怒りの声に右往左往―今こそ決別を
ごまかし、ペテン!
千葉運転区でのA君の解雇問題について、東労組は、現場での怒り声の深さにあわてて、「仕方ない」の一言で切り捨てようとしていた当初の対応を変え、「この処分は認められない」「処分の軽減」「裁判闘争も辞さず」などと、言って、千葉運転区ではカンパを集めるという方針をだして、闘うかのようなポーズをとり始めている。
だがこれはペテンだ。ほとぼりがさめるまで、組合員の怒りを逸らそうというだけのことだ。この間東労組がやってきたことを見れば明らかなとおり、東労組が会社と対決して闘うなど、絶対ありえないことだ。
東労組は解雇を認めている!
実際、今回の懲戒解雇に対し「苦情処理」すら申立てていない。これまで前例のない見せしめ解雇であるにも係わらず「苦情処理」すらしていないのが現実だ。すでに申立て期間はとっくに過ぎている。これは、会社との関係では解雇を認めたに等しいことだ。なぜそれを組合員に隠して言わないのか。忘れてしまったとでもいうのか。
今回の解雇処分は、東労組の役員には早い段階から告げられていたことであった。だが東労組は、6月7日に本人に解雇通知が行われるまで何もしなかった。何ひとつ動こうともしなかった。本人に解雇が通知された日も、役員が現場に来さえしなかった。
懲戒解雇直後に開かれた千葉運転区の職場集会でも、「仕方ない」「携帯電話では勝負にならない」が地本の唯一の答弁であった。地本だけではない。本部から来た富塚もそうだ。
怒りの声が噴出!
当然職場集会は、怒りの声が続出し、大紛糾することになった。現在の東労組の判断は、「何とか収めなければこのままではやばい」というだけのことでしかない。
そこで6月22~25日に第二回の職場集会が開かれ、「処分軽減」だとか「見せしめ的処分をさせない」などが「地本方針」と称して提起されたが、こんなものは方針でも何でもない。「苦情処理」すらせずに懲戒解雇を確定させたのに、一体どういう了見で「処分軽減」だとか「みせしめ的処分をさせない」などと言えるのか。
当面カンパを集め、当面就職先を探し、「本人、家族と話し合って裁判も辞さず」などというが、「就職先」なるものも、実際やっているのは、会社に世話させようということでしかない。会社に頭を下げて再就職をお願いし、その一方で会社を相手に解雇撤回の裁判をするなど、成り立つはずもないことだ。
この言い訳は何だ
「分会で調査した現状」など称して言い訳的に提起されたことは、まさに彼らの本質を明確に示している。
① A君の処分は、懲戒解雇という重責処分のため、失業保険も3ヵ月間もらえない。 ② 行方区長との話しの中で、不祥事として扱ったため教育なり構成更生は行わなかった。 ③ 今後、A君がどうしたいか家族と話し合っていく |
というのがその内容だ。重責処分の場合、失業手当が三ヵ月でないなどということは「調査」以前の問題で、常識以前の問題だ。②も、本人が乗務停止で「日勤」に下ろされて以降、職場で何をやらされていたのかすら、同じ職場にいる分会の役員が何も掴んでいなかった、解雇されるまで本人と話すらしていなかったということだ。
そして「A君がどうしたいか家族と話し合う」と、本人に丸投げしようというのである。組合がこんな構えで、本人が「断固裁判闘争をやります」と言いだすなどありえないことだ。
要するに「何もしません。本人の意向です」という布石に過ぎない。
組合員の怒りの声を封じ込めるためにしばらくカンパだけやるというだけのことだ。
怒りの一片も無し
「千葉運転区執行委員会」名で「組合員のみなさまへ」と題する書面がだされている。怒りの一片すらない文書だ。
緊急職場集会への参加、本当に有難うございます。……この間の管理者への不満、不信は相当深いものだと分かりました。千葉運転区執行委員会としては、……A君の懲罰撤回と、これ以上の見せしめ的処分を出さないため会社と議論し溝が埋まらない場合は、抗議行動も視野に入れ取り組んでいきたいと思います。……申し訳ありませんが議論に時間がかかりますので7月をめどに方針をだしたいと思います。それまでの期間は今までと変わりなく行ってください |
というものだ。そして「生活が安定するまで」カンパーの協力を。というのだ。
闘う気などない!
ここには、闘う姿勢などかけらもない。現にA君は首を切られ、職場から放りだされ、生活の糧を奪われているというのに、一体どういう感覚で「会社と議論し、溝が埋まらない場合は、抗議行動も視野に入れ……」などという言い方ができるのか。これは「闘う気などさらさらありません」と会社にメッセージを伝えているに等しいものだ。
やるべきことははっきりしている。解雇無効=雇用関係の存続を争う裁判闘争を組織し、それを支える組合員の怒りの声を組織し、ストライキなどあらゆる手段を行使して闘うことだ。しかしこれには裁判の「さ」の字すらない。
「管理者への不満、不信は相当深いものだと分かりました」と今初めて気がついたかのように言う。だがこれは問題のすり替えだ。組合員の不満、不信は、東労組が会社とべったり癒着していることに向けられているのが真実だ。職場集会でだされたのも、「仕方ない」と懲戒解雇を容認した東労組への怒りの声であった。
懲戒解雇を許すな東労組と決別を!
改めて訴える。こんな不当解雇攻撃を許したら、職場では監獄のような支配が横行することになる。腐りきった東労組と決別しよう。
会社は明らかに東労組・革マルを切り捨てにかかっている。東労組であろうが何であろうが関係ない。徹底的に職場を締めつけ、会社の言うことをきかせる、という構えになったということだ。昨年来始まっていたその動きに、尼崎事故がさらに拍車をかけたのだ。尼崎事故も、革マルと手を結んだ異常な労務も、国鉄分割・民営化が生み出した矛盾に他ならない。それを清算・一掃しようとしているのだ。
安全問題を職場への締めつけにすり替えて、107名も犠牲者をだすに至った現実を隠ぺいすることは絶対に許されない。安全運転行動に対する処分策動も全く同じだ。われわれは断固として闘う。
今こそ、本当の労働組合を職場に取り戻さなければならない。職場の団結をとり戻さなければならない。動労千葉に結集し、ともに闘おう。
▼1047名の解雇撤回! ▼再び大惨事を許すな! 7・15全国集会へ ・7月15日 18時~ ・日比谷野外音楽堂 |