10月23日、動労千葉は「グループ会社と一体となった業務執行体制の深度化に関する申し入れ」(申22号)に基づき、首都圏本部との団体交渉を行った。会社は、CTSに機能保全の技術力がないことを百も承知で外注化を強行しようとしている。
◆主な回答内容
- 京葉車両センターについては、CTSからJRへ出向して教育している。期間は半年。今年の前期・後期2名ずつ計4名。
- 4名では足らない。JRからの出向も含めて検討している。
- 機能保全の一通りの流れは半年あれば教育できるという認識。
- 見習いの回数を基本は3回。必要に応じて増やす。
- 機能保全について、どの車両でも委託できるものは委託していく。
- 委託の判断はグループ会社と協議しながら決める。
- 技術力をJRで維持する方法は、「総合車両センターで学ぶ」「CTS等に出向して学ぶ」ということもある。
- 今回委託対象の「臨時修繕作業」は、機能保全時に発生したもの。整備の規定に則った点検項目を点検し、走行できる状態にするまでということ。
- 現時点で機動班、臨時検査班を委託するということではない。
- CTSで対応できない業務が発生した場合、JRとしても関与する。
技術力ないのに外注化
会社は提案で、「環境の変化等により柔軟に対応するためのグループ会社と一体となった効率的な業務執行体制の構築」としてきた。これについて具体的には、「フィールド(現場)に直結した業務はグループ会社の強みを活かして水平分業」「JR東グループ全体で車両サービスを高めていく」と回答した。
会社は「グループ会社の強み」について、「仕業検査や転削作業等を行っている」「実績、実力、車両の知識がある程度ある」「鉄道を全く知らないというわけではない」などと回答した。
業務を外注化する以上、外注先に技術力があり、教育等も含めて行う体制があることが前提だ。会社は「技術力は十分ある」などと強弁した。しかし、実際には機能保全を行う技術力も体制もないのが現状だ。
これについて、4月実施提案の京葉車両センターについては、「CTSからJRに計4名が出向し、半年の教育を行っている」と回答した。そして、「4名では足らないのでJRからの出向も検討」「CTSに戻った4名がCTS内で教育する」などとした。
だが、半年の見習いで機能保全の教育まで行えるというのか? この点を追及すると、「(半年では)各パートの習熟度の差は当然ある」「技術的な判断の部分は難しい」と答えざるをえなかった。
結局、4月1日時点でCTSに機能保全の技術力はないということだ!
検修全面外注化許すな!
「環境の変化」について回答では、「生産年齢人口の減少」「新しい車両になりメンテナンス効率が上がっていること」などを挙げた。同時に、採用状況が厳しく、社員数も減っているとした。
JR東が提案している組織、人事・賃金制度の抜本的改悪には「転籍一時金」新設が含まれている。その理由をJR本社は、「グループ会社とでは賃金差があるから」と説明した。JRで「採用が厳しい」なら、グループ会社ではさらに厳しくなるのは当然だ。
この点について、会社も賃金差について認めざるを得なかった一方で、「グループ会社の賃金について関わらない」と回答した。その「賃金差」を作っているのは誰なのか! グループ会社の仲間を超低賃金に強制し、巨額の黒字を稼いでいるのがJRではないか!
さらに、会社は「機能保全はどの車両でも委託できるものは委託していく」と回答し、さらに外注化を拡大する意図を明確にした。だが、外注化の矛盾は相次ぐ重大事故などですでに完全に明らかだ。機能保全外注化―検修業務の全面外注化絶対反対! 外注化阻止へ全力で闘いにたちあがろう!


