不当家宅捜索国賠償請求控訴審
東京高裁の反動判決弾劾!
9月4日、東京高裁第2民事部・森脇裁判長は、動労千葉に対する92年10月及び93年4月の2度にわたる家宅捜索に対する国家賠償請求訴訟の控訴審において、一審千葉地裁の組合側勝利の判決を取り消すとの反動判決を下してきた。 動労千葉は、この東京高裁判決を断固として弾劾するとともに、国家権力と司法当局一体となった労働運動破壊攻撃に対して全力で闘いぬくものである。
組合員の家族の出入りも理由に 本件は、92年10月と93年4月に、ゲリラ事件を口実にして動力車会館への不当な家宅捜索が行われたことに対して、動労千葉が国家賠償法に基づき、千葉県などを相手取って合計200万円の損害賠償を請求したものだ。この裁判については、昨年7月10日の一審千葉地裁判決では、千葉県警が千葉地裁に対して捜索令状の請求を行うことそれ自体が「違法」として千葉県に65万円の支払いを命じるという画期的な判決を獲得していたものだ。 東京高裁の判決の主な内容は、 (1)動力車会館内には動労千葉、労組交流センター及び反戦共同行動委員会に事務所を置いている。 (2)93年4月の捜索直前に複数のプラスチックケースが動力車会館内に持ち込まれている。 (3)労組交流センターや反戦共 同行動委員会の会員等が動力車会館に出入りしている。 というもので、これらを理由にして動力車会館への捜索は違法ではないとして、千葉地裁判決を取り消してきたのだ。 しかし、これらは理由ならざる理由であり、到底認めることはできない。労組交流センターは、総評が解散して連合が結成される状況の中で、連合に「行かない、行けない」という労働者の新たな結集の場として動労千葉・中野委員長と元中立労連議長・佐藤芳男氏らの呼び掛けによって設立されたものであり、また反戦共同行動委員会についても自衛隊のPKO派兵に反対して中野委員長らが呼び掛けて結成したもので、なんらゲリラ事件などとは全く関係ないことはあまりにも明白である。
映画の機材も不審物と認定 また、動力車会館に運び込まれたとするプラスチックケースについても、千葉県側はそれが具体的に何かは特定できないままでいたもので、それを反動判決の理由にすること自体許せるものではない。このプラスチックケースについては、当時の状況からして「おれたちは鉄路に生きる」の映画やビデオ関係の器材であることは間違いないが、そうした動労千葉の主張を全く無視して判決を行ったことは、到底審理を尽くして判決をおこなったとは言い難いものだ。 さらに、動力車会館への出入りについては、その中には中野委員長の実の姉が含まれていたり、動労千葉組合員の妻であり家族会の役員などを歴任した人なども並べているなど、全くデタラメな主張をそのまま引用して判決文としているなど、到底公正な判断のもとで行われた判決とは言い難いものだ。
反動判決粉砕し、勝利を勝ち取ろう こうした東京高裁の反動判決は、大失業と戦争の時代に突入した今日の情勢と深く結びついていることは明らかだ。瀕死の銀行資本などには数十兆円の資本を注入して生き延びさせようと必死になっているにも関わらず、労働者に対しては国が法律を作ってまで解雇・リストラを奨励する状況になっている。 また、組織的犯罪対策法や盗聴法などのように、政党・党派まもちろんのこと労働組合や市民団体などあらゆる団体を対象にして弾圧する体制を強化してきている。 そして、小泉政権の登場とこの間の靖国神社への公式参拝に見られるように戦争と反動への道を突き進もうとする状況の中で、1047名闘争の当該組合として闘いぬき、また闘う労働運動の再生をめざして訴え続けている動労千葉の活動を潰したいという権力と資本、司法一体となった攻撃として今回の反動判決が政治的に下されたことは間違いない。 しかし、動労千葉は、こうした攻撃に対して、直ちに控訴するとともに、不当な権力の横暴を粉砕し勝利をかちとるために職場からの反撃を全力で闘いぬくものである。
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