英国のEU離脱と世界大激動
イギリスのEU離脱の衝撃は世界中で株価の大暴落を引き起こした。出口のない経済危機と難民問題が引き金になって、イギリスからEU 崩壊が始まった。EU各国では極右政党が急速に台頭し、ポーランドでは極右政党が政権を握っている。さらにギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガルなど が国家破綻の危機に瀕し、経済的・政治的激動の渦中にある。
アメリカでも全く同じことが起きている。大統領予備選での「トランプ現象」、その一方で、生きていくことができない現実の中で青年層の8割がサンダースを支持している。
中国のバブル崩壊が世界経済を急速に縮小させ、もはや調整することなど不可能な経済的・政治的・軍事的衝突を生み出そうとしている。
こうした情勢のなかで、朝鮮半島をめぐる戦争の危機や、中国の軍事的膨張政策を生み出している。
改憲攻撃の重大情勢
昨年9月の戦争法強行をもって日本は「戦争をする国」へと突き進んでいる。安倍政権は、参院選で3分の2の議席を確保し、改憲の発議・国民投票まで一気に突き進もうとしている。とくに「緊急事態条項の新設」が9条改憲の突破口として画策されている。
さらに安倍政権は「働き方改革は安倍内閣の次の3年間の最大のチャレンジだ」と言って、雇用・労働政策の歴史的転換攻撃に踏み出している。それは「正社員ゼロ・解雇自由」社会を作ろうとするもう一つの改憲攻撃だ。
9条改憲と労働組合
そして重大な事実は、安倍政権は、発足当初から連合にくさびを打ち込み、労働組合を改憲勢力として取り込むことに全力をあげてきていることだ。9条改憲まで進むには、労働組合がそれに全面的に強力する状況をつくらなければ不可能だからだ。
―連合の分裂
すでに化学大手の労働組合でつくる化学総連(4万6千人)が連合から離脱し、金属労協(200万人)も連合との政治協力解消を決定し、自動車総連、電気連合、JAM、基幹労連、全電線等が連合から離脱する方向をうちだしている。
連合の分裂・解体、労働運動再編ー産業報国会化攻撃が目に見える形で開始された。労働組合をめぐる攻防は改憲攻撃との闘いの焦点にせりあがっている。
「労働者の新たな政党を」
改憲阻止の闘いは、戦後70年一貫として日本の労働運動の最大の焦点であり続けた課題だ。とくに中曽根政権の登場以降、改憲攻撃との闘いは、戦後最大の労働運動解体攻撃=国鉄分割・民営化との攻防として闘いぬかれてきた。
動労千葉が、分・民攻撃以来、後退し続けてきた労働運動の現状を変革し「労働運動の新しい潮流をつくろう」と訴えて、初めて全国に呼びかけを発したのは 1994年のことだった。社会党委員長を総理にかついで自社連立政権をつくる渦中でのことだった。労働運動は思想的混乱を深め、さらなに後退し、社会党も 二年後に解散する。その時にわれわれが訴えたのは、「労働運動の新たな潮流を!」と、「労働者の新たな政党を」だった。
それから20年、改憲と戦争、戦後労働法制の歴史的な解体攻撃が迫っているのに、労働運動はこの攻撃に対抗する力を失い、全政党が腐り果てている。今こそ原点に帰って、その訴えを声を大にして叫ばなければいけない。
動労千葉弁護団の鈴木達夫氏が「戦争絶対反対」「労働者の新たな政党を」掲げて東京選挙区で立候補した。全力で支援しよう。
改憲と戦争を止める闘い
日本全土に労働者民衆の怒りがあふれている。なによりも国鉄闘争は、戦後最大の労働運動解体攻撃と対決し今も闘い続けられている。こ うした怒りの声と、労働運動の再生をめざす職場からの闘いが結合したときに時代は動きだす。労働者の権利を守る闘いは、改憲と戦争を止める闘いだ。その根 源的力は、動労千葉の組織拡大だ。この一点にかけて全力で立ち上がろう。