外注化強行に怒りの声を
東労組との妥結をもって、検修・構内業務外注化が強行されようとしている。絶対に許せない。もう一度、原点に帰って考えよう。一体何のための外注化なのか。組合員が下請け会社に放り出されようというのに、何で労働組合が、「3年で帰れる」とか「転籍はない」とか、色々理由をつけてこんなものを認めるのか。
エルダーの雇用の場?
会社も組合も「エルダーの雇用の場確保のためだ」という。だけどそんな理由は全くのウソだし、何か良いことのように勘違いさせるためのトリックだ。本来、「雇用の場の確保」とは雇用の場が増えることを言う。だが、今回の外注化は、業務をそのまま下請け会社に横滑りさせるだけのことだ。「エルダーの雇用の場」というなら、定年退職後、JRが直接雇用継続すればいいだけのことだ。何も特別なことではない。他の企業でもみんなやっていることだ。JRがやろうとすることは「雇用の場の確保」などではなく、とにかく、至上命令として「外注化ありき」なのだ。
しかも、この4年ほどは退職者などほとんどいない。なぜ、今、無理やり強行しなければならないのか? 団交で追及しても、会社は沈黙するばかりだ。さらに、「エルダーの雇用の場」と言うのなら、なぜ、「これからの検修職場への採用は下請け会社で行なう」などという話が出てくるのか。要するに全部ごまかしであり、全部ウソなのだ。こんなものをなぜ労働組合が呑んでしまうのか!
技術指導のため?
会社と組合は、最近になって、「技術指導のための出向」などという理由をつくり出し、一緒になって主張し始めた。だが、一体誰に何を指導するというのか。少なくとも千葉の場合、千葉鉄道サービスの側は、今回外注化される検修・構内業務に携わるプロパーの社員など一人もいない。幽霊に技術指導をしろとでも言うのか。要するに、業務と一緒に労働力として現場で働くわれわれを外注化し、強制出向させるだけのことではないか。
しかも、業務外注化は、下請け会社が技術力や経験を持っていることが前提だから、「技術指導を行なうことはできない」と厚生労働省が発行したパンフレットにも明記されている。つまり、それ自身が偽装請負だ。
コスト削減?
さらに、会社は「コスト削減のためだ」という。だが、団交では、外注化すればなぜコスト削減になるのか。会社はひと言も答えなかった。「これだけ多くの労働者を強制出向にだされるというのに、なんでその理由について説明すらしないのか」と言っても答えない。そして、答えられなかったことの中にこそ、外注化の本質があるのだ。
今回の外注化について考えてほしい。現場は90がそっくり強制出向させられる。しかしそれだけでなく、管理者十数名が下請け会社に行く事になる。この部分は要員増となり、コストアップになる。それでもコストダウンになると言うのは、その次、さらにその次の事を考えでいるからだ。それは、徹底的に人件費を切ること以外にない。第一に、外注化先で徹底した要員削減が行なうということであり、第二に、外注先で採用されるプロパーの労働者が超低賃金化されるということであり、第三に業務が最終的に全部下請け会社に委託されてしまった時には、JRの労働者も、それ以外に選択の余地がない形で転籍させられるということだ。
外注化を許してはならない。ともに闘おう。
コメント