幕張構内事故-不当処分許すな!
万全の闘争体制を
1.ATS設置要求について
JRは、今回の事故を受けて、初めて入換信号機にATSを設置することを認めた。逆をかえせば、今回の事故は、構内の安全対策を置き去りにし続けた結果であることを認めたということだ。
支社回答 今回の脱線事故は幕張だけの問題ではないので、ATSについては、脱線現場も含めて、幕張、京葉構内の主要箇所・使用頻度の高い箇所に設置するということで検討している。 |
しかも、交渉のなかで、現場からのATS設置要求が握りつぶされていたことが明らかになった。何ということか。
支社回答 03年12月に開催された幕張電車区安全衛生委員会で、今回事故が発生した現場へのATS設置要求に関する議論が行なわ れたことは、当時の関係者からの確認をとったので間違いない。しかし、議事録には残っていなかった。結果的には要求として上がっていなかったことになる。 |
2.南引き上げ線対策について
千葉支社は<南引き上げ線を「要注意箇所」として認識していたことも認めた。
支社回答 今回事故が発生した81R入換信号機については、要注意箇所として認識していた。 |
支社回答 洗浄機の指導ランプが同じ側で紛らわしいということは理解した。現在、新洗浄機を発注しておりランプの設置箇所、色等について検討している。 |
国鉄時代には「運転事故防止の実務」で、入換作業については9項目の「要注意箇所」が指定され、それについて「関係者は、なに ゆえに要注意箇所なのかを熟知して、設備面で要注意項目を排除してゆくことが大切である………、運転線区別に要注意箇所一覧表を作成して、理由とそれに対 する事故防止の手段を、はっきり把握し、ふだんからこれに対する特段の注意喚起と、取扱いに注意するよう努めなければならない」と指摘されていた。
だが、「設備面での要注意項目の排除」をはじめ、こうした具体的な指導は全くされていなかった。
3.構内の作業体制について
千葉支社は、入換作業ついて「1通告1作業」が基本であることも認めた。だが、幕張の現場ではそうではなかった。現場管理者も承知の 上で、少ない要員で業務を回すために、1度の通告で一連の入換を行なうという作業が行なわれていたのである。「日1」への指示業務の丸投げという無責任体 制についても、その問題点を事実上認めた。
支社回答 「1通告1作業」が基本というのはそのとおりである。入換作業については、信号からの通告毎に作業を行なうことになる。 |
支社回答 日1は、主任職でなくても作業指示は行なえると考えている。臨入や作業変更等が発生し、大きく作業が変更になる場合は、管理者の判断に基づき、別に指示書が出され作業が行なわれることになる。 |
支社回答 助役が構内のハンドルを握っているとしたら好ましくない。そのような場合には作業を遅らせても構わない。 作業内容について、管理者にもきちんと見えるような作業内容に変えていきたい。 |
4.入信の有効長について
車両長の長い車両の投入によって入信の有効長がギリギリになっていることについても、実態調査を行なうという回答を得た。だがこれも現場ではずっと問題になっていた問題だ。しかし何の対策もとられてこなかったのである。
支社回答 257系を入れると作業通路をふさぐことは聞いていた。机上の計算では、10番線の有効長が215mに対して257系の車両長は207mなので、 7~8mの余裕があるはずで、問題ないと考えている。現場では何も指導されていないということが指摘されたことも含めて有効長と車両長、停止目標と入信の 関係について実態調査をする。 |
5.業務融合化、入信の改善
以上のように、千葉支社は幕張構内事故について、会社の安全対策に問題があったことを認めたが、仕業検査と構内運転の融合化や入信の改善については次のように回答した。
支社回答 融合化して10年近くになるが現在の業務で問題ないと考える。 |
支社回答 以前、試行で右下を赤色にしたことがあったことは事実だ。国土交通省令では同一の会社内では違う信号方式を用いることはできないと定められている。このため千葉支社だけ変えることはできない。 |