3月ダイ改で銚子派出廃止・鴨川派出削減が提案されている。この問題について、1月28日にJR千葉支社(申第5号)、2月3日にCTS(申第6号)との団体交渉を行った。
【1/28 千葉支社 団体交渉】
なぜ仕業検査・入出区関係業務の発注をやめたのか?
会社 仕業検査の有効期限の見直しで、銚子・鴨川で仕業検査を行わなくても運用が回る。それで発注しないこととした。
組合 現に派出があるのに、あえて仕業検査をうたなくする理由は何か。
会社 車両運用をどう効率的にできるかを考えた。銚子、鴨川で行う必要はない。銚子の入換業務は本線乗務員で可能だ。
組合 銚子派出廃止の決定は、JR側が業務を効率化したいということ、CTS側が派出を維持できないということが一致したのか?
会社 銚子派出体制についてはCTSで検討してもらう。JRは発注業務を見直して、業務を委託しなくなった。
本線乗務員に入換作業を組み込めるとした理由は?
組合 本線乗務員に組み込めると判断した根拠はなにか?
会社 ダイヤの見直し、乗務員勤務の見直しの中で、転線の入換作業を行うことが可能と判断した。
組合 乗務員の労働時間をカットしたことで組み込めるということか?
会社 それだけではない。銚子だけで言えば列車本数は変わらないが、減るところもある。行路作成規定の範囲内には入っている。ダイ改提案資料で、乗務員の拘束時間は大きくプラスになっていない。
組合 それは全体の平均の話だ。列車本数が大きく変わっていない以上、当該の行路は長くならざるをえない。一方で労働時間と見ない時間を作って、他方で労働を増やすということは認められない。
会社 行路の持ち替えも行っている。浮いた分でやってもらう。
組合 列車本数に大きな変化はない。銚子運輸区の運転士に入換業務が追加される。もともと構内運転士がやっていたことをやらせる以上、乗務員の仕事が増やされたということだ。
エルダーの雇用の場の確保についての見解は?
組合 そもそも会社は「外注化の目的はエルダーの雇用の場の確保」といっていた。入換作業は残っている。「効率化のために発注しません」というのは筋が違う。
組合 組合は一貫して外注化に反対してきた。強制的に出向にいかされた65歳間近の人が銚子派出にいる。「派出はCTSで検討」という言い方はない。「CTSと協議した」と言っている。JR自ら雇用の場をなくすということだ。
会社 業務体制についてはCTSで考えてもらう。そこで働くエルダー社員はCTSと協議し、本人とも面談して対応する。
組合 どういった職場を提示するのか。
会社 65歳まで満了してもらえる仕事を提示したい。本人の希望を聞き対応する。
組合 本人たちが「今の仕事が良い」と希望すれば、派出を残すべきだ。
会社 慈善事業ではない。会社として考えなければならない。仕業を銚子、鴨川でたたくと運用上効率的ではなくなる。入換作業も本線乗務員で対応できるので発注はしない。
組合 安全のためにも検査派出を残すべきだ。発注しなくてもJRで派出を残して臨検対応をやればいい。そうすれば本体エルダーで現職場に残すこともできる。
会社 ・・・
組合 「雇用の場の確保」といって外注化・強制出向させたエルダー社員がいる。最後まで今の職場で面倒を見るのが筋だ。
会社 本人の希望での異動もある。
組合 今回は会社が切る。その話とは別だ。
異常時対応はどうするのか?
組合 派出があれば臨検対応もできる。入換や仕業検査のためだけにあるわけではない。安全上も置いておく意味がある。その上、エルダーの雇用の問題もある。入換作業、臨時検査業務を残すべきだ。
会社 総合的に判断し、発注を見直す。
組合 「異常時は支社総体で対応」というが、車両が動かなくなった時、乗務員に負担がかかる。車技でないと対応できないこともある。派出がなければ幕張から人を送るしかない。ローカルは対応に時間がかかって構わないということか?
会社 乗務員で対応できない場合、本区、派出で対応する。
組合 本線乗務員として車技がいることは精神的にも大きい。外周区の突端の銚子で、車技がまったくいないというのは大変だ。ローカルの切り捨てではないか。
会社 ローカルを切り捨てる考えはない。
組合 車両を守る検査係が必要ないという判断、発想は非常に危険だ。万が一のことを含め、臨検対応を維持することは必要だ。派出廃止にはどうしても反対だ。
会社 銚子派出の作業内容はほぼ蛍光灯の交換だ。ほかは、指令から車両状態を見てくれということくらいだ。
組合 車両状態の確認も重要な仕事だ。
会社 今後、銚子に行ってもらう要員を確保できるかという問題もある。
組合 人が配置できないから廃止するということか? それは外注化を進めた中で、CTSで人が確保できなくなったということか。そもそも外注化が間違っていたということだ。
会社 (回答なし)
組合 乗務員の車技要請が現場に届いていないことがある。それで「実績」というのは違う。
組合 提案を撤回し、派出を残すように求める。雇用の場については本人希望に基づくこと。
【2/3 CTS団体交渉】
「業務がないから発注しない」で養成ができるのか
組合 鴨川派出は2徹から1徹1日勤になり、今回1徹にする。銚子は2徹から1徹1日勤になり、今回廃止する。結局、外注化が成り立っていないということだ。そもそも「長期的に派出に業務を発注する」ということでなければ、育成も成り立たない。
会社 受託量に応じて要員を考える。今回はJRからの業務量の減少で見直しを行う。
組合 「10年でCTS独自に業務を行える」としていた。派出業務ができるプロパーを育ててきたのか。
会社 プロパー1名が銚子派出の代務に行っている。業務実施できる体制は考えてきた。
組合 銚子の予備に入っているプロパーは1人だけ。鴨川、一宮は誰も行ったことがない。
会社 予備も含めエルダーで対応できる。受託業務量に対する要員を確保するためにはCTS社員の養成も行うが、今すぐではない。
組合 プロパーを行かせる余裕がないのか?
会社 そうではない。要員は確保している。
組合 幕張本区も要員はギリギリだ。2~3月も助勤をとっている。余裕などない。JRは銚子は人が確保できないから廃止ということも言っている。銚子派出が残るとなっていたら、対応できる要員が養成できているのか。
会社 業務があれば対応していくしかない。
組合 JRはCTSとの協議で決めたと言っている。CTSから「銚子に行く人がいない」と言ったのか? 本来なら「銚子派出のための要員を養成してきたから、勝手に切られたら困る」くらい言うところではないのか。
会社 一方的に決定されたわけではない。協議の上、CTSとして見直しを決めた。
外注化の目的は何だったのか?
組合 ここにいるCTSのみなさんは、9年前はJR側にいた人たちだ。当時の外注化の目的が何だったか、ここで言えますか?
会社 エルダーの雇用の場の確保、業務を委託してグループ会社の待遇を改善することだ。
組合 本来、プロパーだけで受注できる体制にするのではなかったのか。
会社 それは今も目指している。
組合 エルダーは今後数年で65歳を迎える。同じだけプロパーが育成できないと回らない。
会社 業務を見直し、効率的な運用をしていく。プロパー社員の採用も増やしていく。
組合 業務見直しの内容は?
会社 多能工化などだ。構内運転士も計画業務もできるということを進めている。
組合 技術継承というが派出はエルダーばかりだ。10年経って銚子に行くプロパーがいないから廃止? この外注化は何だったのか。
会社 あくまで業務量の減少に伴うものだ。養成できないから廃止ではない。
組合 JRは要員確保が難しいと言っている。仕事はある。CTSに受注できる体制がないから廃止すると言っているに等しい。やってるのもJRからの出向者だ。こんな外注化、初めからやめるべきだ。
組合 現場社員はどうでもいいのか。行きたくない出向に強制的に行かせて「仕事がなくなったから今度はあっちに行け」? 「雇用の場の確保」といった以上、「JRに言われたから廃止します」は筋が通らない。
会社 協議の上で決めたことだ。構内入換や仕業検査など定例業務のあるところを受注している。発注がなくなるので見直す。
あくまで派出を残すべきだ
組合 鴨川・一宮派出の要員は1年、2年で育成できる数ではない。なくなる前提では養成できない。今後も残るという考えか?
会社 そうだ。今後、業務があって維持するならエルダー退職前にはプロパーを養成する考えがある。ダイ改ごとに業務量が変わる。それに応じて効率的な業務執行体制を作る。
組合 例えば、鴨川派出も本線乗務員の行路に組み込んでなくすこともできるのでは?
会社 それはそうだ。
組合 廃止を前提に、今さえしのげればいいという考えなのか。CTSが簡単に「廃止」を受けること自体、全く納得いかない。
会社 存続を前提に長期的にやっていく。
組合 プロパーで要員確保するなら引っ越しを含めた異動になる。リアリティがない。断固として派出は残すという立場なのか。発注がなければなくすという立場なのか。
会社 今回の回答としては、派出廃止・削減を見直す考えはないということだ。
臨検対応だけでも残すべき
組合 本来、CTSは独立して業務を行っていないとおかしい。定例業務がなくても臨検対応のみでも派出をおけるはずだ。
会社 受託がなければ作業ダイヤは作れない。
組合 最近、鴨川では踏切事故もあった。今まで臨検対応はどういうものがあったのか。
会社 駅間で止まって派出が出動ということはここ数年ない。蛍光灯交換、トイレ故障がほとんどだ。車両で不具合があって見に行ってもらって、本区に申告ということはある。
組合 修理したことが「1件」ではない。走らせていいかどうかを判断することが臨時検査だ。「状況確認」も臨時検査の重要な一つだ。
会社 対応に行ってもらったことは事実だ。
組合 臨時検査のあり方の問題だ。千葉派出は臨検しかない。臨検対応だけだから派出をおかないことはCTSの怠慢だ。
会社 臨検だけでおく考えはない。
組合 あくまで派出廃止に反対だ。JRとの協議も含めて検査派出体制を維持すること。