休日増に対応した要員措置をこれを成果だというのか 日貨労の裏切り

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諸要求の改善?

 今春闘でJR貨物は、二年連続のベアゼロ回答を強行した。
職場には未だ怒りの声がうず巻いている。一方貨物会社は職場の不満が臨界点に達していることを背景として、「諸要求の改善」と称する提案をおこなった。 諸要求の改善と言っても、実質的に内容があるのは、年間休日数を三間増やすということだけである。後は新幹線通勤手当の見直し、民間施設等の割引使用の拡大、臨時社員に関する微々たる改善等である。
 だが、「年間休日数の三日増」自身も、要員措置等は全く行わないまま実施するというものであり、実質は年休の抑制を意味するだけのものになりかねない提案である。

日貨労の対応

 日貨労は、これを「全組合員の熱い力でこじあけた諸要求の実現」だとか、「熱き35日間の闘い」「黒字必達、成果の還元を確認」などと称して、あたかも大きな成果であるかのように宣伝している。とんでもないペテンだ。会社の手先となって、溢れでようとしている怒りの声をそらそうとしているのだ。
 だが、職場の現実がそのようなものではないことは、貨物に働く労働者であれば、誰ひとり知らない者はない。
 新フレイト21は、合理化・要員削減だけは超過達成したにも係わらず、経営は赤字のままで、一年を残して「破たんしました」と言わざるを得ない現状だ。
 新フレイトによる大合理化攻撃も、ベアゼロ攻撃もその手先になってきたのは全て日貨労である。われわれは改めて、国鉄分割・民営化政策そのものを弾劾するとともに、日貨労解体に向けた闘いを全力で器用かしなければならない。

年間休日数増はまやかしだ

 年間休日数の増提案は、現在105日の年間休日を、この四月以降108日にするというものだ。だが、三日間増やしたとしても、そもそも108日という年間休日数そのものがJR各社中最低レベルの休日数に過ぎない。
 問題はそればかりではなく、休日数を増やしながら、要員措置は一切しないとしていることだ。要員数(基準人員)は最低、年間休日数と年休20日間、つまり128日の休日がとれることを前提にして出面を確保しなければならないものだ。本来ならば、それに加えて、病欠などの発生率、研修等で非稼働となる発生率なども見込まなければならない。ところが、貨物会社の要員配置は、今でも年休が20日とれない数となっている。
今回、三日間休日を増やしながら要員措置をしなければ、今以上に年休がとれなくなるというだけのことに過ぎない。
 貨物会社は、「公休の他に四週三休の休日を指定し、残る17日については、業務の繁閑・土休ダイヤなどで吸収する」としているが、隔日交替の勤務が指定されている箇所など、業務の繁閑に関係なく、毎日の出面は必ず確保しなければならない職場もあるのだ。一徹三名の要員配置では、確実に年休は抑制されることになる。

基準の無意味化

 それだけではない。分割・民営化によって「定数」が「基準数」とされて、出面に対する要員配置数の考え方があいまい化されてきたが、今回のようなことを繰り返していったら、「基準数」も実質的に「基準」としての意味をもたなくなってしまいかねない。基準数そのものが、極めて恣意的にどう決めてもいいようなものになってしまうということだ。
 怒りの声を抑えるためだけの欺瞞的なやり方は認められない。われわれは、年間休日数を一二二日とすること、そして、年休が完全に取得できる要員配置を強く求めている。

第二の分・民攻撃と対決を

 JR貨物は、こうした対応をおこないながら、経営破たんにつき動かれて、乗務員勤務制度のさらなる抜本的な改悪案を策定しようとしている。現在2400人の運転士を400人削り込むというのだ。しかもその内容は、乗務員基地の統廃合に直結するものになることも考えられる。
 さらにはH15年度に完全民営化を実現することを目標とした新経営構想(ポスト新フレイト)を策定する考えも明らかにしている。もちろん貨物会社の株式が一般公開できるはずもなく、通運会社に持たせるとか、本州JR三社に持たせるということであり、まさに再度経営形態を変更することを前提とするものだ。こうしたかたちで、第二の分割・民営化攻撃が本格的に開始されようとしている。
 この攻撃は間違いなく、これまで以上の大合理化と組織破壊攻撃として進められる。
 われわれは改めて団結を固め、組織の総力をあげてこうした攻撃にたち向かわなければならない。また、今こそ日貨労を解体して貨物職場に闘う労働組合をよみがえらせなければならない。

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