ロシアを抑えつけ、中国を打ち倒す
ウクライナ戦争は、世界戦争・核戦争の危機を高めながらますます長期化・泥沼化しています。さらに東アジアでは、「ロシアを抑えつけ、中国を打ち倒す」という米国家安全保障戦略の下に、「台湾有事」を口実とした戦争の危機が迫っています。
「われわれはウクライナで大きな成功を収めた。2014年以来、ウクライナ人の訓練、物資の事前配置、支援活動や作戦を維持する拠点の特定に取り組んだ」「その成功事例に踏まえ、現在は中国との戦争に備えて日本と準備を進めている」=沖縄・第3海兵遠征軍ジェームズ・ビアマン司令官。
岸田政権はその一翼を担って5年で43兆円という大軍拡にふみだし、沖縄―南西諸島の敵基地攻撃基地化を進め、国会では、防衛財源確保法、軍需産業保護法、核・原発政策の全面的強化を狙うGX法、入管法改悪、マイナ法等、「戦争をする国」への臨界点をこえるような歴史的反動法案を成立させました。
「闘う覚悟が求められている」
自民党副総裁・麻生太郎による台湾訪問・蔡英文総統との会談、そして長崎原爆の日を前にした8月8日の講演では「抑止力を機能させる覚悟が求められている。闘う覚悟だ」「お金をかけて『防衛力』を持っているだけではダメなんだ」と、「抑止力」とは単なる軍備増強ではなく実際に中国と戦争をやることなのだと、あからさまに語りました。
同行した政務調査会副会長・鈴木馨祐は麻生発言について「政府内部を含め調整した結果」と述べ、政府の公式見解であることを認めました。
「近年にない死傷者がでる」
今年に入って、米戦略国際問題研究所(CSIS)や外交問題評議会(CFR)などが「台湾有事」をシミュレートした報告書を相次いで発表し(別掲)、在日米軍基地の存在、自衛隊との連携、日本の民間空港・港湾の活用などを強調、中国侵略戦争において「日本が群を抜いて最も重要」であると繰り返し確認しています。日本の全面的参戦なくして、アメリカは中国との本格的・全面的な戦争を遂行することが出来ないからです。
決して戦場に立つことのない連中が戦争を望み、ロシアとウクライナの人々が理不尽な殺し合いを強いられ、軍需産業は莫大な利益を貪っている。こんなに転倒した社会はありません!怒りをもって、起ち上ろう!大会の成功から、11・19へ総決起しよう!
「日本こそが要である」=CSIS報告
・「成功のための諸条件」=①台湾軍が戦線を維持すること、②米軍が直接戦闘に参加しない「ウクライナモデル」は通用しない、③米国が在日米軍基地を戦闘作戦のために使用すること、④米国が中国の防衛圏の外から迅速かつ大量に中国艦隊を攻撃すること。
・「日本こそが要である。在日米軍基地の使用なしには、米軍の戦闘機・攻撃機がこの戦争に効果的な形で参加することはできない」
・「中国との戦争は第二次大戦後に米国が経験してきた地域紛争や対ゲリラ戦争とは根本的に異なり、近年にない死傷者が出る」
・嘉手納基地の「滑走路の両脇には日米の機体の残骸が並び、基地の病院に収容された負傷者は数百人に上る。多数の死者に対応するための仮設の墓地も作られる」
・「1日当たりの死者140人は、ベトナム戦争での30人、アフガニスタン戦争での3人に比べて格段に多く、第二次大戦当時の300人に迫る」
・「米軍の死傷者と行方不明者は1万人近くに上り、米海軍は空母2隻、駆逐艦や巡洋艦など20隻を失う。空軍は軍用機168~372機を失う」