安全運転闘争が切り開いた成果を/ロンドン地下鉄・安全崩壊

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側面が激しく摩耗した総武快速線・稲毛駅下りのレール

レール異常磨耗!

2年余りにわたる闘いの成果として膨大なレール交換工事が進められている。だが、シェリングやきしみ割れだけでなく、レールの内側・側面が激しく削り込まれるという異常事態は、まさに数えきれないほど無数の箇所に及んでいる。
この事態についてわれわれは、ボルスタレス台車の根本的欠陥やスラックの廃止、円弧踏面の採用との関係ぬきには理解することのできないものだと指摘してきたが、それはレールの異常磨耗の実態を見ればよりはっきりとする。
総武快速線や緩行線では、カーブだけでなく直線区間で、レールが削れている状態と正常な状態が数メーター置きに続く箇所が数多くある。これは台車が激しく「蛇行動」を起こしている証拠だ。
また異常なのは、例えば、稲毛駅構内では快速下り線・15両停止目標の直前(2両・約40m手前)のレール側面が数メーターにわたり削りとられている。東京駅に入るときのように、低速域で発生する蛇行動(第一の不安定域)のためと思われる「キイーッ」というきしみ音を起こす箇所は多くあるが、ここは、快速列車は停止直前でありほとんど速度は出ておらず、きしみ音もしていない。にも係わらずレールが異常磨耗するのは、1時間に1本しか走っていないNEXがレールを削りとっているとしか考えられない。レールとフランジとの間でまさに異常な横圧が発生していると思われる。
これは、「通過トン数管理」というこれまでのレール管理の基本的な考え方が全く通用しない事態が発生していることも意味する。「安全」の根幹が崩れようとしている危機的事態が起きているのではないか?
レール側面の激しい磨耗は、何らか不測の力がもうひとつ働けば、脱線・転覆という最悪の事態に至りかねないものだ。まさに第二の尼崎事故である。徹底した解明・抜本的な安全対策は緊急の課題だ。

ロンドン地下鉄を走る車両はとにかく狭い。走行中は想像を絶する激しい振動だ
道床は一面粉を噴いた状態でレールもガタガタだ

ロンドン地下鉄・安全崩壊
鉄道労組の乗務拒否でノーザン線閉鎖

毎日66万人の乗客を運ぶロンドン地下鉄・ノーザン線が閉鎖されている。ロンドンの地下鉄でも、最も混雑の激しい線区だという。
非常ブレーキが作動しないという事故が5件連続して発生し、英国・動労ASLEFや英国・国労RMTの運転士が乗務を拒否しているからだ。
ロンドン地下鉄当局は、乗務を拒否した運転士に「職務停止」攻撃を加えているが、各労組は「乗務員と乗客の安全が確保されるまでは乗務を拒否する」と宣言した。
原因は車両メンテナンスの外注化にある。ロンドン地下鉄会社は、チューブ・ライン社という会社に車両のメンテナンスを外注化し、そこがさらにアルストム社に孫請けさせている。自らが行なった外注化にも係わらず、ロンドン地下鉄社は、下請会社や孫請会社を非難しているという。こんな無責任なことはない。
レールもガタガタだ。昨年、ロンドン地下鉄は、5件もの脱線事故を起こし、車体が側壁に激突して多くの重軽傷者をだしている。
ロンドン地下鉄を走る車両は、写真のようにとにかく狭い。走行中は想像を絶する激しい振動だという。写真で見る限りでも道床は一面粉を噴いた状態でレールもガタガタだ。
民営化-競争原理、弱肉強食の論理で突っ走った結果、尼崎事故と全く同じ現実が全世界をおおい、労働者の生命を脅かし、奪い続けている。
「闘いなくして安全なし」は、全世界の労働者の共通のスローガンだ。安全運転闘争がきり開いた地平をさらにおし広げよう。民営化=労組破壊攻撃を許すな!ともに闘おう。

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