10月9日「自衛隊明記の改憲」「アジア版NATO創設」「核共有」などを持論とする石破首相は、就任からわずか8日で国会解散―総選挙(15日公示ー27日投開票)に踏み切りました。
16日の東京新聞は、「自民派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた『政治とカネ』への対応が最大の争点。対応の遅れが指摘された物価高などの経済対策、増税前提の防衛費大幅増などの外交安全保障政策も問われる」と総選挙の争点を解説しています。
「挙国一致」づくりを許さない!
裏金議員の公認、比例重複立候補などをめぐり、自民党内からの猛反発、党の分裂的危機と混迷が深まり、石破政権は発足と同時に末期的症状を呈しています。
しかし事の本質は、野党は「裏金隠し」としか言いませんが、石破政権が 「納得」も「共感」もなく、なりふり構わず解散・総選挙に打って出たのは、 2027年にも始まると言われている中国侵略戦争に向けた「挙国一致」をつくり出すためです。
「どんなときに核を使うのか」!
10月4日の石破首相の所信表明演説では、対中国の排外主義をあおり立てながら、「日米同盟の抑止力・対処力を一層強化」「同志国との連携強化」と主張し、改憲・大軍拡、辺野古新基地推進などの方針を明確にしました。戦後安保政策の歴史的大転換に踏み込んだ岸田前政権の基本路線を引き継ぎ、それをより一層加速させることを打ち出しました。
テレビ番組で石破は、「核ミサイルを撃たれても必ず落とせるというミサイル防衛の能力を上げる」と語り、核拡大抑止の推進、米の核兵器運用に関与する「核共有(核保有国が同盟国と核兵器を共有して抑止力を高める軍事戦略)」へ、「どんなときに核を使ってどんなときに核を使わないのか全然わからない。それをきちんと話せる体制を北大西洋条約機構(NATO)並みにつくる」と言明しました。
未来は11・3集会にあり!
しかし、「日米同盟を基軸に」を掲げる立憲民主党から日本共産党にいたるまで、こうした石破と対決し打倒し、戦争政策を絶対に阻止しようとする政党は国会には一つもありません!「石破自民か、野田立民か」、こんな選択の中に労働者民衆の未来はありません。
11・3全国労働者総決起集会ー改憲・戦争阻止1万人大行進は、反戦デモとストライキを闘う全国、世界の労働者・労働組合が先頭に立って、「戦争を止め、社会を変える力はここにある!」ということを示す集会とデモです。よびかけ労組の誇りを持って、動労千葉の大隊列を登場させよう!
対中国への戦争挑発
総選挙中に最大規模日米演習
総選挙中の10月23日に始まり11月1日まで行われる予定の日米共同統合実動演習「キーン・ソード25」には、前回(2年前)を上回る自衛隊約3万3千人、米軍約1万2千人を動員。初めて敵国として「中国」を名指しし、沖縄・九州を中心に日本全土の空港・港湾・公道も使用するという。
4月の日米首脳会談と7月の外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)で確認した米軍・自衛隊の指揮統制の連携強化、在日米軍に作戦指揮権を付与した「統合軍司令部」への再編を経て、さらにエスカレートした日米共同作戦計画を準備するための実動演習だ。これ自体が中国へのすさまじい軍事的威圧・重圧を与える行為であり戦争挑発そのものだ。