国鉄闘争全国運動 6・15全国集会報告②

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1047名解雇撤回闘争

争議団 中村仁

国鉄分割・民営化の攻撃は、労働者の分断を目的としたものでした。私は1987年に、高校を卒業し、多くの仲間と共に夢を抱いて国鉄に入社しました。3年後には念願の電車運転士として、プロとして誇りを持って働き始めました。
しかし、「戦後政治の総決算」を掲げた中曽根政権が登場し、臨調行革路線と、赤字を口実とした国策としての民営化攻撃が、「ヤミ・カラ」キャンペーンや、綱紀粛正の名のもとに私たちの職場に襲いかかってきました。すさまじい合理化と労働組合への攻撃でした。私もそうでしたが、青年労働者を職場から遠ざけ、元職の運転職場を奪い、駅への強制配転し、不安を煽り生活を破壊し、労働者を分断し誇りを奪う攻撃でした。
動労千葉が85年のストを宣言した時、国鉄当局が何と言ったのか。「飛んで火にいる夏の虫」、ストに入ったら全員解雇と恫喝しました。しかし、動労千葉はこれに臆することなく、ストライキを貫徹しました。
私の職場であった千葉運転区では、支部長はじめ5人の支部執行委、そして同期の後藤君が解雇処分とされ、他の執行部は停職になりました。私は2度の6カ月の停職処分にを理由にJR不採用。動労千葉は2波のストで28名解雇、12名の清算事業団送り。血を流しながらも団結を崩さずに、ほとんどの組合員がJRに採用されました。
JR発足後も組合差別が続いていますが、組合員はこれに負けずに闘い続けてくれています。
支配者は労働者の団結を一番恐れています。だからこそ、職場での闘いを強め全国の仲間と連帯し、実力で権利を勝ち取ることが重要だと私は思っています。
1047名解雇撤回闘争への新たな東京高裁署名は現在3274筆です。署名運動は仲間の団結の証であり、私たちの力です。
労働者の未来は資本家への迎合やお願いでは決して切り開くことはできません。闘う労働運動を広げ実力で勝ち取るものです。11月に開催される全国労働者総決起集会へ共に立ち上がりましょう。

JR東日本と新たな闘い

動労千葉渡辺書記長

この間列車がまともに動いている日はありません。新幹線が走行中に2回も分離したり、山手線で架線工事で電力社員が工具を間違えて架線が発熱し断線し、24本の電車のパンタグラフが破損しました。
JR東日本は、「JR東日本グループのさらなる飛躍に向けた新たな組織と働き方」と称して、「新たな企業を一からたちあげる」ような大再編攻撃をしかけてきています。2018年から考えられていたと言われています。国鉄採用の社員が退職し職場にいなくなり、労働組合が解体され声を上げる労働者が減っているなかで攻撃をエスカレートさせています。この攻撃に対して、動労千葉と動労総連合は「鉄道を守れ!我々に鉄道を任せろ」という闘いを行っていきたいと思います。

動労総連合水戸 照沼委員長

5月7日に出された「新たな組織と働き方」提案に、「社員一人ひとりが経営の主役」「施策の立案者・担い手として事業運営」とあります。これは本社などの非現業の社員だけをJR本体に残し、現業職場は全て外注化するというもの。2022年10月1日に12支社あったものを首都圏本部と東北本部と10支社に再編し、それから3年の間に36事業本部に分割するというのです。その前には乗務員や車両技術や保線、電気などの、その道を極めた労働者の職名を、その道を究めたから鉄道の安全を保てていたものを全て廃止し、なんでも屋にしたのです。「利益を産まない社員はいらない」と分断を煽り団結をさせないという攻撃をやってきたのです。
「定期昇給」を廃止して「能力昇給」にする、さらに評価に応じて昇給額を6段階に分けて差をつける。一番上の評価になっても、これまでの昇給額より下がる。会社は「生涯賃金ではアップします」というが、こんな賃金制度で65歳まで働けと言っている。2時間ぐらいの説明会で、「国鉄由来の賃金制度から脱却する」と何回も会社は言うのです。労働組合、労働運動を根絶するという国鉄分割・民営化の狙いが破たんし、今度こそ社友会を使って労働組合を根絶すると、社長の喜勢が自らの口で言っているのです。
今回の提案と同時に、来年4月には新系列機能保全・臨時修繕と、現場業務は全て外注化が提案されました。戻る職場がない片道切符の出向、つまり転籍に行きつくものです。今までの就業規則では転籍は本人同意だったが、「新たな組織と働き方」提案では「転籍一時金」が設けられ、転籍を強制できることになっています。現場では不安の声が多く出ています。動労総連合はここが正念場です。この組織再編攻撃を全力で迎え撃つ闘いを行いたいと思います。

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