今度は線路陥没

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今度は線路陥没
22日、総武本線・成東~松尾間
しかも、あってはならないデタラメがまかり通る

用水路が線路下で潰れたために、道床が陥没。だがJR東当局は、その上を所定の速度で列車を通過させた

 また深刻な事故が発生した。3月22日、総武本線・成東駅~松尾駅間(77㎞234付近)で、線路内が陥没した。発見したのは巡回中の保線社員であった。
 写真は埋め戻し作業を行い、仮復旧した後のものだが、土盛りの中を通っている用水路が線路下で潰れたために、道床が陥没した。
 レール破断が頻発する事態にも係わらず、この3年余りJRは「安全性に問題はない」と言い張り続けてきたが、ひとつ間違えば重大事故につながりかねない事態が後を断たない状態だ。

●こんなことがまかり通る

 「陥没」ということそのものが深刻な事態だが、このときもそればかりでなく、様々な問題が起きている。
 第1に、陥没が発生した後も、その上を所定の速度で348M列車を通過させてしまっているのだ。無線機の故障により、指令から運転士への連絡がつかなかったのである。指令は車掌に連絡をとったが「非常ブレーキを引け」とも指示をしていない。線路内が陥没しているというのに、何の危機感ももたず、列車を突っ走らせてしまうこの現実。これこそが重大事故を引き起こすものだ。しかも、問題はさらに起きた。この時点で車掌から運転士側の無線が使えないという連絡は指令に入っていたが、今度は栗山踏切で遮断棹折損事故が発生。これも徐行の通告をしないまま、所定の速度で通過させてしまったのである。さらに千葉駅到着後も、検査手配すらせず、そのまま折り返し下 り列車として運用したのだ。
 第2に列車を抑止し、埋め戻して仮復旧し、運転再開後の2列車は最徐行15㎞/hを指示したが、次の列車以降は所定の速度で通過させたことである。埋め戻したとはいえ仮復旧でしかない。現場は、器材が届いていないため「突き固め」も行なわれていないなかった。こんな状態の上を所定速度で運転を指示するなど、安全に対する考え方が余りにも安易過ぎる。
 第3に、今回の事故が示したのは、線路巡回の重要性である。われわれは、今回の安全運転闘争やストライキをめぐる交渉のなかで、「これだけレール破断が多発するという現実があるのだから、少なくとも当分の間は線路巡回を増やすべきだ」と強く求めたが、千葉支社は「レール探傷車を走らせ、傷の見つかったところは手探傷も行なっているからそんな必要性は全くない」と言い張り続けた。だが、今回の陥没事故は、線路巡回周期を3倍余りも延伸してしまったことの問題性を鮮明に示している。

●運転指令のこの現実

 こればかりではない。今回の闘争渦中でも様々な問題が発生している。強風が吹いた18日、北浦橋梁上を走行中に、指令から何処を走行中か問い合せる無線連絡が入った。運転士が北浦橋梁上だというと、指令は「えっ」と言ったきり黙ってしまった。実はこれは、強風による運転規制の通告だったのである。規程上、強風の場合の運転士の取扱いは「急にブレーキを緊締しない」と定められている。急な速度変化は逆に危険だからだ。
 本来ならば、指令はそれを踏まえた上で、徐々にブレーキを使いながら危険な北浦橋梁上を通過させる等の指示を直ちにしなければならないはずである。だが、「えっ」と言ったきり黙ってしまうのが今の指令の現実だ。
 かと思えば、やはり強風規制に関することだが、総武緩行線で、強風による速度規制45㎞/hという指示が行なわれている。言うまでもなく強風による速度規制は25㎞/hである。明らかな規程違反が平然と行なわれている。指令が規程をまもとに知らないということだ。
 このままでは間違いなく再び重大事故が起きる。闘いは終わったわけではない。運転保安確立を求めさらに闘い続けよう。

大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!
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