「鉄道ありきで考えるな」の攻撃に今こそ職場から怒りの声を!
9月1日から京葉線の各駅停車の上下2本ずつ、計4本を快速に戻すダイヤ変更が行われた。
乗客や沿線自治体からの激しい怒りの声の中で、一部とはいえ廃止した快速をわずか半年で戻さざるをえなくなった。
「IT企業化」路線の破たん
京葉線をめぐっては3月ダイ改で「昼間以外の快速・通勤快速を全て廃止」というあまりに強引でごう慢な攻撃を強行しようとした。鉄道会社にとって本来もっとも大切な安全や公共交通としての役割、働く者の生活や権利を完全にないがしろにしたやり方だ。
このJRのふざけたやり方に、沿線住民や自治体から次々に怒りの声があがった。
「生活を根本的に変えなければいけない」「保育園の送迎が間に合わなくなる」「家も買ったが、まさかなくなるとは思わなかった」「7時の通勤快速をなくし、10分後に新設したのが特急。本当に腹立たしい」
一宮町長は「都心へのアクセス時間はこの街に住もうという主要な理由」「生命維持装置を外されるようなもの」とまで語っている。
こうした怒りの声の中で、千葉支社は「プレス発表後にダイ改内容を変える」という前代未聞の事態に追い込まれた。
それに続いて、一部とはいえわずか半年での「快速復活」。異例続きの施策変更は社長・喜㔟らが主導してきた「鉄道ありきで考えるな」「IT企業化」路線の破たんだ。
地域からは切実な怒りの声
だが、この「復活」は地域の切実な声に応えるものではない。
そもそも快速・通勤快速廃止でもっとも深刻な影響をうけるのは、内房線・外房線から京葉線経由で通勤・通学していた人たちだ。「快速4本復活」といっても、内房線・外房線から見れば、「復活」するのは上りは6時台始発の1本、下りは20時台東京発の1本のみだ。
しかも、通勤快速は全廃されたまま、特急は削減されたままだ。例えば、外房線・勝浦~上総一ノ宮間では通勤快速2本(朝上り1本、夕下り1本)が走っていたが快速は上総一ノ宮止まり。
とくに外房線では、勝浦市、いすみ市、御宿町、大多喜町、鴨川市が特急本数維持等を求める要望書が提出されている。こうした声や各自治体の決議をまったく無視する内容だ。
動労千葉に結集し共に闘おう
会社は、「鉄道部門4千人削減」「IT企業化」「これからは価値創造」などといい、現場も地域住民も地方路線も、「利益が上がらないなら切り捨てて当然」と舵をきった。その攻撃は、地域からの怒りの声にさらされる部分から破たんした。
矛盾に満ちているのは、職名廃止・融合化など職場で矢継ぎ早にかけられている攻撃も同じだ。
地域からの怒りの声の中で、会社の攻撃の破たんがあらわになっている。攻撃を打ち破るのは職場からの声と闘う労働組合の力だ。
すべての仲間は動労千葉に結集し、職場から団結して声を上げ、ともに闘おう。
北千住駅みどりの窓口 初の「常設復活」
9月10日、JR東は北千住駅のみどりの窓口を10月1日から常設で復活させると発表した。常設での窓口復活は初めてだ。
会社は21年5月、当時440駅にあったみどりの窓口を25年までに140駅まで減らす方針を発表した。
今年4月時点ですでに半分以下の209駅まで減らしていたが、大混雑が発生して苦情が殺到した。結局、5月に喜勢社長自ら会見で謝罪し、削減方針の凍結を発表せざるを得なくなった。
その後、「繁忙期に15駅で臨時復活」「復活を15駅から50駅に拡大」と、怒りの声を前にズルズルと方針を変えていった。そして、一度廃止したみどりの窓口を常設で復活させるという初めての事態にまで追い込まれた。
鉄道業務もそこで働く仲間も、「これからは価値創造だ」とないがしろにし、要員・コスト削減を優先した会社施策の破たんだ。