戦争・物価高の中で記録的なストライキの波が世界を覆う起ちあがる世界の労働者 甦れ!闘う労働組合 11・6全国労働者集会へ

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8月の消費者物価(生鮮食品をのぞいた総合指数)が去年の8月との比較で2・8%上がった。消費増税の影響があった期間をのぞけば、バブル景気直後の91年9月以来、30年11カ月ぶりの水準だ。しかし、賃金はほんとど上がらず、実質賃金は昨年を下回る状況だ。
一方、世界各国で物価が高騰する中で、多くの国で大幅賃上げを求めるストライキが闘われている。アメリカでは労働組合が続々と結成されている。近い将来、日本にも世界と同じような状況が必ず来ることは間違いない。

英国ーー物価高騰にストライキの波

ミック・リンチRMT書記長

RMT組合員

イギリスでは、10月1日に鉄道、郵便・通信、港湾など、約17万5千人の労働者がストライキに入った。物価高騰は10%を超え、もはや生活が成り立たない状況に入っている。この大ストライキを支援し英国各地で数万人規模の抗議行動が行われている。
RMT(英国鉄道労組)ミック・リンチ書記長は、「トーリー(保守)党は私たちに対して階級闘争を宣言している。断固反撃しなければならない」「社会は混乱状況だが、労働者には非常に強い連帯感があり、国民の支持も日々たかまっている。私たちはこの国を変え、労働者民衆のために勝つつもりだ」と訴えている。今、イギリスでは、1926年のゼネスト以来、百年ぶりの社会的現象と報道されている。

米国ーー大統領を震撼させた鉄道スト

アメリカでも労働運動の高揚が依然として続いている。ストライキは急増し今年に入って前年より8割増となる271件のストが発生した。ストの規模も拡大しており、2千人以上が参加したストは6件から13件に倍増。業種別でみると、食品・サービス系が全体の約4割と最多。次いで人手不足が特に深刻とされる教職員が2割、医療従事者が1割を占めている。
9月16日から30年ぶりとなる大規模な鉄道貨物労働者(10万人)のストライキが予定されていたが、ストを恐れたホワイトハウスが仲裁に入り回避された。アメリカの物流の3割を担う鉄道貨物がストに突入すればサプライチェーンは大混乱しインフレに拍車がかかり、バイデン政権の崩壊になりかねないと大統領自らが介入してきたのだ。鉄道会社と労働組合の暫定合意では14%の即時賃上げに加えて、20~24年の5年間で24%の賃上げと年1千ドル(約14・5万円)の特別賞与の支給が盛り込まれた。
今アメリカでは、新型コロナや物価高騰で、多くの労働者は、自らが行動しなければ生活条件が悪化するばかりだ。「労働組合が現実の社会を変える選択肢」という価値観が広がっていだ。

記録的な「値上げの秋」

 10月1日から6305品目の値上げが発表された。10月からの最低賃金はわずか31円しか上がらない。事実上の賃下げだ。日本企業は、賃上げではなく「副職」を解禁し、ダブルジョブを奨励している。
アベ銃撃事件以降、アベ政治の真実が暴かれ、〝フタ〟が取れ始めてきている。そして労働者の我慢も限界に来ている。岸田政権の支持率は急落している。今こそ労働運動を力強く甦らせなければならない。11・6全国労働者集会の成功を勝ち取ろう!

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