7/29本社・7/25首都圏本部提案
JR東本社は7月29日、「グループ会社と一体となった業務執行体制の深度化」として新系列車両の機能保全(旧車両の交番検査)の外注化を可能とするという提案を行ってきた。
また、首都圏本部は7月25日、「駅派出検査体制等の見直し」として、駅派出業務を本区と融合化すると提案してきている。
【JR東本社】「グループ会社と一体となった業務執行体制の深度化」提案(7月29日)
- 新系列車両の機能保全の外注化を可能とする
- 実施時期:2025年4月1日
【首都圏本部】「駅派出検査体制等の見直し」提案(7月25日)
- 幕張車両センター千葉派出の体制見直し
- 幕張車両センター本所との業務融合を行う
- 日中帯は車両センターで臨時検査業務、計画業務等を行う
- 夕方~朝は千葉派出で本線対応業務を行う
- 日中帯は臨時検査社員等が本線対応業務にあたる
- 「幅広い社員が本線対応業務を経験できる」
- 京葉車両センター西船橋派出の体制見直し
- 京葉車両センター本所との業務融合を行う
- 本線対応業務について、日中帯は本所から出動、夕方~朝は西船橋派出から移動し対応する
- 日中帯は計画業務、臨時検査業務等を担う
- 要員関係:
- 幕張車両センター、京葉車両センターともに2日勤減
- 実施時期:2024年10月1日
全面外注化攻撃うち破ろう!
すでに新系列を除く交番検査は外注化されている。「新系列車両の機能保全を外注化」とは、あらゆる検修業務を外注化するということだ。
会社は「交番検査を委託してきた職場の車両が新系列に置き換わる」「4月からすべて外注化するわけではない」「外注化できるかはグループ会社の体力次第」などと説明している。だが、全面外注化に向けて本格的に動き出したことは間違いない。絶対に許すわけにはいかない!
そもそも、外注化を強行した時に会社は「新系列車両の技術レベルの維持向上に関する業務については、JRで技術力を確保する」としていた。結局、それもひっくり返し、全面外注化に舵を切ったということだ。
19年に一方的に打ち出された「ミライの車両サービス&エンジニアリング構創」なる文書では、「現場に直結した業務」はグループ会社の仕事だと書かれている。この「鉄道業務はJR本体に残さない」攻撃が具体的に動き出したということだ。
駅派出業務を本区と融合化
駅派出業務の融合化もこの全面外注化攻撃と一体だ。全面外注化に踏み切る前に、あらかじめ派出業務を削減しておこうという狙いだ。
会社は「本区との融合化」ができる理由として、「車両が改良され、大規模輸送障害を引き起こす車両故障の発生が少なくなった」「異常時にタブレット等で故障の情報共有ができるようになった」などを挙げている。
だが、すでにJR・CTSは次々に検査派出を廃止・縮小してきた。さらに駅の派出まで日中帯は本区にいるという。事実上、「派出対応はもう行わない」といっているに等しい攻撃だ。
そうなれば運転士は何かあっても駅に到着時さえ車技に対応してもらえなくなる。鉄道の安全を破壊すると同時に、乗務員の負担をさらに増やすものだ。
しかも会社の言う施策の目的は、「社員の活躍フィールドを拡大するため」だ。
こんなふざけた理由で派出対応をなくそうなど、断じて認められない!
グループ会社再編と一体の攻撃
これはグループ会社の再編と一体の攻撃だ。すでに車両センターは支社から切り離され、首都圏本部の管轄にされている。そうである以上、CTSなど各支社ごとに作られている車両整備会社を集約・統一していく方向にいかざるをえない。
さらに検修業務を全面的に外注化するとなれば、清掃部門の切り離しなどを通して、CTSの労働者にも転籍や「孫請化」などの攻撃が狙われることになる。
検修業務のさらなる外注化と派出検査解体の新たな攻撃が行われようとしている。鉄道の安全を破壊し、労働者の権利を破壊する外注化絶対反対! 派出検査業務を解体するな! JR・グループ会社大再編攻撃を打ち破ろう! この攻撃と断固対決し、外注化粉砕の闘いにたちあがろう。