千葉検査派出の削減攻撃(4徹→2徹体制へ)は、鉄道輸送の安全を切り捨てる重大な攻撃だ。
車両故障時対応を放棄
千葉支社管内では、JR直営の検査派出はすでに千葉と西船橋しか残っていない。木更津、上総一宮、安房鴨川、銚子の各検査派出はCTSに外注化されてしまっているために、予め決められている作業だけは行うが、車両故障等があってもJRの指示で動くことはできない状態だ。武蔵野線・京葉線対応を除けば、管内全域・房総半島全域を千葉検査派出だけでカバーしているのが現状で、この間も勝浦や岩井まで出動している。2人体制では、車両に異常が起きても、出動することも、添乗検査することも全くできなくなる。それは、列車運行中の車両故障・異常時対応は完全に放棄すると表明したに等しいものだ。
新幹線台車亀裂事故の直後に提案
しかも、今回の提案は、大惨事になりかねなかった昨年12月の新幹線の台車亀裂事故の直後に出されている。
あの事故で最も問題になったのは、異音や焦げたような匂いがし、車内に煙がたちこめたという連絡を受けて、岡山駅から3名の検査係が添乗し、うなるような異音を確認、列車を止めて点検するよう運輸指令に要請したにも係わらず、指令が運行を継続させたことであった。なぜ列車を止める判断ができず、名古屋まで約3時間、740㌔も走らせ続けたのかが、社会的にも重大な問題として批判されたのだ。
安全感覚の崩壊?
しかし、今回の千葉支社提案は、列車を止める判断ができたか、できなかった以前に、車両に異常が発生した連絡を受けた時に検査係が出動できる体制そのものを解体してしまおうということだ。普通ならあの事故を見て、本当にこんなことをしていいのか、少しは考えるはずだ。千葉は新幹線こそ走ってないが、NEX(成田エクスプレス)ルートである。だが、そうしたことが検討された気配は全くない。要員削減やコスト削減に反することは言い出すことすらできない雰囲気が支配し、がどんな事故が起きても他人ごとのようにしか考えなくなる。これが現在のJRの状況だ。鉄道の安全に対する感覚が崩壊してしまっている。これが現在のJRの深刻な現実なのである。
しかも新幹線の台車亀裂事故は、マスコミが報道する以上に実はずっと重大で深刻なものであった。
台車枠の軸箱と車軸を支えている部分に、底面16㌢側面14㌢の亀裂が入り、あと3㌢で破断する寸前であったことはマスコミが報道するとおりだが、もし破断していれば、軸箱が抜け落ち、何百㎏もある車軸が車体の下で激しく暴れて飛び出す。300㎞/h近い速度でそれが起きたら一体どれほどの破壊力をもつのか。脱線どころの話ではない。車体をメチャクチャに破壊する大惨劇となっていたことは間違いない。
根本のところから安全が崩壊
さらに深刻なのは、もっと根本的なところで安全が無視され、崩壊している可能性があることだ。国鉄時代は、在来線ですらあんな華奢な台車は使用していなかった。民営化後「スピードップ」「コスト削減」の掛け声の下に、徹底した軽量化が追求されるようになった。そして軽量化の最大の対象・標的にされたのが台車であった。限界をこえたギリギリの強度計算がされているのではないか?、その結果起きたのが今回の事故だったのではないか? 例えば、国鉄時代、在来線新型車両のベースとなったDT21という100㎞/hで走ることを前提に設計された台車があるが、それですら台車枠は9㎜の鋼板でプレスされていた。今度事故を起こした台車は300㎞/hで走るというのに8㎜だったという。
千葉派出削減計画を中止しろ!
しかも、JR東海・西日本は、一昨年春から新幹線車両の交番検査周期を「30日か3万㌔を超えない期間」から「45日か6万㌔を超えない期間」に延伸したという。2倍近く延ばしたのだ。JR東日本でも昨年春から「6万㌔を超えない期間」に延伸されている。
JRは、民営化・規制緩和の波にのってタガが外れたように安全を無視した暴走を続けてきた。今回の事故について、107人の生命を一瞬にして奪った尼崎事故の遺族たちは、「あの時と全然変わっていない」と怒りをぶつけている。これ以上こんなことを続けてはいけない。
千葉支社は千葉検査派出の要員削減計画を撤回しろ! 木更津、一ノ宮、鴨川、銚子検査派出を直営に戻せ! 車両故障時の対応を切り捨てる安全無視政策を直ちにやめろ!
3月ダイ改合理化粉砕! 18春闘勝利! 組織拡大!3・5動労千葉緊急総決起集会3月5日(月)18時 DC会館 |
---|