要はないという議論もあるという。現場業務にJRは責任を取らないという会社の姿勢の現れだ。
一方、グループ会社はJRから徹底的にコスト削減を迫られる。技術継承の基盤など存在しない。これで鉄道の安全が守れるはずがない!
闘いの展望は外注化阻止闘争の地平
会社の計画では検修部門はもっとも早く全面外注化されていたはずだ。その攻撃がここまで遅れたのは、われわれの外注化阻止闘争が決定的な歯止めになってきたからだ。
いよいよ外注化阻止闘争の本番が訪れようとしている。検修業務丸投げ外注化・転籍強制を阻止しよう! JR―CTSを貫く組織拡大を実現し、外注化攻撃粉砕へ全力で闘おう!