「融合化」提案に職場から反撃を!
「融合化」提案推進ゆるすな
JR千葉支社は「営業系統と運輸系統の業務を融合・連携させる」ことを掲げた組織横断プロジェクトの発足を発表した。鴨川、木更津、銚子の3エリアで両系統の社員と地区指導センターの支援者で構成され、メンバーは所属箇所と支社総務部、地区指導センターの兼務とされている。
6月2日には、高崎支社が「YOU GOプロジェクト」をたちあげている。どちらも、融合化・全職名廃止提案のためのものだ。労働組合との交渉も抜きにプロジェクトをたちあげ、事実上提案を進めようなど絶対に許すことはできない。
もたらされるのは安全崩壊だ
だが、この会社の攻撃は矛盾だらけだ。鉄道を動かす専門業務を軽視し、利益だけを優先して「新たな価値創造」を叫ぶ施策は必ず安全を破壊する。実際、かつて業務融合を進めたJR西日本や北海道は、安全や技術継承上の深刻な問題を引き起こし、再び専門性を重視せざるを得なくなった。
だが、JR東日本が進めようとしているのは、より極端化した融合化施策だ。鉄道で働く者として、こんな攻撃を許すわけには絶対にいかない!
職場に闘う労働組合を
会社の攻撃を阻止する力は、職場からの闘いだ。職場に闘う労働組合を取り戻すことだ。そうすれば、矛盾だらけの会社の攻撃を打ち破ることは必ずできる。すべての仲間に訴える。動労千葉に結集し、ともに「融合化」提案に反対の声をあげよう。
JR西日本・北海道の業務融合は縮小・消滅
業務融合化は1990年以降にJR西日本や北海道でも実施されてきた。
とくにローカル線地域において、西日本では「(地域)鉄道部」、北海道では「運輸営業所」が設立された。その中では、駅、車両、保線、建築、機械、電気等の職名が廃止・統一され、業務を融合化して徹底的に要員を削減された。
例えば西日本では、〈車掌として約4時間乗務した後に入区作業、構内入換業務で出区8本・入区6本の誘導、3時間以上の改札業務を行って終業〉という作業ダイヤが組まれていた。
こういった合理化は、「安全性がそこなわれていない範囲」で行うという建前だった。
だが、2000年代には効率化優先による安全軽視や技術継承解体が問題になった。JR西日本は05年に福知山線脱線事故(尼崎事故)を引き起こし、JR北海道は保線データの偽造など安全上の深刻な問題を引き起こした。
再び専門性を重視せざるを得なくなり、北海道の運輸営業所は消滅して業務融合化は取りやめられた。西日本の鉄道部も統廃合で3分の1まで減少し、「専門職制度」の導入や、一度廃止した駅、技術職、車掌、運転士等それぞれの「主任」職名復活も行われた。