会社の失政=駅要員パンクの尻ぬぐい 「ライフサイクル」を葬り去ろう

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「ライフサイクル」を葬り去ろう

何の解決にもならない

JR東日本は、現場から怒りの声が噴出し、一旦は頓挫とた「ライフサイクル」をこの4月から実施しようとしている。賃金上の新たな提 案は、4年以上駅に行った場合、運転士に復帰した時に1号俸加算するというものだ。それと駅関係の諸手当を若干加算しているがそれもせいぜい月5千円程 度。こんなことで駅にタライ回しされるなど冗談じゃない!
しかしこれはカネの問題ではない。そもそも駅の要員がパンクしようとしている現実は会社自身が招いたものだ。20年以上駅の専門職を養成してこなかった当然の結果に他ならない。その尻拭いを運転士にさせようというのがライフサイク提案の本質だ。
しかもそれでは何の解決にならないこともはっきりしている。こんなものを認めたら、もっと酷いことが現場にのしかかってくることになる。

矛盾はもっと爆発する

駅ではすでに全面的な外注化=契約社員の導入が始まっている。これをどんどん進め、最終的には管理者と運転取扱い責任者を除き、全て 非正規職の契約社員にするのが会社の計画である。要するに人件費を徹底的に削りたいということだ。職場全体を全く無権利の低賃金労働者にしてしまうという ことだ。契約期間は1年更新で最長5年。どんどん使い捨てられていく。グリーンアテンダントの現実を見れば、1~2年でどんどん辞めてしまうことは明らか だ。
駅は列車の運行や安全確保の要をなしている。それが素人同然の駅員しか居なくなるということだ。次々に矛盾が噴き出し、その矛盾がさらに次々に現場にしわ寄せされることになる。

「運輸のプロ」などペテン

「運輸のプロをつくる」などというが、そんなものはペテンもいいところだ。駅の専門職、検修の専門職、保線の専門職、信通の専門職、 電力の専門職等、会社は、鉄道輸送に必要な技術力・技術者をほとんど養成しようとしていない。全部外注化だ。「運輸のプロ」などとよくも言えたものだ。
東労組は「理解できる部分もある」などと言って、結局、現場の怒りの声をガス抜きし、どう妥結するのかだけを考えている。業務の全面的な外注化をはじ め、あらゆる合理化攻撃を認めることによって会社と癒着し続けてきた以上、反対を貫き通すことなど絶対できないことだ。現場から怒りの声をあげよう。東労 組の裏切りを許してはならない。

職場の団結破壊の道具

そればかりでなく、会社はライフサイクル提案を職場の団結破壊の道具として使おうとしている。提案では、駅への配転について「40歳 以下」「運転経験10年以上」というだけで何の基準もない。運転士は、いつ駅への配転命令が出されるのか、生活設計も立たず、1年365日不安を抱えなが ら乗務せざるを得なくなる。それから逃れるためには抜け駆け的に指導員や指令員になるしかない。すでにそうなっているが、職場は足の引っ張り合いや、蹴落 とし合い、疑心暗鬼が横行することになる。しかもその時々の会社の労務政策次第で誰を駅に飛ばそうが会社の好き勝手ということになる。こんな提案は絶対に 認めてはならない。

全運転士の問題だ!

ライフサイクル問題は平成採用者だけの問題ではない。全ての運転士の問題であり、全JR労働者の問題だ。
なぜならば、賃金上の取扱いに関して当初から言われていたのは、乗務員の特殊勤務手当(キロ額や時間額)を廃止するということだった。つまり、駅に配転 しても賃金が下がるという現実を無くすために、運転士の手当を廃止するということだったのである。実際、乗務員以外の特殊勤務手当は、この数年間の内にほ とんど廃止され、東労組は何ひとつ職場討議すらせずにそれを認めてきた。
今回、「賃金上の取り扱い」として何の足しにもならないような提案しかしない背景は、近いうちに乗務員関係の
諸手当を廃止しようと考えていると見て間違いない。

諦めずに闘おう!

ライフサイクル提案は矛盾だらけだ。否、JR民営化体制そのものがすでに矛盾の固まりのようになっている。会社は東労組・革マルをボ ロ雑巾のように使い捨てようとしている。だけど、使い捨てる前にライフサイクル提案を呑ませてしまおうとしているのだ。東労組は東労組で、何とか会社にす がりつくために職場を裏切ろうとしている。こんな腐り切った関係の中で現場の労働者が犠牲にされるなど冗談じゃない。
ライフサイクルは矛盾だらけだ。現場から怒りの声が沸き立てば必ず粉砕することができる。諦めずに闘おう。
ライフサイクル提案白紙撤回に向けて、動労千葉に結集し、ともに闘おう!
08春闘に立ち上がろう!

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