ワンマン運転拡大 絶対反対! なぜワンマン運転に反対するのか①

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房総エリアに中編成ワンマン車両導入計画

JR東日本は来春から内房線(木更津以南)、外房線(上総一ノ宮以南)、鹿島線(佐原~鹿島神宮)で2両編成でのワンマン運転を実施すると提案してきた。さらに、房総エリアには中編成(3~6両)のワンマン機能を搭載したE233系車両を24年度以降に導入する計画を示している。水戸線で今年度末に5両ワンマン導入の提案が行われるなど、他支社でも中・長編成を含めたワンマン運転導入が激しく進められている。

われわれはワンマン運転拡大に絶対反対だ。

①何よりワンマン運転は運転士にすべての責任を背負わせて激しい労働強化をもたらすことによって、鉄道の安全を破壊する攻撃だからだ。

乗務中の鉄道の安全は運転士と車掌とで守られている。車掌は通常の運行時もホーム上や後方の安全確認、乗客への案内や対応を行っている。異常時には、さまざまな連絡や乗客の状況の確認、避難誘導などを担う。

とりわけ事故などの緊急時には、事故状況や車両の確認、指令や警察との連絡、乗客への案内や誘導などを行わなければならない。ワンマンになれば、異常時の混乱の中、運転士一人で瞬時にいくつもの判断を迫られる。運転士への負担の増加は、事故に直結する。

昨年8月に外房線で起きた踏切事故は、列車後方に軽自動車が衝突したものだった。ワンマンならば気づかなかった可能性が高い。今回は車掌が非常ブレーキを引いたが、運行を続けてしまえばさらなる事故に繋がりかねない。鉄道で働く者として、安全を破壊する攻撃を許すわけには絶対にいかない。

②ワンマン運転の全面的な拡大は、車掌の激しい減少と、職場に激変をもたらす攻撃だ。

内房線、外房線の中編成までワンマンとなれば、相当な部分がワンマン化される。山手線のワンマン化だけでも「大異動」が引き起こされる。JR東の運転士は約7千人、車掌は約6千人弱だ。この規模で要員削減の対象となれば、職場のあり方は根本から解体される。

駅から車掌、運転士という養成体系も成り立たなくなる。ジョブローテーションはこのための攻撃だったといっても過言ではない。「最大10年」で運転士・車掌を次々に配転する。その先には「もうJR本体に車掌の仕事はない」と下請会社への出向や転籍に追いやる。そして、運転士の地位を今以上に低下させる。

会社が大規模の配転と職場の激変を現場労働者の団結破壊に徹底的に利用しようとすることは明らかだ。ゴマスリと競争、足の引っ張り合いが蔓延するような職場にさせてはならない。

③「人口減少で要員確保が厳しい」などというのは完全なペテンだ。目的は要員削減と労働条件解体によるコスト削減・利益追求だけだ。

世にいう「人材不足」とは、「低賃金でこき使える労働者が足らない」というだけに過ぎない。実際、ZOZOタウンでは時給を1千円から1千3百円に引き上げただけで、2千人の応募枠があっという間に埋まった。会社が人材不足を心配するのは、「鉄道業務はすべて別会社化し、低賃金にする」つもりだからだ。こんな攻撃を許すことはできない。

④ローカル線切り捨て、地域切り捨ての攻撃だからだ。地域の過疎化に拍車をかけ、安全をないがしろにするワンマン拡大に、地域から怒りの声があがっている。

すでにワンマン運転が導入されている久留里線では、「夫婦で乗ろうとしたが妻だけ取り残された」「2時間列車がないので引き返さざるを得なかった」「学生が列車後方につかまり一駅乗ったことがある」といった声が寄せられている。

内房線と地域を守る会、外房線と地域を守る会をはじめ、地域の仲間とともにワンマン運転拡大・ローカル線切り捨てを許さず闘おう。

すべての仲間はともに闘おう

会社は「変革2027のスピードアップ」を掲げている。だが、現場から反乱が起これば、攻撃はストップせざるを得ない。

動労千葉はワンマン運転拡大に断固として反対を貫き闘いぬく。すべての仲間に訴える。動労千葉に結集し、ともに闘いにたとう。

(今後、ワンマン問題をシリーズで連載します。)

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