全支部活動者研修会報告-②
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2日目は、長田書記長による「大激動の渦中に突入したJR情勢と06春闘方針」と題した講演が行われた |
全支部活動者研修会の2日目は、長田書記長による「大激動の渦中に突入したJR情勢と06春闘方針」と題した講演が行われた。以下にその要旨を掲載します。
国鉄闘争をめぐる大流動化
はじめに06春闘をとりまく今日の情勢について、イラクへの自衛隊の派兵など戦争の問題が現実化し、憲法改悪攻撃がうち出されているなかで、厳しい情勢を迎えているが、われわれはつぶされずに逆に1047名闘争が19年目にして本来の姿が出来つつある。こうしたなかで、06春闘に立ち向かっていこう。
はじめに大流動化を開始したJR―国鉄闘争について提起する。
第1は、革マル結託体制の崩壊のはじまりがある。「業務上横領罪」による家宅捜索さらにその後の松崎自身への身体捜索にみられることは、権力が革マル松崎の使い捨てを決断したこと。またJR総連―東労組内部の恐るべき腐敗の進行という現実。長野・新潟をめぐる収拾のつかいない内部抗争の激化。さらに06年「浦和事件」の判決が出されることも含め、JR東日本も決断がせまられる情勢が近づいている。この結託体制の崩壊は、分割民営化の枠組み、労使関係の土台が崩れることであり、JR情勢は一挙に大激動の渦中に入る。これはわれわれに組織拡大闘争の構えを本格的に強化することが求められている。
第2に、1047名闘争も新たな情勢を迎えている。2月16日の集会は、国労闘争団全国連絡会議も含め、1047名被解雇者全員の呼びかけで集会の開催が決定されるという19年の闘いの中で初めてのことがかちとられている。しかも国労本部もこの集会に動員をかけるなど、これまで考えられなかったことが起きている。しかし鉄道運輸機構側は「最高裁まで争う」という姿勢であり、この画期的な陣形の形成を期におもいきった大衆行動を組織化することが重要になっている。またこの間の「中曽根発言」弾劾運動を組織化していかなければならない。
第3に、06年3月ダイ改を期して開始されようとしている攻撃は、「第二の分割・民営化攻撃」の新たな段階であること。幕張車両センターの業務移管と錦糸町派出廃止は検修業務の全面的業務外注化であり車両基地の大再編攻撃のエスカレートであり、幕張支部破壊攻撃であること、まったくメチャクチャな話だ。京葉運輸区廃止―蘇我運輸区設置は運転基地大再編攻撃の本格的はじまりであり、ストをやっても列車が止まらない体制を狙っている。車掌業務(グリーン車担当)の本格的な外注化攻撃、車掌は保安要員じゃないですか、西日本は延期している。新型券売機導入の駅業務合理化。まさに全面的な業務の外注化攻撃が開始されようとしている。貨物会社では、運転士を中心に大幅な欠員状態が深刻化している。こうした攻撃の背景には、団塊世代の大量退職―要員問題の矛盾の噴出があげられる。またこれは「安全の崩壊」を加速させる。羽越線は天災ではない、人災であり合理化の結果だ。
そして第4に、運転保安の危機が噴出している。レール破断は至るところで起きていた。原因は、保守体制とスピードアップと軽量化車両・ボルスタレス台車にあることは明か。また架線・車両故障等の多発も異常事態だ。改めて、尼崎・羽越線事故の本質と真正面から対決をしよう。この事故の原因は、規制緩和と大合理化とスピードアップだ。
第5に、不当労働行為根絶にむけた第二段階の闘いとして、運転士登用差別事件の打開に焦点をすえて06春闘を出発点に新たな闘いを開始しよう。何で12年も塩漬けなのか、組合に理はある。中労委にこの件で電話したがまともに答えられなかった。1月の弁護団総会では中労委を相手取って訴訟を起こすことを確認した。また1月19日には動労水戸の予科生運転士登用差別事件の勝利命令が出された。何で水戸と千葉の関係を知りながら水戸に出したのか。世の中は動き始めている。こうした状況を期に不当労働行為根絶にむけた第二段階の闘いを全面的に強化する。
06春闘方針について
こうした現在の情勢について確認したうえで、06春闘方針について明らかにする。06春闘の位置づけとして、労働組合を認めない産報化ともいえる状況のなかで、春闘をとおして何を主体的に闘うかが今問われている。賃上げ自身簡単でないが、JR体制の崩壊のなかで、反合・運転保安闘争、安全運転闘争と組織拡大を2つの柱にして闘う。敵の弱点に安全問題はある。安全がどうでもいいものとは、会社も言えない。東日本5万人のなかで、わずか400名の闘いが切り開いたものは大きい。反合・運転保安とは動労千葉の歴史そのもの。ここに闘う労働運動復権にむけた闘いがある。昨年の闘いはギリギリの中での闘いだった。昨年春闘で安全運転行動を闘い、その後尼崎事故があった。起ちあがらなかったら、動労千葉の看板を下ろさなければならなかった。処分が出されようが引くに引けないものとして闘った。この闘いをもう一度できるか、あらためて問われている。徹底したオルグを行おう。動労千葉は、日本の労働運動のなかで重要な位置に置かれている。06春闘も重要な位置をもっている。安全運転闘争は全支部で取り組もう。乗務員への責任転嫁を断じて許さず、逆にこれを平成採に訴えきろう。
続いて06春闘スローガンを以下の通り明らかにする。①06春闘勝利!改憲と民営化・労組破壊の大攻撃に抗し、退路を断って闘おう!②闘いなくして安全なし!二度と尼崎・羽越線事故を許すな!③全組合員の力で反合・運転保安闘争を復権させ、JR体制を打倒しよう!④一人ひとりが活動家となって、動労千葉の未来をかけて組織拡大を実現しよう!
さらに06春闘の闘いの配置として、06春闘の山場をダイ改時(3月18日)とすること、さらに貨物会社の動向をにらんだ3月下旬の闘い、検修区での3月上旬の闘い、また3月冒頭から安全運転闘争を実施することで考えていく。そして万全の闘争体制を確立するために「2―3月総決起総行動」の闘争体制を確立していくこととする。2月上・中旬に全支部オルグ、また乗務員分科会の総決起体制を確立していく。またこの過程で組織拡大の取り組みを前進をかちとる。こうした闘いと結合した春闘総行動として、①1047名闘争、②不当労働行為根絶に向けた第二ラウンドの闘い、③職場規律攻撃との対決、④改憲阻止に向けた諸闘争を闘い抜く、ことを明らかにした。
長田書記長の06春闘方針提起ののち、前日の田中委員長の講演も併せて、質疑討論が行われ、活発な意見が各支部からだされた。最後に田中委員長の団結ガンバーで全支部活動者研修会は終了した。なお二つの講演は、近日発行の機関誌動労千葉№26に収録されます。06春闘にむけて活用してください。