JRは、 職場の信頼関係を覆し、 不信感を煽る「 新型アルコール検知器」 の導入を中止しろ!
JR東日本は、「飲酒に係わる事故防止に向けた更なる取り組み」として、「新型アルコール検知器」の導入について、5月1日から6月30日までを経過措置期間とし、7月1日から乗務員の点呼時に測定を行うとしている。
今回の「新型アルコール検知器」導入に関して動労千葉は、職場における信頼関係を根底から覆し、無用な混乱と不安、差別感を生じさせるものであり、しか も乗務前にこのような測定を行うこと自体運転士に無用のプレッシャーをい与えるものであって、運転保安上からも極めて重大な問題であることから、①今回の 新型アルコール検知器による呼気の測定については、職場における信頼関係を根底から覆して不信感を煽るとともに、運転士に対する無用な差別感を与えるもの であると考えるが、千葉支社の見解を明らかにすること、②新型アルコール検知器による呼気の測定を行う理由等について明らかにすること。また、新型アル コール検知器の性能等について、具体的に明らかにすること、③5月から「経過措置期間」として新型アルコール検知器による呼気の測定行うとしているが、こ の期間における取り扱い等について具体的に明らかにすること.④新型アルコール検知器と執務標準の関係について、千葉支社の考え方を明らかにすること.⑤ 運転士の点呼時における新型アルコール検知器による呼気の測定については、現場における労働者との信頼関係を根底から覆す、極めて不適切な取り扱いである ことから、計画を撤回すること、を申し入れ、4月27日に各支部代表も参加して千葉支社との団体交渉を行った。
社員を疑っていないが測定は行う?
「新型アルコール検知器」により点呼時に測定を行うことについて千葉支社は、「一昨年、一部鉄道会社において飲酒に係わる事象が発生 し、昨年は当社グループのJRバス関東等において同種事象が発生し社会的に大きな批判を受けた。これを踏まえ、飲酒に関する事故防止に向けた更なる取り組 みが求められていることから今回の取り組みを行うものである」「会社としては社員を疑っているわけではないが、この間の事象をあったのでJRへの信頼を回 復するために実施する」との回答を行ってきた。
しかし今回の「新型アルコール検知器」の導入は、昨年の秋以降発生した大幅な輸送混乱やそれに伴う国土交通省の立入調査=事業改善命令の交付等により、 社会的名問題となってしまったJRの安全無視の体質という重大な問題を、現場の労働者を締め上げ、労務管理を強化することですり抜けようとするものであ り、絶対に許せるものではない。
労務管理強化のためだけに導入
とくに今回の「新型アルコール検知器」の導入で最大の問題になるのは、測定の方式とそれに伴う勤務の取り扱いだ。
5月1日~6月30日までの経過措置期間、7月1日からの本格実施について、千葉支社は以下のとおり説明を行ってきた。
【アルコール検知器測定の対象】
◎運転士(予備勤務も含む)
◎構内運転に従事する者(仕業 構内及び、内勤・交番、銚子 及び館山派出のハンドル担当)
◎予め乗務が予定されている指 導員(通常の添乗では行わな い。出先で急遽ハンドルを担 当する場合も行わない)
◎車掌
【経過措置期間中の取り扱い】
(5月1日~6月30日の間)
点呼時に新型アルコール検知器で測定し、、
「緑色」は乗務、
「橙色」は乗務、
「赤色」の場合は、現行の旧型アルコール検知器で再度測定し、
「緑色」ならば予備勤務、
「赤色」は勤務をさせない(不参)。
※予備は勤務変更の取り扱い となり、乗務に就く場合は 改めて前記の測定を行なう。
【本実施での取り扱い】
(7月1日以降)
点呼時に新型アルコール検知器で測定し、
「緑色」は乗務、
「橙色」は管理者等が確認した上で乗務、
「赤色」の場合は、うがい等を行った後再度測定し、
「緑色」「橙色」は乗務、
「赤色」は勤務させない(不参)。
この他に、測定を拒否した場合は「業務指示違反」であること、休日に急遽呼び出され、測定で「赤色」になった場合は、休日そのままの扱いで「不参」には ならないことが明らかとなった。しかし、あらかじめ休日勤務に指定されている場合で、測定の結果「赤色」になった場合は、「業務指示違反」になるとの考え 方を示してきた。
また、所定で出勤したが測定で「赤色」となり、予備勤務等の代務もいない場合は、列車の運休、遅延が発生してもやむを得ないとの考え方も示してきた。
現場での説明ですでに食い違い
千葉支社がこうした回答を行う一方現場では、4月の訓練の中で説明された内容が支社回答と異なる部分があることが明らかとなった。現 場では、予備勤務は点呼時には行わず、乗務につかまった場合に測定を行うと説明されていたが、支社回答は「点呼時に測定する」との回答であった。
また、訓練時に測定したところ、タバコにも反応すること、市販の清涼飲料水や会社がうがいに提供しているイソジン等にも反応することなどが明らかとなっている。
乗務前の運転士に無用の混乱と不安を与える「新型アルコール検知器」の導入は絶対に行うべきではない。JR東日本は、職場を締め付ける新型アルコール検知器導入を中止しろ!