新春インタビュー 関道利委員長に聞く

9649

「組織大再編攻撃と対決し組織拡大実現を」

――昨年を振り返っていかがですか?

昨年の11月集会は、3労組で呼びかけられませんでした。しかし、現在の情勢の中で11月労働者集会にかけてきたことが今こそ問われていると考えました。6・15国鉄集会で、単独でも開催する決意を訴え、組合員、OB会、家族会の皆さん、そして全国の仲間が応えてくれました。その力で困難を乗り越え、新たな闘いの出発点を築くことができました。これから進むべき闘いの方向を明確にできたと思います。

11月集会が切り開いてきた最大の地平は、日本労働運動の変革、階級的労働運動の建設という大テーマを掲げて、四半世紀を超える組織化を継続してきたことです。その闘いの中で韓国・民主労総との20年を超える連帯をはじめ画期的な国際連帯をつくりあげてきました。

高市政権下で激しい差別・排外主義、国家主義があおられ、対中国の侵略戦争が仕掛けられています。高市政権は登場するや、軍事費のGDP2%を拡大する大軍拡を強行し、非核三原則の見直しも打ち出しました。官邸幹部が「日本は核兵器を保有すべきだ」と発言し、今夏にも安保3文書改定案を策定するといわれています。「台湾有事は存立危機事態」と答弁し、発言撤回も拒否し、逆に「中国の対応がとんでもない」「日本は毅然と対応すべき」と排外主義、国家主義の扇動に利用しています。その後も自衛隊・米軍が次々に挑発的な軍事演習を強行しています。

「中国が脅威だ」とあおり、9条改憲も含めて、大軍拡と戦争国家化へ突き進み、現実の侵略戦争が準備されています。しかし、歴史を顧みれば、日本帝国主義が満州を植民地にし、「日本の生命線」「東洋平和のため」と戦争を始めたのです。かつて日清戦争で台湾を植民地にした日本に、どうして「台湾有事」などと言う資格があるでしょうか。再び中国・アジアに侵略戦争をしかけることを許すわけにはいきません。

昨年末トランプが発表した国家安全保障戦略は、対中国侵略戦争を焦点に世界を戦争へとひきずり込んでいく戦後史の最大の転換点になろうとしています。それは直ちにベネズエラへの侵略戦争として発動され、世界に衝撃を与えています。

戦争に動員されるのが労働者なら、戦争を阻止する力があるのも労働者です。私たちはこの情勢に対し、「戦争反対」を労働組合のもっとも重要な任務として確認し、職場から立ち上がろうと訴えてきました。そして、戦争を阻止する力は、国境を超えた労働者の団結した闘いにこそあります。国際連帯の発展は今こそ求められています。

昨年は訪韓闘争を含めて、韓国・民主労総ソウル本部との連帯をさらに強固にすることができました。民主労総の集会では、ヤンギョンス委員長のほか、クォンヨンギル初代委員長やタンビョンホ元委員長ら歴代委員長、ソウル本部のキム・ジノク本部長とともに最前列に座らせてもらい、紹介していただきました。動労千葉への期待を強く感じました。

――日本での闘いの前進が求められていますが、いかがでしょうか?

民主労総は結成30年、動労千葉も第一波ストから40年です。ともに新自由主義攻撃に抗して闘い抜いてきました。世界中で激しいデモやストライキが次々に闘われています。

他方、日本では連合が最大のナショナルセンターです。高市政権は、「安全保障と経済成長との間の好循環」「防衛力の抜本的強化を進めれば日本経済の課題も解決できる」と戦時経済化を進めようとしています。そのための「日本成長戦略会議」に連合・芳野が参加しています。産業報国会、戦争への道です。この現状を突破しなければなりません。連合路線を打ち倒し、階級的労働運動を甦らせる時です。

また、高市政権や参政党という極右勢力の登場の背景にあるのは、これから毎年100万人単位で人口が減少していくという崩壊的な危機です。この危機に突き動かされて、経団連は外国人労働者を688万人導入する方針を掲げています。労働力も強制的に軍事関係に集中させ、エッセンシャルワーカーには外国人労働者を動員しようという計画です。家族含めれば1千万人。そういう在日朝鮮人、中国人の方たち、外国人労働者は、彼らにとって「内乱勢力」です。だからこそ、徹底した差別・排外主義と国家主義が振りまかれています。

その中で11月集会を「戦争反対」「差別・排外主義との対決」を掲げて開催できたことの意義はやはり大きいと思います。労働者の団結、労働組合の力を取り戻すことの中に、戦争を阻止する力もあります。改めて国境を超えた労働者の団結を訴えなければなりません。

そして、日本の労働運動の再生をかちとる上で、やはり動労千葉として果たすべき役割があると思います。

昨年の11月集会をやり抜く中で改めて気付かされたことがあります。国鉄分割・民営化という国家をあげた攻撃と闘い抜き、団結を守った経験と蓄積。20年以上にわたる韓国・民主労総との連帯。国内外の労働者との間で築かれた揺るぎない信頼関係。闘いの中で培ってきた原則性と路線性。どれか一つが欠けていれば、集会を継続できませんでした。私たちはそうした地平を切り開いてきたわけです。

どんな小さな労働組合でも、労働者全体の勝利、労働運動全体の前進のために闘う立場を失ってはなりません。戦争の現実化、情勢の激動の中、ますますこうした原則性が求められます。この時代に動労千葉の切り開いた地平を本当の意味で活かすことが求められていると思います。

――JR資本が果たしている役割も重大ですね。

戦後労働政策の転換の最先頭をJR東が担っています。来年度に構えられている組織再編、人事・賃金制度の抜本的改悪はJRという一企業だけの問題ではありません。全社会の労働者の権利を根本から解体しようという攻撃です。その攻撃の核心は、「労働組合の存在を許さない」ということです。

賃金制度では、定期昇給・基本給という考え方をすべて廃止し、「能力昇給」「職務能力給」にするといいますが、会社自身が「昇給額が低くなるため40歳代で現行賃金より低くなる」と認めています。同時に会社は、「株式報酬制」を打ち出しました。一般社員も含めて株式を「報酬」として付与するというのです。「賃金」という考え方まで解体し、株価と労働者の生活を結びつけ、抵抗の声すら上げられなくしようという悪らつな攻撃です。そうして労働組合が存在する条件そのものを解体しようとしています。

組織再編では、支社が廃止され、36の事業本部に再編されます。千葉支社なら京葉総武、房総、千葉の3事業本部。これが「一つの事業所」だというのです。千葉事業所なら1500人規模、営業キロで200㌔超の距離があります。要するに「事業所」という概念自体を解体する攻撃です。

労働者の権利は、具体的な業務内容や勤務地と切り離せません。労基法の適用も事業所単位です。事業所ごとに36協定も結ばれ、8時間労働制という血を流して獲得してきた労働者の権利も守られてきました。それを無きものにしようという攻撃です。すでにJR東が先兵となり、厚労省も巻き込んで労基法改悪が準備されています。

これは社友会路線―「労組なき社会」化と一体の攻撃です。この間、政権は労働組合を根本から否定して一掃しようとしてきました。JR東も国と一体で攻撃を進めてきました。

逆に言えば、ここにチャンスがあります。「国はなぜ労働組合を潰したいのか」ということです。世界中で巻き起こるデモやストが、日本で生まれないようにという恐怖の裏返しです。組織、人事・賃金制度改悪に断固反対を訴え、職場に渦巻く不安や怒りを団結した声と闘いに組織していきたいと思います。

――3月ダイ改・26春闘に向けてはいかがでしょうか?

3月ダイ改は木更津でEC・DCの混み交番新設という運転保安上重大な攻撃がかけられています。しかし、全体としては大幅な変更は提案されていません。組織、人事・賃金制度の抜本的な改悪攻撃を優先したということです。

同時に、4月には検修業務でJR本体に残る最後の業務である機能保全を含む全面外注化攻撃が開始されようとしています。千葉ではまず京葉車両センターで攻撃が準備されています。すでに交番検査や仕業検査、臨検は外注化されており、要するに「技管以外はすべて外注化」ということです。そうなれば、グループ会社でも車両整備会社の集約や清掃部門の切り離しなどの大再編攻撃がかけられるのは必然です。

「現業・非現業の区別をなくす」という言い方で、現実にはJR本体から現業部門を最後的に切り捨てようとしています。こんなことをすれば、労働者の権利や鉄道の安全が破壊されるのは当然です。それを最悪の形で示したのが、6月に幕張車両センターで再び現場の仲間が犠牲にされた、労災死亡事故です。ここに外注化の本質が現れています。「すべての外注化を撤回しろ」ということです。4・1外注化阻止の闘いは非常に重要です。組織再編攻撃を外注化阻止闘争の強化で粉砕する闘いに全力でたちあがります。

また、27年春の中央・総武緩行線ワンマン化はすでに提案され、久留里線・久留里~上総亀山間の廃線化も「27年4月」が打ち出されています。今回のダイ改で改めて焦点にしなければなりません。久留里線と地域を守る会と連帯して、廃線化絶対阻止の闘いを行いたいと思います。

すでに重大事故が撃発する中で、ワンマン拡大は絶対に許せません。安全を投げ捨てるということだからです。昨年暮れに幕張に入ってきた車両もワンマン化に対応する車両です。千葉全体にもワンマン化を拡大しようということです。これを見据えて、断固反対の声を上げたいと思います。

貨物では、昨年のダイ改―4・1の過程で、千葉機関区の派出化、仕業削減、要員削減と内外勤融合化―1徹化が強行されました。千葉機関区は非常に重要な拠点であり、区として残すのが当然です。しかし、動労千葉排除のために人を送らず、派出化まで強行してきました。シニアの賃金差別との闘いも強化しなければなりません。改めて千葉機関区化と内勤1徹化を何としても粉砕したい。ストライキを構える闘いが求められています。

26春闘は戦争情勢の激化、激しい物価高の中での闘いです。実質賃金は30年も下がり続け、生活は限界です。しかし、高市政権は中国への侵略戦争に向けて軍事費の大幅増加に突き進んでいます。トランプ政権の後押しを受けてガザでの大虐殺が続き、ウクライナ戦争も泥沼化し、世界は大激動の中にあります。26春闘を大幅賃上げ獲得、階級的労働運動の再生に向けた「反戦春闘」「組織拡大春闘」として位置づけ、ストライキの復権を目指して闘います。

――国鉄1047名解雇撤回闘争も正念場です。

昨年9月19日に第1回控訴審が開かれましたが、東京高裁は初めから警備法廷を指定し、明らかに結審を狙っていました。しかし、9月9日の署名提出と抗議の申し入れを行い、警備法廷指定の撤回と大法廷での開催をかちとりました。そして、一回結審も阻止する勝利をかちとりました。全国の仲間の力で集めた署名、そして当日の大結集の力です。組合員の皆さんの結集も本当にありがとうございました。

第2回控訴審は1月23日に行われます。井手・深澤の証人尋問を実現し、真実を明らかにさせられるかどうかの決戦です。この2人の証言は、この裁判の最も本質的な部分です。彼らに語らせることなく、真実を闇に葬らせるわけにはいきません。ぜひ大結集をお願い致します。

――動労千葉も組織的な転換点を迎えています。

多くの組合員が65歳を迎えています。しかし、断固闘いを貫き、組織拡大を実現するために、昨年の大会で新たな組織体制を確立しました。多くの組合員がシニア組合員になってくれています。これからもさらに拡大していきたいと思います。

一方で、JR東では来年度からセカンドキャリアスタッフ制度が始まります。すでに職場の提示も行われていますが、明らかに今いる職場から排除しようとしています。「経験やスキルを活かすため」というなら、これまでの職場・仕事が基本になるはずです。しかし、本人希望を踏みにじり、現在よりも遠い勤務地を指定された組合員もいます。そもそも提示されなかった組合員もいます。長年働いてきた労働者への仕打ちがこれなのか。絶対に許すことはできません。

JRは「CTSが募集していないから」と言い逃れをしています。昨日までやっていた仕事が、65歳を迎えた次の日からなくなるはずがありません。JR・CTSが一体となって動労千葉を排除しようとしていることに間違いありません。

――今年は2月に国鉄分割・民営化反対の第2波ストライキから、11月に動労総連合結成から40年を迎えます。

国鉄分割・民営化攻撃は国家をあげた戦後最大の労働運動解体攻撃でした。この攻撃に対してクビをかけて真正面から闘い、団結を守りぬいたのが動労千葉であり、動労総連合です。この40年を闘ってこられたのは、組合員が全力で闘ってくれたことと、全国の仲間の力があったからです。95年から11月集会を開始し、03年からの国際連帯を切り開いてこられたのも、団結を崩さなかったことが最大の力だと思います。

「労組なき社会」化攻撃の中で、東労組は会社から切り捨てられ、職場の社友会化が進んでいます。しかし、小なりといえど動労千葉は闘う団結を守っています。

これから事態はまったく変わっていきます。生きていくうえで必要不可欠な条件がすべて破壊されて戦争に突き進んでいく情勢です。日本労働運動をめぐる条件も間違いなく一変します。職場では大再編攻撃から矢継ぎ早に重大な攻撃が準備されています。団結を守り抜いてこの攻撃に勝ち抜けば、必ず展望は切り開かれます。全力で反撃に立ち上がる中で、組織拡大の実現もかちとる1年とするために、組合員の皆さんの総決起を訴えます。

――ありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました