乗務員勤務制度改悪絶対反対!全力で闘いぬこう!
10月4日、動労総連合申14号の組合要求(日刊動労千葉8505号掲載)に基づき乗務員勤務制度改悪提案に関する団体交渉を行った。交渉では提案理由や今後の展望について、会社の考えを明らかにさせた。
「現時点では外注化とリンクしない」
組合:会社は水平分業推進を掲げている。今回の施策とリンクするのか。
会社:委託化につながるものではない。
組合:今までで乗務員以外が乗務することはなかった。提案の目的は何か。
会社:乗務することで現場の特性がわかる。支社等の短時間行路を作ることで、育児・介護勤務者の選択肢を増やす目的もある。
組合:私鉄では鉄道部門の別会社化が発表された。JRではどうか。
会社:今のところ、その計画はない。
組合:人口減少に対応というが、少ない社員で様々な業務をやるということか。
会社:生産性を上げるという意味だ。育児・介護勤務者も免許を取ってもらったので働く機会を増やしてもらいたい。
組合:現時点では別会社化・業務委託とリンクしないということでいいか。
会社:そうだ。
片手間乗務でも「リスクはない」!?
組合:「片手間乗務」になれば負担が増えるのは当然だ。事故のリスクは大きくなる。
会社:基本的に、まず朝の乗務に集中して乗ってもらう。それから支社に行ってもらう。週3回の乗務機会ならリスクはない。
組合:負担が増えるという認識はあるのか。
会社:今乗務している人に兼務発令することでは、負担にならない。
組合:ダイ改の行路作成時期などは切羽詰まってくる。リスクはないのか。
会社:支社は一人で仕事をしているわけではない。外せない業務があれば別の人に乗務してもらうこともある。
組合:指導員は数を増やさないというが業務量が増えるだけだ。
会社:仕事のやり方も見直す必要がある。
組合:現場ではできるならすでにやっているという声が上がっている。
健康に乗務できることが前提だ!
組合:技術革新は本来労働を緩和するためではないのか。
会社:営業で言えば、マルス導入で生産性があがった。乗務員だけ上がらないという話にはならない。業務内容は緩和されている。車両性能の向上など技術革新の恩恵は乗務員にも十分いっている。
組合:スピードアップで同じ時間でも長距離乗務になる。乗務員の負担は増えている。業務の緩和・軽減が必要という認識は一致するのか。
会社:業務の質をよくして生産性を上げるという考えだ。実労働時間を減らすことにはならない。
組合:健康に安全に乗務できることが前提だ。定年まで体を壊さずに乗務できる人が何人いるのか。
会社:企業だから生産性を求め、収益を上げなければならない。
こんな〝将来像〟は認められない!
組合:運転関係の別会社化を推進するのか。
会社:本線乗務員の別会社化や委託の考えはない。構内入換や入出区についてはグループ会社と一体となって進める。
組合:輸送サービススタッフはどういうイメージなのか。
会社:系統の壁を取り払った社員というイメージだ。行き先地で輸送サービススタッフが駅業務を行っても問題ない。車掌、運転士、車両という職名がなくなるかもしれない。
組合:この時点で示す意味は何か。
会社:会社として目指す方向性を発信した。未来永劫、会社がなくならない、自分の仕事が続くと思っていてもダメだ。
組合:不安をあおっている。
会社:不安が問題意識という意味ならば、いいことだ。
組合:今の仕事へのモチベーションにはならない。運転士も車掌もなくなるという提案は認められない。
会社:あくまで考えてもらう材料だ。自動運転も今の法令ではできない。
組合:鉄道も自動運転にするということか。
会社:技術革新が進めば鉄道でもできる。乗務員の仕事も緩和される。
組合:仕事自体がなくなるということではないか。不安をあおる将来像の提示だ。鉄道会社としての将来像は今後も解明を求める。
組合:今年度に入ってから会社の対応が変わった。今提案も秋葉原駅の全面外注化提案も一方的だ。常磐線特急車掌1人乗務についてもほとんど議論もない。
会社:真摯に議論していく姿勢は変わっていない。スピード感もだが、わかりやすい説明を心掛けている。
健康と安全より効率化優先するな!
組合:現在でも明けで12時を過ぎる行路があり非常に負担になっている。出退勤時間の制限を設ける考えはあるか。
会社:効率が悪化する制限を作ることは考えられない。現行制度の制限で十分だ。
組合:効率が落ちても、負担増を防止する具体的な制限を設けるべきだ。
会社:効率が悪化するならできない。
組合:乗務員は人間だ。健康で安心・安全に運転できることが前提だ。現行制度を守れば安全ということではない。
会社:生産性向上は追求していく。
組合:乗務員の安全、健康の確保とどちらが重要なのか。
会社:両方だ。
組合:効率化すれば負担がかかる。両方が向上することはあり得ない。出退勤時間の制限がなぜ設けられないのか。
会社:そういう制限があれば労働時間Aを7時間10分に近づける行路が作れなくなる。
乗務時間・キロを軽減しろ!
組合:乗務時間・キロの拡大は負担が増して危険がある。会社の見解はどうか。
会社:運転保安上の問題が発生するとは考えていない。7時間10分を越えなければ負担は大きくならない。
組合:実乗務が増えれば、当然負担も大きくなる。もう限界を超えている。倒れている乗務員も出ている。乗務員はエルダー運転士を選べるのかという問題になる。現場はこれ以上乗れないと思っているのに、本社は胸を張って「きつくしますよ」などという制度改正があるのか。
会社:全行路が増えるわけではない。育児・介護にはいいという声はある。
組合:現場では「早朝は絶対に無理」という意見があがっている。
会社:全員が朝に乗れるわけではない。乗れるように努力するよう働きかけはする。選択肢が広がるということだ。
組合:「他の行路がきつくなったのは育児・介護のせい」となったり、「乗務できない人が悪い」とさせてはならない。
交渉は継続中だが、会社は許しがたい回答に終始している。乗務員勤務制度改悪粉砕へ全力で闘いぬこう。