この間、会社による乗務員への締め付けが激しく強化されている。これに対して、われわれ動労千葉は6月29日に運転保安に関する緊急申入れを行った。
命預かる乗務員を監視するな!
この間、一部乗客によって乗務員を背後から監視・撮影してインターネット上に流すといった事態が横行している。
マスコミでも「運転士の居眠り」などが相次いで報道されている。 乗務員は精神的に追い詰められ、限界ギリギリの状態だ。このままでは「第二の尼崎事 故」がおきてしまう。 しかし、会社は「旅客サービスのため」という理由で、「写真も動画も撮影自由」「乗務中に肖像権はない」とまでいっている。乗客に よる撮影を止めるどころか積極的にやらせているということだ。 さらに、千葉支社自ら乗務員を背面監視し、カーテンを開けているかの抜き打ちチェックまで 行っている。 乗務員は何千人の命を預かって乗務している。最大の使命は列車を安全に運行させることだ。会社はその乗務員を監視し、追い詰め、安全を破壊 しているのだ。
信号見落としで運転士不適格?!
千葉では中継信号を見落としただけで「運転士不適格」とされ当該運転士が駅に配転された。山手線では「スマホ使用」を理由に懲戒解雇された運転士もいる。
本当に許せない! 信号見落としは最も起きやすいミスの一つだ。それで「運転士不適格」など絶対にありえない。「スマホで解雇」も乗務員を震え上がらせることを目的にした不当解雇そのものだ。
会社の狙いは、外注化による安全崩壊の責任を乗務員個人に転嫁することだ。さらに、国鉄採用者が退職した後の職場支配のために、今から徹底した労働者締め付けと労組破壊を進めているのだ。
乗務員への締め付けと責任転嫁、不当な解雇・配転を許すな! 反合・運転保安闘争を今こそ強化し、全力で闘おう。
動労千葉申第42号
2016年6月29日
東日本旅客鉄道株式会社
千葉支社長 藤 森 伸 一 殿
国鉄千葉動力車労働組合
執行委員長 田 中 康 宏
運転保安に関する緊急申し入れ
下記のとおり緊急に申し入れるので、団体交渉により誠意をもって回答すること。
記
1.この間、乗務中の運転士や車掌を乗客が背後から監視し、撮影してインターネット等で流してバッシングしたり、女性乗務員の写真を集めて興味本位でイン ターネット上に公表する行為が横行しており、現場の労働者は精神的に追い詰められ、切羽詰まった状態に置かれている。このままでは重大な事故が起きかねな い状況である。
こうした事態について会社はどのように考え、どのように対処しようとしているのか、見解を明らかにすること。
2.会社は、こうした行為から運転士等を守る立場に立つのではなく、逆に、「運転士に肖像権はない」と発言したり、背面監視や職場への締め付けを強化する等、現場の労働者をさらに追い詰めてるが、このような労務政策を直ちに中止すること。
3.こうした状況から運転士等を守り、乗務と安全確保に集中できる条件をつくるために、遮光幕を下げて乗務することを認め、そのことを乗客に周知すること。
4.「運転士の居眠り」が何度となくマスコミ等に取り上げられていることに踏まえ、とくに泊行路の睡眠時間拡大、この間の長大化している全行路の緩和を行うこと。
5.八日市場で運転士が特殊発光信号機の中継信号を見落とした事故について、当該運転士が駅に配転されたが、なぜ「運転士不適格」としたのか、具体的理由を明らかにすること。
また、事故責任の運転士個人への転嫁を中止すること。