千葉支社ー「少子化」による内房線を中心としたローカル切り捨てとワンマン運転の拡大を回答
動労千葉は、10月7日、千葉運転区廃止ー「千葉運輸区」新設に関する団体交渉をJR千葉支社において行い、この中で、「千葉運輸区」新設に伴う問題点や今後の乗務員基地の考え方、列車の運行形態等について徹底的に追及を行ってきた。 団体交渉の概要は以下のとおり。
乗務員基地は、当面、現行7カ所での運営を確認
◎「千葉運輸区」新設を提案した際、「3回程度のダイ改を経て要員・行路を調整する」のと説明を行ったことについて。
会社 11月1日の「千葉運輸区」設置時点では、現在の行路と要員のまま移行することになる。今後のダ イ改において行路の差し替えや要員の異動があったとしても、これまでの差し替え程度を考えている。「千葉運輸区」の要員や行路の規模については、8月に提 案した要員体制で考えていきたい。
※11月1日の「千葉運輸区」設置時時点では、差別的な異動は行わないこと、要員体制は現行のまま推移することを確認した。
◎「千葉運輸区」の設置により千葉支社管内の運転職場は全て運輸区化されることになるが、今後の乗務員基地の将来展望について。
会社 運輸区化の目的は、①管理職の効率化、②運転士・車掌を同一箇所に配置することによる効率的運用、③女性乗務員の配属箇所の拡大を中心に考えている。
「千葉運輸区」についてもこれまでの運輸区と同様に考えている。一方で「千葉運輸区」は、広い線区を持っている状況もあり、これをどうしていくのかが今後 の課題になるが、当面、習志野、千葉、蘇我(京葉含む)、木更津、鴨川、佐倉、銚子の7運輸区の体制で行くことになる。乗務員基地の問題は、今後、10 年~20年のスパンで考えることになる。
「ハンドル率の向上」については、毎年、本社から指示されいる。
※乗務員基地としては、当面、現行7カ所で運営することを確認した。
◎千葉支社管内の今後の輸送体系の考え方について。
会社 今年3月のダイ改では内房線等の特急列車削減を行ってきたが、成田空港線については第3ターミナルの運用やLCCの就航により乗客は大きく伸びている。20年のオリンピックも射程に入れながら成田アクセスは考えていきたい。
一方、少子化の影響も含めて今後どのように変動するのかを見極める必要がある。とくに、内房線については、ラッシュ時でも乗客数に変化が出ており、厳しい状況だ。
組合から鹿島線、房総南線のワンマン運転に関する調査を会社が行っているとの指摘があったが、千葉支社としては久留里線以外でのワンマン運転を検討しており、その考えに基づき線区の調査を行っている。
※「少子化」による乗客数減少に伴い、今後も内房線を含めたローカル切り捨てを行おうとしていることが明らかとなった。
※また、房総南線、鹿島線におけるワンマン運転導入に向けて調査を行っていることが明らかとなった。
本社からは毎年「ハンドル率向上」を指示されている
◎「千葉運輸区」設置に伴う移行について。
会社 10月13日~23日にかけて、千葉車掌区内の見学を枠外で行うこととする。
「千葉運輸区」への異動について、ロッカーの鍵などは事前に渡るように手配する。
引越用段ボールは一人2個を配布する。
引っ越しに伴う荷物の運搬については、10月29日~11月1日の間で業者により行うこととする。
行路の移り変わりについては、次のとおりとする。
10月31日、泊勤務は、出勤・退勤ともに千葉運転区で行う。
ユニット勤務は、甲行路は千葉運転区での出勤・退勤とする。勤務終了後、千葉運転区当直において「千葉運輸区」の宿泊場所を確認し、その後、「千葉運輸区」に異動し、指定された部屋で仮眠。乙行路は、「千葉運輸区」で出勤・退勤となる。
外周区の運転士で千葉運転区に泊が指定されている運転士については、現行のまま千葉運転区に泊することになる。
訓練については、「千葉運輸区」に関する内規を行うことになる。また、徒歩時間が変更になることから、交番表についても早く提示したいと考えている。
今回の団交を通して明らかになったことは、これまでの運輸区化攻撃に対する闘いの中で、「千葉運輸区」設置時点での異動に伴う組織破壊は 封じ込めることができたということだ。しかし、団交でも明らかなとおり、運転士の労働条件については本社から毎年「ハンドル率の向上」が要求されるなど今 後の運転士の労働強化が狙われていること、「少子化」を理由にしたローカル線の切り捨てやワンマン運転の拡大が画策されていること、そして何よりも今後の 大量退職時期を迎える中で組織破壊攻撃が考えられるなど、予断を許さない状況となっている。
運転士へのこれ以上の労働強化を許すなー行路緩和実現、大量退職を契機にした組織破壊粉砕、「少子化」を理由にしたローカル線切り捨ーワンマン運転拡大粉砕に向けストライキで闘おう!