動労総連合は8月8日、「乗務員勤務制度の見直し」及び「賃金制度改正」提案の撤回を求めるとともに、現行乗務員勤務制度の抜本的改善を求める申し入れを以下のとおり行った。東労組は8月中にも裏切り妥結を行おうとしている。これを許せば労働強化と人員削減、特勤手当廃止の突破口となる。全力で乗務員勤務制度改悪阻止に立ち上がろう!
動労総連合申第12号
2018年8月8日
東日本旅客鉄道株式会社
代表取締役社長 深澤 祐二 殿
国鉄動力車労働組合総連合
中央執行委員長 田中 康宏
「乗務員勤務制度の見直し」等に関する申し入れ(その2)
下記のとおり申し入れるので、団体交渉により誠意をもって回答すること。
記
1.乗務員勤務制度見直し及び賃金制の改正提案を直ちに撤回すること。
2.乗務員勤務制度について、次のとおりとすること。
(1)拘束時間については、日勤行路は9時間以内、泊行路は19時間以内とすること。
(2)乗務キロについては、日勤行路は200km(出区がある場合は180km)以内、泊行路は300km(出区がある場合は280km)以内とすること。
(3)睡眠時間については、労働時間Aを除き6時間以上を確保すること。
(4)食事時間については、朝・昼・夜ともに40分以上確保すること。
(5)行き先地の時間については、乗務員が休息できる時間を確保すること。
(6)折返し時間については、10分以上を確保すること。できない場合は、段下げ交代とし5分以上を確保すること。
(7)長時間にわたり持ち切りとなる行路設定は行わないこと。
(8)泊行路の出勤時刻は13時以降とし、退勤時刻は12時以前とすること。
また、乙行路については拘束時間を6時間以内とすること。
(9)1勤務を終了して次勤務に就くまでの時間は、前行路の労働時間Aを確保することを最低基準とすること。
(10)休日行路については、平日の出勤・退勤時間の範囲内を基準とすること。
(11)運転線区・業務の習熟という観点から、交番順序については4週を限度として作成すること。
3.標準数については、各区の行路数により算出すること。また、年休・休日が完全に取得でき、さらに研修及び協議会、静養休暇、異常時等に対応できる要員体制とすること。
4.昼間帯に育児介護及び高齢者対策として短時間行路を設定すること。
短時間行路を設定する場合は、現行行路数に加えることで対応すること。
5.居住地に近い地域に雇用の場を確保すること。
6.乗務員の体調管理について、次のとおり会社の責任で行うこと。
(1)当直や指令に一定の医学的判断ができるよう教育を行うこと。判断ができない場合は直ちに検診センターに問い合せる等のシステムを確立すること。
(2)乗務員にも教育・指導を行い、体調不良の場合は必ず申告できる状況をつくること。
(3)乗務員からの申告があった場合、勤務を外す、指導員をつける、救急車を呼ぶ等の対応を会社の責任で判断すること。
7.乗務員詰所の監視カメラを直ちに撤去すること。
また、運転台への監視カメラ設置計画を撤回すること。
8.地方の切り捨て、過疎化につながるワンマン運転の拡大は行わないこと。
9.運転士に対する撮影や動画投稿が行われるなど、運転士が不安と緊張の中で乗務している実態があることから、次のとおり対策を講ずること。
(1)背後から運転士を撮影することを禁止する旨を表示すること。
(2)社会的状況が変化していることにふまえ、運行の安全を確保するために、運転席は客席から完全に遮蔽された構造にすること、またそれまでの間、カーテンは下げた状態を所定とすること。
(3)インターネット上の不適切な映像等については会社の責任で直ちに削除する手配をとること。
-以上-